幕間~ハン・アスモデウスじいさんの回想
この話はリィのおじいさんであるハン・アスモデウスの回想で登場人物を整理する話です。だから、幕間…あしからず…
一方、寺に残ったハン・アスモデウスは4魔王と正室、側室の戦力分析をしていた。まずは一柳宗治。最初に覚醒した魔王。「暴虐の魔王」の名の通り、物静かな外面とはうらはらに荒ぶる覇気は通常状態でも感じられた。おそらく、歴代魔王の中でも最強の破壊力を持っているだろうことは予想できた。持ち前の精神力で暴走は極力抑えるだろうが、もし、タガがはずれたら魔界も天界も一緒に破壊に走る危うさを持っている。天界軍のランジェが排除しようとする気持ちも理解できた。携えるウェポンは「毘沙門改」もともとは木刀ではあったが、覚醒と同時に日本刀に変わった。接近戦では圧倒的な破壊力を持つ。、
(危ういが、あの攻撃力は今後の闘いには必要で、排除することはできない)
そうハンは思うのであった。おそらく、この強力すぎる魔王を抑えんがために残りの魔王が存在するのだろう。第2の魔王である源元馬は、正義と熱血の「激熱の魔王」正しいことに何の躊躇もなく突き進むその性格は、「暴虐の魔王」が暴走した時に彼が抑え役に回るのであろう。
持っているウェポンは、近接攻撃系の雷神の籠手及び全身に装着する雷神の鎧一式。それを身に着けて繰り出される「魔王拳」は、暴虐の魔王に負けないパワーを持つだろう。
そして、3番目の魔王、橘隆介。かれは沈着冷静な性格と知性の「天智の魔王」というべき存在だ。おそらく知略面で今後の闘いに必要となっていくだろう。彼の持つウェポンは、「鎮魂の双魔銃」2丁のハンドガンであるが、威力は車なら軽く打ち抜ける威力がある。
弾丸を交換することによって、属性攻撃が可能であり、近接系の味方を遠方から援護できる特徴を持つ。もし、「暴虐の魔王」が暴走したら、この2人の魔王が力を合わせれば、抑え込めるだろう。見事なバランスを考慮した状況なわけだ。
さらに、まさかの第4の魔王である、土緒夏…彼の場合はイレギュラーである。元々、彼は存在してなく、3魔王の正室である土緒夏妃から別れた存在で計算外である。今のところ、特殊能力もウェポンも持っていない。だが、正室である立松寺華子や孫のリィの覚醒能力を考えると侮れない力を秘めているに違いないとハンは考えている。そもそも、魂が別れた夏妃が絶対回復の力を持っていることを考えるととんでもない力があるのかもしれない。
正室は2人。夏妃は絶対回復の力を持つ。これは能力的には絶対勝利が約束されたといっていい能力だ。もし、RPGのゲームラスボスの魔王の傍らにこの奥さんが立っていたら勇者ご一行は屍の山を築くだろう。無論、ゲーマーはこの奥さんを優先的に倒す手に出るしかないが、敵である混沌のカオス勢力や魔界の過激派勢力にとってもやっかいな存在だ。もう一人の正室である立松寺華子は、天界出身の母親の能力を受け継ぎ、無数のお札を身にまとい、攻守のバランスに優れた戦闘力を持つ。そして、優れた状況判断と的確な指示、かしこさと広い視野を持つ、まさに魔王の女にふさわしい器である。寝室で夜伽や、個人の戦闘力のみにとどまる女とは格が違う。
側室は現在のところ、5人。魔界の大貴族で自分の孫でもあるリィ・アスモデウスは、第1位になるだけあって、能力は申し分ない。第1位は正室がいなくなれば即、正室になるだけあって、戦闘力、人望などは正室に次ぐ力がないといけない。孫娘にはそれだけのものがある。装備するウェポンは巨獣殺しの「魔槍フィン・マークル」これが第4の魔王「イレギュラーの魔王」の専属。
源満天は、第3位。人間出身にしてシングルナンバーで、しかも3位とはこれも魔界始まっての出来事だ。現役の側室を2人倒す実績は伊達ではない。装備するウェポンは神速の「魔槍グングニル」これが「激熱の魔王」の妹。第7位に天界出身のメグル・インドラ・ハヌマーン。天界のエージェントであっただけあって、シングルナンバーにふさわしい力はがある。装備するウェポンは暴走の「神槍ズフタフ」。第8位はこれまた人間出身ではレアなシングルナンバー。新堂ひかる。驚いたことに転生前は男だったが、女に覚醒。男時代に夏妃に惚れていたせいか、女になっても夏妃にべったり。だから、正室付きの側室という不思議な立場。旧側室を3人も倒す実力はさすがである。装備するウェポンは一撃の「魔剣ハルパー」。
第11位に藤野蝶子。暴虐の魔王に付き従う忠実な女である。能力的にはベスト10外であるため、さほど驚異的な力は持たないが、ベストテン外は補助的な能力に特質がある。蝶子の場合、装備ウェポンが相手の足止めや防御に徹するオオカミ殺しの「鎖のグレイプニル」攻撃的な「暴虐の魔王」からすれば、非常に相性の良いパートナーでもある。
(さて、今のところ、4魔王の力に合わせたバランスのよい組み合わせだが、今後、どう戦力を補充するか?誰かが強すぎてもだめで、誰かが弱すぎてもバランスは崩れる。)