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家庭教師(ローネ編)

魔法大学入学から半年が過ぎ、ローネはすっかり大学生活に馴染んでいたが、その裏で数多の恋に敗れた男達の死体を築き上げていた。


学友として接して来る人には優しく振る舞うが、ひとたびそんな雰囲気を見せると、どんなに親しい関係を築いていても、容赦なく牙を剥き距離を置かれてしまう。


いつしか大学内では難攻不落の氷の微笑とまで、呼ばれるようになっていた。


ローネがこの様な性格だと、いち早く気が付いたソイは、ローネと程よい距離の関係を築いていた。


正確には、ソイ自身が立場上身動きが取れない状態でもあり、ソイ自身はなんとか打開策を模索していたという方が正しい。


ローネ自身もソイについては、似た境遇の可哀想な人として認識をしており、良きクラスメイトだと思っていて、

ソイにとってはもどかしい日々が続いていた。


そんなある日に、、、。


ローネは焦っていた。1ヶ月後から始まる。

魔法大学入学後、初めてとなる魔法学力考査テストに向けて、ルナと共に猛勉強を大学内の図書館にて行っていたが、芳しくないことに、、、。


ローネ

「ねぇねぇ、、、ルナ!!ここ!!」


ルナはローネの言葉にあからさまに嫌な顔をして、、、


ルナ

「、、、そんなの私にわかるわけないでしょ?

私はペンよりも剣を持つ方が好きなの!!」


ローネは口を尖らせて、、、


ローネ

「そんな即答じゃなくても、、、一緒に考えてくれたっていいじゃない、、、」


ローネにとって大誤算は、王都魔法大学の魔法学力が思っている以上に高いことであった。


それもそのはずである。魔法学力に不安があるローネは、魔法大学入学前に、領内で王都魔法大学の卒業生の家来に、その辺の話を聞きに行ったのだが、、、


家来C

「そうですね、私はCクラスだったのでそこまでは、、、」


ローネはこの話を聞いて安心していたのだが、問題はCクラスという言葉を理解していなかったことだ。


つまりローネの在籍するAクラスは、魔法学力成績上位者と特待生のみで構成されている。


そもそも、魔法の発動プロセスにおいて魔法学力が、大きく影響をしており、短絡に言うと魔法学力高い=上位の魔法使いとされている。


その点、ローネは完全に経験と感覚だけで、高位の魔法を発動させるいわゆる天才肌だったので、ローネは魔法学力の知識が皆無であった。


ちなみに、そんなローネに幼少期から仕えていたルナも、ローネとの遊びの中で、ローネに魔法を教えてもらっており、本来必要な魔法学力が身につかないまま、上級魔法使いになったので、ローネの被害者と言っても過言ではない存在だ。


ルナ

「こうなったら誰かに教えを乞うしかありませんよ!!」


ルナの言葉にローネは悩む、担任の先生は普段から研究に没頭しており、ほぼ面識もないぐらいだ、しかもAクラスのことはエドワード副担任に任せっきりなので、頼りになるかどうか、そしてそのエドワード副担任は、名前をもじったあだ名で呼ばれるぐらい、通称エロワード副担任と言われるほど、女子生徒へのセクハラがひどく、ローネも苦手としている。


同じクラスの学友となると、ローネと同じ賢者の称号を持つものがおらず、皆がローネは自分たちよりも優秀と勘違いしており、唯一学年1位の成績と言われるソイだけが、国内でも数人しかいない大賢者の称号持つ存在だった。


ローネ

「頼れそうなのはあのひとだけなのよねぇ〜

でも彼は、常に女子に囲まれてとても近づけないし、、、」


ルナ

「もう〜この際、そんな事を気にしている場合でも、、、

ローネ様、手紙をしたためてください、私が渡して参ります。」


ローネはしばしの沈黙のあと、手紙をしたためてルナに託す。ルナはその手紙を持ってソイの机の中に入れ、彼が無事に手紙を見つけることを願った。


次の日、ソイが自席の机に手紙がある事を発見してそれを読む、、、


突然のお手紙大変恐縮でございます。

どうしてもソイ様にお伝いしたいことがありまして、

もしお時間が宜しければ本日の放課後に大学内の図書館にお越しください。よろしくお願い申し上げます。

ローネ グヤーシュ


、、、マジか!!、、、嘘だろ!!


