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魔王様と16人のヨメ物語  作者: 九重七六八
胎動モード
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幕間 リィのお妃講座 その1

王様に嫁ぐときには、よくお妃教育なんていいますが、魔王に嫁ぐ予定の夏妃と華子ちゃんには、いろいろと学ばなければいけないかな?と考えた息抜きのお話です。

 その頃、夏妃は例の山寺でハン・アスモデウスとリィからお妃教育を受けていた。

魔界の女王となる夏妃には、魔界の歴史、文化、政治、経済制度を早急に学び、魔王を補佐する勤めがあるのだ。


さらには戦闘能力の向上。これはもう一人の正室である立松寺も同じだが、机を並べて学ぶということはなかった。彼女の方は母親が天界出身ということもあって、ウリエル総参謀長とエトランジェがその任を引き受けていた。魔界の教育なのに天界人が講師というのも不思議だが、どうしても必要な時のみ同じ講義をハンから受けることで対応している。


「以上です。御台様。何かご質問はありますか」


「はい、魔界の戦争のやり方は、人間界の中世レベル相当かと思うのですが、魔界には戦車や飛行機といった近代的な武器はないのですか」


「もし、魔界の軍隊が人間の軍と戦ったら、人間が圧勝するとお思いか?」


夏妃は少し考えた。いくら強くても剣や槍で戦車の装甲は破れないだろう。


「はい。普通に考えれば…」


「さもあらん…百聞は一見にしかずと言います。リィやシュミレーションしなさい」


「はい、おじい様」


 リィが境内に降りるとバトルエリアが展開される。そして空間が広がり、3台の戦車とヘリコプター、ジェット戦闘機、大砲が現れる。リィが魔槍フィン・マークルを振りかざして戦車に挑む。


それぞれがリィめがけて射撃するが、どれ一つリィには当たらない。戦車はなます切りにされ、ジェット戦闘機は真っ二つ、ヘリコプターは潰されて地面に落ちた。大砲も無残に細切れだ。


「御台様。訓練された魔界の指揮官クラスはこの程度は朝めし前ですぞ。魔界の兵士一人でも戦車1台並みの力があります」


「そんなに強い魔界軍が苦戦するカオスの軍勢って」


「あやつらは確かに強い。だが、個々の戦力は魔界の兵士に及ばない。それに忠誠心も薄い。カオスの指揮官を倒せば、それでその部隊は霧散する」


リィが先ほどのシミュレーションから、乱れた息一つせず戻ってきた。


「御台様。カオスは我々より大軍できます。それがなによりの脅威。倒しても倒しても雲霞の如く湧き出てくるのです」


 ハンがいまいましそうにそう言った。確かに魔界と天界連合軍は幾度も勝利し、カオスを撃退しつつも、その無限とも思える軍に現状維持するのが精いっぱいであった。前魔王の時代でもその大軍に押され、側室序列1位のイセル・バールの死をかけた奮戦がなければ、魔界の領域は大きくカオスに奪われていただろう。


だが、今回は魔王が3人という強力な布陣を用意できる。うまくいけば、カオスの本拠地、デルタパレスを落とし、この戦争に終止符を打つことができるかもしれない。


(それもこの御台様の力があってこそ)


無限の回復の力を持つ夏妃が戦場にあれば、魔界軍はそれこそ無限の戦力を持つことになる。倒れた兵士は立ち上がり、傷ついた指揮官は傷が癒え、カオスの戦力をことごとく葬るに違いない。


「それでは、御台様。次の講義はリィが行います。私はこれで…こほん…」


そういって、ハンは出て行った。


「リィ・アスモデウス、次の講義は何?」


「はい、次の講義は…閨房術でございます」


閨房術けいぼうじゅつ?それって、何か戦うための術なの?」


リィの顔が赤くなる。このお姉さん、見た目がエロい割には意外と純情なのだ。


「閨房とは、夫婦の寝屋のことです」


「あっ…」


字を頭に浮かべて夏妃は顔を赤らめた。


「正室たるもの、寝屋で魔王様を癒し、心身ともに回復させてあげることが重要な勤めであります。無論、側室の勤めでもありますが」


「それは私の回復魔法でできます」


「御台様、回復魔法では治らないこともあるのですよ」


「そんなことって…」


夏妃もネンネといっても、そのくらいは分かる。男と女の営みぐらい…


「ねえ、リィって、夏と経験してるんでしょ」


「はい。御台様」


「どんな感じだったの?」


リィの顔が赤くなる。でも、表情はどこか幸せそうだ。


「御台様、それは最初はぎこちなくて、痛くて大変ですが…終わった時には、なんとも言われない幸福感に浸れるのです」


「そういうものかしら…」


夏妃は最後までしてないといっても、宗治や元馬、隆介に一歩手前まではされていると言えばされている。確かにぎゅっと抱きしめられると何だか嬉しかった。


「それに…御台様。何回かすると…」


「すると?」


急に小声になるので、夏妃はリィの顔に耳を近づける。


「気持ちいいのです」


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