ポンコツエルフ
朽ち果てた荒野の風に、小麦の様なキラキラとした金髪をなびかせるローネは、懐かしさと切なさを滲ませながら遠くを見つめて話す、、、。
ノリヒト
「なるほど、、、それが旦那さんとの出逢いだったのですねぇ、、、生徒と教師、、、なんとも面白い関係だ、、、」
ノリヒトのその言葉を聞いて、クスクスと笑うローネは、
笑顔でノリヒトを見つめて、、、
ローネ
「ふふっ、、、そうですねぇ、、、でも、わたしたちの関係が深くなるのはもう少しあとなんですけど、、、
ノリヒトさん、、、実はわたしってポンコツなんですよ、、、」
そう言ってローネは空を見上げながら語る、、、。
ソイとの関係がクラスメートからお友達に発展して、数年が経った。
ローネはルナと穏やかなキャンパスライフを過ごしながら、自身の趣味である新魔法の開発に勤しみ、ソイが暇な時に家庭教師として、勉強を教えてもらっていた。
ソイも公務で多忙な日々を過ごしていたが、恋するローネの為に暇を見つけては、ローネとルナに勉強を教える日々を過ごしていた。
けれど、現国王のモルト国王の体調が思わしくなく、ソイは代王として国務も司ることが多くなり、しばし学校を休むことを余儀なくされていた。
そんな中、ついに現王モルト国王が崩御することに、モルト国王の崩御を待っていたかの様に、ここ数十年小競り合いしかしていなかった魔王軍が、大軍を引き連れ南下を開始する。
ソイは名君として知られる、モルト国王の崩御を悲しむ暇もなく、魔王軍を迎えることとなったのだが、魔王軍を迎え撃つ事を優先させる為、戴冠することなく代王として、素早く国を纏め大軍を引連れ国境まで北上した。
魔王軍もソイの予想以上の速さの行動に、国境の大河を渡ることが出来ず、両軍は国境の大河を挟んで睨み合いを続けることとなる。
ローネ
「ど〜こえ〜♪行こうとも〜♪」
ローネはルナと大学キャンパス内の芝生に寝転がり空を眺める、、、
ルナ
「空が綺麗ですねぇ、、、」
ローネはルナの言葉にそう思いながらも、どこか切なさを感じていた、、、ローネ自身その切なさの理由がわからず、ただこうやって空を見上げる機会が増えていた。
ローネ
「時が経ち〜♪色褪せても〜♪〜」
ルナは上半身を起こしローネを見つめながら、、、
ルナ
「ローネ様、、、最近その唄ばかり口ずさみますねぇ」
そんな少し様子がおかしいローネを心配していた。
それから数年、、、
ローネはいつもの様に図書館で勉強をしていると、、、
???
「やぁ!!久しぶり!!頑張ってるね!!」
ルナと教科書を睨めっこしていたローネが顔を上げると、、、そこにはソイがいた、、、
ローネは一瞬笑顔になるのだがすぐに、、、
ローネ
「貴方みたいにどんなに魔法が上手くても、授業を真面目に受けない人は嫌い!!」
と、ソッポを向いてしまう、、、。
焦ったルナが弁明をしようとするが、ソイがそれを制止して、、、
ソイ
「あははっ、、、それは失礼した、、、でわこれにて、、、」
そう言って去ってしまった、、、。
寮への帰り道
ルナは珍しく塞ぎ込んでしまっている、ローネにどう声を掛けて良いか悩んでいると、、、
ローネ
「昨日〜のことの様に〜♪過去を思えば〜♪」
そうローネが口ずさむ、、、
ルナ
「どうしたの?ローネ、、、さっきから元気ないよ!!」
ローネ自身なぜソイの顔をみてあんなに腹が立ったのかわからなかった、、、
ローネ
「ねぇ〜ルナ?わたし、、、なんであんなこと言ったのかなぁ、、、」
主語の無いこの言葉でもルナは意味を理解して、、、
ルナ
「う〜ん、、、そうねぇ、、、
きっと彼がいなくて寂しかったんじゃない?
少なくともわたしは寂しかったわよ!!」
ローネはルナのその言葉で、初めて自分が淋しさを感じていたことに気が付いた、、、。
ローネは夜空を見上げて少し反省をしていた。
ソイは城に帰る馬車の中で絶望に暮れ、うつむいている、、、
ハァ〜マジかぁ、、、そりゃ、国務が激務だったし、、、
魔王が攻めてくるし、、、
しばらく学校に行けてなかったけど、、、
せっかく、少しずつ距離を縮めたと思っていたのに、、、さすがは難攻不落の氷の微笑って事なのかぁ、、、
最近ソイの小姓になったゼオンがソイを可哀想に見る、、、
ソイ
「おい!!お前、、、なんでそんな顔で俺を見る、、、」
うつむいて自分の顔が見えていないと思っていたのだろう、、、ゼオンの顔が一瞬引きつるも、、、
ゼオン
「いえ!!その様なことは、、、
しかし、世の中には変な人がいるのですね、、、
いくら代王様の学友と言っても、その様なこと言うとは、、、」
、、、いやいや、、、名前は伏せてるが、ガッツリお前のねーちゃんだからな!!
ゼオン グヤーシュ、中流貴族の伯爵家の妾の子として生を受ける。
グヤーシュ伯爵家の正妻には男子がおらず、正妻の子でゼオンの姉であるローネは、はなから家を継ぐ気が無い、
よって将来ゼオンがグヤーシュ伯爵となる予定だ。
そもそもなぜゼオンが俺の小姓をしているかというと、、、
遡るほど数年前、、、
国境で魔王軍と対峙した軍の中にグヤーシュ伯爵もいた。
現グヤーシュ伯爵家当主、つまりローネの父親は息子のゼオンを連れて俺の元に馳せ参じており、その際にゼオンの才能を高く評価した俺が、ゼオンを小姓として預かる事となった。
けれど、これをローネとゼオンに知られると後々変な誤解を生むので、今は伏せている。
このゼオン、、、さすがはローネの弟だけあって、10歳の子供だってのに、魔法と剣の才に秀でてる、、、
何よりも頭も良い!!
ローネと違って、魔法学もちゃんと学んでおり、ゆくゆく俺の右腕となるかも知れん逸材だ!!
ソイ
「まぁ、、、俺が惚れた人はそういう人なんだよ、、、」
本当にあのお嬢さんは、、、
ゼオン
「そういえば、、、確か私の姉も在学中なのですが、、、
良ければ姉に言って、その人と仲を取り持ってもらったらどうでしょうか?」
、、、本当は俺もそうして欲しいけど、、、ちなみにお前にな!!
ソイ
「いや、、、俺が欲していると知られれば、その家が無理矢理俺の元に差し出すだろ、、、俺にはそんな事は出来んよ、、、」
俺はローネが欲しいんじゃない、、、ローネにも俺を求めて欲しいんだ、、、。
そう思い、ソイは馬車の窓から夜空を見上げていた、、、。




