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三十三本目
男が埋まった土からとある木の芽が出ました。
この世のどんな植物よりも濃い緑のそれは、ぐんぐんと背が伸びていきます。
木はひと月にも満たないうちに子供の背丈になりました。
まるで彼を養分とした桜のようによく成長しました。
誰かが言いました。
(”悪魔”は村人に聞こえるように言いました。)
『これは彼の魂を移し替えたからだ。
彼の魂が罪を償おうと贖っているからだ。
天には国があるが、私たち人間では到底届かない。
でも木に乗って天へと手を伸ばせば、届くのだ。』
このようなことがあったため、
この村では人が亡くなったらその人を埋めた上に木を植えるようになったのです。
先ほどのことを言った人は村の誰でもありませんでした。
なので村の人は神様のお告げであるとし、この風習を永遠と続けていくことにしました。
「おしまい」
ぱたん。




