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魔王様と16人のヨメ物語  作者: 九重七六八
激闘モード
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魔王直属第251小隊 激闘モード

ついに魔界編「激闘モード」に入ります。カオスとの戦争。魔界と天界の連合軍はなぞの敵カオスに勝利できるのでしょうか…。

そして美少女たちに囲まれてモテモテの種馬の魔王こと土緒夏の運命は?

 俺(土緒夏)は戦場にいる…はずだが。俺の周りは戦場特有の殺伐とした雰囲気がまったくない。どちらかといえば、メイドカフェでかわいいメイドさんにオムライスにLOVEとケチャップで書いてもらっている幸せな状況といったらよいのだろうか?いや、まさにその通りの状況が視界に映っている。野戦用テントに置かれたテーブルに料理が並べられ、可愛いメイドさんの格好をした自分直属の女の子兵士が甲斐甲斐しく俺の世話をしてくれている。


「魔王様、本日は魔界卵のオムレツおっぱい仕立て、キュートな小悪魔風きのこスープに魔界パンケーキキイチゴジャム添えでございます」


隣で俺の左腕に密着して侍従長のロレックス嬢が説明をする。右隣りには次席侍女のオメガ嬢が金のスプーンで俺の口元にスープを運んでくる。


「いや、その、昨日も思ったんだが、ロレックスちゃん」


「何でございましょう?魔王様」


金髪で爆乳だが、清楚な衣装で包まれた侍従長は、長い睫を2,3回パチパチさせて俺の顔を見る。かわいすぎる顔だが、スカートから伸びる尻尾と口からちょっとのぞく牙が魔界の女子だと俺に自覚させる。侍従長と言ってもめちゃ若い女子だ。彼女は俺の軍団を統括する立場でもあるのだが、その統括する軍団というのがこのテントを中心に配置しているすべて若い女子しかもメイド30名で構成される部隊なのだ。


人呼んで、「魔王のハーレム小隊」正式名はイレギュラーの魔王直属第251特殊小隊だが、誰もそんな正式名では呼ばない。30名、みんなカワイ子ちゃん揃いだが、上は侍従長ロレックスが推定人間年齢18歳、下はどう見ても小学生、推定人間年齢10歳のピアジェちゃんとおよそ戦争に出向くメンバーではない。一応、槍とか刀とかで武装はしているとはいえ、構えからしてなっていないと素人の俺でも思う。


「いや、今回の戦いはカオスの力量を見るということでここまで出てきたんだろう」


「はい。そうと伺っております」


「昨日、リィから聞いたんだが」


「ああ、昨晩、リィ様がお泊りになった時に魔王様にお話になったのですね」


「いや、それは」


顔が真っ赤になる。昨晩は俺の第一側室リィ・アスモデウスが軍議と称して俺の小隊陣地を訪ね、一晩泊まっていったが、リィの奴、


「久しぶりだし、戦いの前で燃えちゃうわ~」


などと言って迫ってきたので激しい夜になってしまった。いや、今はそんな秘め事を告白する時ではない。


「敵のカオスは30万の大軍で3方向から、我々を包囲せんとしているらしい」


リィとのピロートークで知ったことだが、最初は新魔王のデビュー戦ということもあって、軽い気持ちで出撃したのにカオスの奴らが過剰反応して、かなりの大軍を繰り出しきたので全面決戦の様相になってきたらしい。カオス30万に対し、魔界軍は総勢15万と劣勢だが、リィの話によると、魔界軍兵士の力はカオスの3倍になるそうで、今回の戦いは数で楽勝ということだった。しかも、戦いは兵士同士の戦いで決まることはなく、最終的には大将同士の一騎打ち。今回のカオス軍には魔界の将軍たる側室に対抗できる上将軍以上の指揮官はなく、この面でも恐れる必要はないらしい。


だが、中央軍の魔王軍主力を担う俺の直属軍は7万余と今回出撃した魔界軍の半分にのぼるが自分が指揮できる兵力は251特殊小隊、通称ハーレム小隊の30名のみである。これは相当心許ない。


「大丈夫ですわ。魔王様。私たちの周りには妃殿下を始め、リィ様、ファナ様の軍で守られております。魔王様はゆったりと戦見物をしていただけそうですわ」


「いや、それはそうだが…」


(男としてかっこ悪くないか?)というセリフを引っ込めた。この可憐な侍従長に言ってみたところで状況は変わらない。それに戦いは正直なところ怖い。そんな怖い戦いに大事な立松寺やリィやファナたちを向かわせるのは男として不甲斐ない。できることなら、お前たち、俺が守ってやるぜ!と格好つけたいところだが、自分の兵士は可愛い女の子の30名、おまけに自分は魔王としての能力は皆無だ。単体戦闘力においてもまったくかなわないのである。


(実に情けない…屈辱的だ…)


俺は1週間前の魔界に入った時の出来事を思い出した。そうあの将帥の儀式の時を…


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