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魔王様と16人のヨメ物語  作者: 九重七六八
激闘モード
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カルタゴの戦い 前編 その4

蝶子先輩を撃破!そしてカルマさんを吹き飛ばし、カテルさんは氷漬け…

強すぎる…

「きゃああ…」


札が当たるとスパークするため、蝶子の体中からまばゆい光が放たれる。光が収まった時、ボロボロに戦闘ドレスが破れた蝶子が力なく崩れ落ちるのが見えた。


「よくも蝶子さんを!妃殿下、覚悟。心臓を射抜け!森羅万象しんらばんしょう


カルマが自らのウェポン、神弓、森羅万象を引き絞った。呪符の舞を解いた立松寺華子の体を狙って矢を放つ。高速の矢が立松寺の体に迫る。だが、


「その攻撃、無効!」


立松寺が叫ぶと心臓の手前に「無効」と書かれた呪符が現れ、矢を遮った。


「ならば、連続で撃つ!」


カルマは矢を次々と放つ。5連撃をたった2秒で行う。だが、カルマの神業のような攻撃も妃殿下元帥を名乗る立松寺の前には通じなかった。無効と書かれた呪符が5枚、身代りに矢の攻撃を受けただけであった。


「呪符の攻撃方法を変換。爆裂を選択。目標、物部カルマさん。距離、300」


立松寺の体の周りに再び、呪符が螺旋を描き始めた。先ほどは白い呪符であったが、今度は赤い色をしている。それが300m離れたカルマめがけて飛んでいく。避けるカルマであったが、呪符は地面に着弾すると爆発を起こす。


カルマの兵士が何十人と吹き飛んでいく。爆風でカルマも吹き飛ばされて地面に叩きつけられる。


(な…なんて、でたらめな攻撃なの。近接では剣の嵐のような攻撃、遠距離は爆撃ですって?)


カルマは森羅万象を杖にして、なんとか立ち上がった。カルマの本陣は大混乱で立松寺の兵士に押され始める。蝶子の軍は彼女が倒れたためにすでに敗走しつつあった。


カテルは蝶子とカルマがなすすべなく、撃破される様子を見たが、臆することなくフルティングの剣を抜き、立松寺華子めがけて前進する。


「妃殿下!序列第5位カテル・ディートリッヒ…推して参る!」


フルティングの刃は立松寺の呪符の舞に強烈な火花をまき散らしたが、一瞬で弾かれる。だが、カテルはすぐさま、特殊攻撃、ブラッディ・クロスを放つ。リィの防御力を無効にした攻撃だ。だが、呪われた血のシャワーは呪符がすべて防ぎ、一滴たりとも立松寺華子の体に付くことはなかった。


「カテルさん、あなたで終わりです。呪符の攻撃方法を変換。氷の嵐を選択。目標、カテル・ディートリッヒさん、距離、至近」


立松寺の周りを回る呪符が水色に変わる。そしてそれが束になってカテルに襲い掛かる。カテルは左手の盾で防ごうと前に突き出したが、


「無駄です!」


と立松寺華子が言ったと同時に、青色の呪符は凍りつき、カテルを氷の棺に閉じ込めた。


「華子ちゃん…強い…」


リィは後方で戦いの成り行きを見ていたが、立松寺華子が3人の側室を次々と撃破していくのを見て驚いた。正妃とはここまで強いものなのか…。


「リィ…序列11位の蝶子先輩はともかく、カルマさんは6位だし、カテルさんは5位。3人束になっても立松寺一人に歯が立たないものなのか?」


一緒に見ていた俺はそうリィに質問する。最初は、3人がかりの攻撃に立松寺のことを心配したが、そんな心配はまったく無用であった。


序列1位のリィは5位のカテルに苦戦したから、カテルの力は相当なものなのに、まったく相手にしていないのだ。


「やはり、正妃は私たちとは違うとはいえ、華子ちゃんの力は想像を超えている」


リィも感心するしかない。指揮官たる3人がわずか3分少々の戦闘で撃破されてしまったために、兵士も動揺して総崩れの体をなしてきた。数で押していた3側室軍が妃殿下元帥の2万に駆逐されていく。


「どうやら当初の目論見どおりになったわね」


立松寺は扇を開いて自分の口元を隠した。これで孤立した一柳宗治は降伏するしかないだろう。戦いたくても指揮官たる側室を3人も失えば、3魔王を倒すことなど不可能であるからだ。


だが、この聡明で無敵の妃殿下は、カテルの氷の棺が一瞬の閃きとともに、粉々になるのを見つめることになる。氷から解き放たれたカテルを抱きかかえたのは一柳宗治…暴虐の魔王…その人であった。


「そ…宗治…帰って来たのね…」


カルマは前方に待ちかねた男の姿を見て、安堵した。彼が来た以上、この戦いは続く。右から暴虐の魔王の軍、3万が前進してきている。その後方にもう一人の正妃である夏妃の旗印も見えたが、この2千程度の軍はその場で止まり、傍観しているようであった。


宗治は抱きかかえたカテルとそっと地面に降ろし、カテルの側近に手当てをするように命じると、魔王のウェポン、毘沙門改を抜き放つと立松寺に向かって突っ込んでいった。


カテルの窮地に軍勢より先行していたので、彼の周りに護衛の兵士は一人もいなかったが、暴虐の魔王を止められるものはいなかった。たちまち、華子の護衛の兵士は吹き飛ばされ、

宗治と華子の一騎打ちとなる。


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