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魔王様と16人のヨメ物語  作者: 九重七六八
激闘モード
136/139

黒の夏妃 序

いよいよ、マオ嫁のクライマックス…いや、強引に…というか…。約100人の読者様…ありがとうございます。あとしばらく、愛読くださいませ。

 暴虐の魔王と激熱の魔王の激しい一騎打ちが繰り広げられている。暴虐の魔王がその強力なウェポンである「毘沙門改」の剣戟を当てようとすれば、激熱の魔王はそれを左手の防具で受け、すかさず右こぶしの渾身の一撃を暴虐の魔王の当てようとする。


お互いに一撃が体に当たれば勝負が決まる。体へのダメージと言うより、体の中心にある魔王の魂を打ち砕くことを目的にしていた。魂を打ち砕かれた魔王はこの魔界から消え、人間界に戻ることになるのだ。


「ちっ…さすがは宗治先輩。一人で相手するのはきついぜ…」


元馬は1対1で宗治に対しながらも、このままでは自分が負けると感じていた。いくら魔王としての能力は同じでも、人間界で武道の達人であった宗治には技の面で大きく劣っていた。だから、元馬としては時間稼ぎして、魔王を倒せる側室と天智の魔王こと橘隆介の来援を待つことに集中した。


 一柳宗治は、元馬の戦いぶりから、自分を倒すというより、防御中心の消極的なにおいを感じていた。


(狙いは複数で余を倒すということだろう。でなければ、勝負にならない)


いくら宗治でも負けない戦いをされては、簡単には倒せない。完全に、おそらくはこの作戦を立てた天智の魔王の策にはめられた。だが、逆にその作戦が完了したと同時に敵は攻勢に転じる。そこに勝機を見出すことにした。2魔王及び主要側室を倒せば、この魔界は一挙に自分のモノとなるはずだ。


「お兄様、遅れました!」


中学校の制服を模した戦闘ドレスにベレー帽を着用した元馬の妹、源満天が駆けつけた。右手には彼女のウェポン…魔界の5本槍の1つ、「グングニル」が握られている。


「満天!まだ、焦るな!」


元馬は満天まてが宗治に襲い掛かるかもしれないと思い、叫んだが、兄のピンチを救おうと満天は、グングニルを振り回し、超高速移動による攻撃を開始する。スピードなら全側室中、最速を誇る満天まての攻撃だ。だが、暴虐の魔王はその切っ先を毘沙門改で跳ね返す。満天の攻撃すら見切っている。


「くおおおっ…」


元馬は渾身の一撃を宗治に見舞う。トールのガントレットによる雷撃のストレートパンチである。今、宗治を倒すつもりの反撃に出なければ、次の一太刀で大切な妹を失いかねなかった。その一撃は宗治の胸に直撃する。宗治が装着した魔王の鎧の胸当て部分にヒビが入り、高圧の電撃が宗治を襲う。


(浅かったか…宗治先輩、とっさに後ろに跳んでダメージを軽減した)


片膝をつき、毘沙門改でなんとか体を支えている暴虐の魔王を見て、今が勝負かもしれないと思った。長引かせるのは多数の自分たちにとっては有利のはずだが、暴虐の魔王の秘められた邪悪な力を感じとり、その力が覚醒する前に打ち取るしかない…と思ったのである。


「満天、ここで決着をつけよう」

「はい、お兄様!」


源兄妹による同時攻撃。だが、宗治は勝機を見出していた。すぐさま、満天めがけてすさまじい攻撃をかける。


「確かに2人がかりなら、余を倒せるかもしれない。その考え、由とする。だが、それには妹を犠牲にしてもよいという気持ちがなければならない!」


妹の満天が危ないとなったら、元馬としては彼女を救うために動くしかない。宗治の言うとおり、満天を犠牲にすれば、背後からこの暴虐の魔王を葬ることは容易かったが、それを行える非情さを元馬は持ち合わせていなかった。


不十分な体制で満天へのとどめの一撃の前に割って入り、その剣戟を受けてしまった。


「お、お兄様~!」


満天が駆け寄る。そこへ宗治の攻撃が襲い掛かる。


「兄妹仲良く、人間界へ帰れ!」


兄を抱きかかえて目をつむる満天。だが、目をつむった満天の耳に2つの銃声が聞こえた。


そして聞きなれた声が3つも…。


「元馬、生きているか!」

「暴虐の魔王陛下、ここまでです!」

「ここまでアル」


天智の魔王こと橘隆介とリィ・アスモデウス、エトランジェ・キリン・マシニッサが駆けつけてきたのである。


「お…遅いぞ…隆介…こっちはヒットポイント、かろうじて1残ったって感じだ」


「すまん。手間取った。だが、宗治先輩もこれで終わりだ。勝利は確定した」


隆介の放った「鎮魂の双魔銃」から放たれた2つの弾丸は暴虐の魔王に致命傷を負わせていた。そこへ側室屈指の実力を持つリィとランジェの攻撃が続く。さすがの暴虐の魔王も勝てる可能性は0であった。


 だが、宗治は重傷の身ながらも、リィとランジェの攻撃を振り切り、カルタゴの城壁へと退いていった。魔界軍がその後を追う。



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