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革命など無かったかもしれない
『全ての国民に希望を、一人の皇帝ではなく百万の民の為、今こそ革命を起こそうぞ!』
大陸随一の国力を有していた中央カルス帝国。栄華を極めた国だが度重なる戦争と上限を知らぬ重税、愚鈍な皇帝の即位。示し合わせたかの様に数多の難題が民衆をなぶり殺しにする。
現状を打破しようと蜂起した革命軍の中に一人の英雄がいた。無名の一兵の筈であった彼は出撃する度革命軍を勝利へ導く。
圧倒的な制圧力を持つ魔術と落ち着いた人柄、彫刻の様に完成した容姿。彼は国民が求める理想の英雄そのままであった。
『皇帝と帝国は死んだ。力有る一人の時代は終わった』
革命は成功し、救国の軍神と称される男、アーデルハイドはいつの間にか歴史の表舞台から姿を消した。