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十本目
こんな時、自分にもっと体力があればよかったと思う。
・・・しみじみと、ね。
「はぁ・・・・・はぁ」
「大丈夫?咲希」
「・・・・ぅん、・・・じょぶ」
「ちょっと、休もうか」
アルビノだから、外に出るのが億劫になってしまっている。
外には危ないものばかりあるから。
光の暴力が理不尽に私を襲う。
高度があがっていくにつれて、酸素が薄くなってくる。
気温だって上がってくる。
331、5+0,6t。
何の公式だったっけ。頭が働かない。
ううーん。
記憶が混ざってきた?
誰の?わたしの。
今まで繰り返してきた分の記憶が、混ざってきた?
『あんた馬鹿なんじゃないの?』
『ごめんなさい、あなたの気持ちも考えないで』
あれ、なんか変だよ。
だって・・・。
「あっ」
足が滑った。
そういえば、雨が降ったんだっけ?
あちこちの草が濡れていたもんなぁ。
あれ、あれ?
なんで、わたしは、
生きているの?
伸ばされた明樹の手が、どうしようもなく遠かった。




