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三本目
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長い間の孤独を味わった。
わたしが望んだことではなかったはずなのに。
他の人間とは違う人生だったと、自分でも思う。
愛していた人が私を置いて逝く光景をたくさん見せられて。
世界が崩壊していく様を見せつけられて。
それが自分の所為だと知らされて、苦しくて仕方がなかった。
「・・・・・・明樹」
愛していた。愛していたの。
どんな存在であろうとも、どんなに時間が経とうとも。
自分の命が消えかけていくのを感じつつも願う。
もう一度、彼にあいたい。
どんな卑怯なことをしてでも、会って頭をなでで貰いたい。
強く抱きしめてほしい。
ぽわぽわと周りが明るく照らされる。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ぁ」
最後のキセキの代わりに残っていた命が奪われていく。
末端からどんどん動かせなくなる。
かろうじて動いていた心臓は職務放棄をした。
目はとっくの昔に閉じられたまま。
真っ暗闇の中。
体の中すべての力が抜けた。