ソイは震える手で、ニヤけてしまう笑みを抑え、思わず前の席にいるローネを見る、、、

彼女は普段と何も変わらない様子だった。


頭の良いソイは、瞬時にこれが偽書だと思うのだが、ただならぬ視線を感じ、横を振り向くと、、、廊下でローネの従者のルナと目が合った、、、


彼女はソイが手紙を読んだ事を確認したかのように、すぐに姿を消してしまう、、、ソイは刹那の思考にて己に春が来たと悟るのだが、この手紙の意味を知るルナは、、、


あんな書き方したら男なら勘違いするのに、、、

まったくローネは罪な女だ、、、


と、あえてローネが勘違いされる懸念を、伝えないと言う悪女を演じるのだった。


放課後、ローネはルナといつもの様に魔法学力の勉強し、頭を悩ませていた、、、そんな時に背後から声を掛けられる。


ソイ

「やぁ!!ローネさんルナさんこんにちわ!!」


ローネが振り返ると爽やかな笑顔のソイが立っていた。


ローネとルナは直ぐに立ち上がり


ローネ

「これはソイ様、お越し頂いて光栄でございます。」


そう言ってローネとルナが礼をする。


ソイ

「立ち話も何ですから宜しければ座ってお話をしましょう」


そう言ってソイは二人に席を勧める。


ローネとルナが席に座るとソイも着席して、、、


ソイ

「それで、、、お話とは、、、?」


ローネは神妙な、おもむきで、、、


ローネ

「実はソイ様に魔法学力のご教授を頂きたくて、、、」


ソイはその言葉に思わず、、、しばし固まり、、、


ソイ

「はぁ〜い?」


何とも拍子が抜けた間抜けな声が、、、

ローネも苦笑いをしていたが、一人全ての事情を理解しているルナは、爆笑するのを必死に抑えていた。



ソイ

「、、、なるほど、、、そう言う事ですかぁ、、、」


事情を聞いてソイは完全に当てが外れ、しかも今日一日中浮かれ気分だった、己を恥じて天を仰ぐ、、、

再びローネと向き合い、、、


ソイ

「わかりました!!わたしで良ければお力になります!!」


確かに期待とは大きく違う結末ではあるが、彼にとってこの上ないチャンスである事は変わりない、そもそも彼女とは普段から会釈程度の関係が、今こうして顔を合わせて話が出来るまで進展するのだから、、、


ソイ

「それでは早速、どの辺がお分かりになりませんか?」


ソイの言葉にローネは下を向き、、、


ローネ

「教科書、、、ほぼ全部です、、、。」


ローネは弱々しい声で言う、、、。


ソイはしばし固まり、、、顔を引きつらせながら、、、


ソイ

「、、、そうですかぁ、、、わかりました、、、」


と、返事をするのであった。



ソイに家庭教師をお願いしてから数日たったある日、、、


ローネ

「先生〜♪プラスクラスメイト〜♪」


ローネはいつもの様に、誰もいない図書館で勉強をしながら鼻歌を唄う。


ルナ

「ソイ様は、今日お越しになれないのですよねぇ、それなら今日はこれで私たちも帰りましょう!!なんでも市場に今しか食べれない貴重なフルーツが出回ってるとか、、、どうですか?」


最近頑張っているローネを心配して、ルナが息抜きを提案する。


ローネ

「そうねぇ、、、素敵なお誘いだけど、もう少し頑張るわ!!多忙なソイ様が貴重な時間を割いて、わたし達に付き合ってくれてるんだもん、ソイ様がいないからって、サボるのはお門違いだと思うの、、、

ルナありがとうね!!わたしを心配してくれて!!」


ローネの言葉にルナがニッコリと微笑む。


ソイ

「すまない、、、遅れてしまった、早速始めよう!!」


今日は来れないと言っていたソイが来てくれた。


ローネ

「あら!!ソイ様、、、ごきげんよう、本日の所用はもうよろしいのですか?」


ソイは笑顔でローネに、、、


ソイ

「なに、君との約束だからね!!出来る限り手伝うさ!!」


ローネはソイのその優しさに心から感謝をした。


ちなみに、ソイ様のおかげで無事に赤点回避は出来ました。


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