表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/12

乗り合い馬車

わたしの実家は中流貴族のグヤーシュ伯爵家、中流貴族と言っても、魔王軍とのたび重なる戦による戦費がかさみ、俗に言う貧乏貴族とまで揶揄されるぐらい没落していた。


そんな中、わたしの新魔法開発の功績が認められ、賢者の称号を得ることとなる。それによって王都魔法大学から特待生入学の話が打診された。


王都魔法大学の特待生は授業料及び、生活費が国から支給されるので、大学寮に入れば衣食住の生活には困らない、まさにうちにとって理想的な話だった。


勉強は不得意だけど、得意の魔法で頑張れば、大学卒業後には官職にもつけるかもしれない、そうすれば実家の手助けになるかも、そんな思いで王都魔法大学に入学することにした。


そんな希望を抱いて片田舎から、古都エルミネフトに行くことに、グヤーシュ伯爵家は片田舎の領主であるが、辺境伯ではないので大きな権限も領地もない、あるのは中途半端なプライドだけ、父と母が見栄を張って兵士と従者を引き連れた馬車隊で、王都まで行かせようとしていたが、、、


ローネ

「その必要はありません、、、わたしはルナと乗り合い馬車を使ってお忍びで王都まで参ります。」


と、伯爵令嬢ならぬ移動手段で王都に行くことを決めた。

本来ならこんな移動手段はあり得ないのだが、領地の財政的にもそうは言ってられないので、親としては内心助かったのだと思う。


ローネ

「そばにいるよ〜♪そばにいるよ〜♪」


ルナ

「随分とご機嫌ですね!!」


初めての乗り合い馬車の旅に心が躍ってついつい口ずさむ、、、


ローネ

「ふふっ!!そうね王都ってどんな感じなのかしら!!」


ミネフト聖王国の王都、古都エルミネフトは世界でも3本の指に入る都市で、全ての人種がエルフと言うわけでなく、エルフ種5割、(ハーフエルフ含む)人族3割、獣人族2割の多民族都市だ。

人口数は少ないが、商業、工業、農業のバランスが良く、

経済活動も活気があり、それでいてこの世界では珍しい四季彩りの豊かな自然もある。まさにエルフらしい自然と融和した都市となっている。

ローネの住んでいたグヤーシュ領は、エルフ王国(ミネフト聖王国)より北東にあるので四季はない。


受かれ気分のローネを乗せた乗り合い馬車が、王都まで半分に差し掛かったところで、、、


御者

「まずい、、、あいつらは、、、」


乗り合い馬車の先頭で御者達がざわついている。

それをいち早く察知した従者のルナが、、、


ルナ

「まずいことになりましたね、、、どうやら野党の様です。」


そうローネの耳元で、、、


次第にその事が客同士にも伝わり子供達も怯えている、、、

ローネは怯える子供達に優しく微笑んだ後に、、、


ローネ

「大いなる力により、すべての災いから我らを守りたまえ、、、完全結界!!」


ローネから青白い光が放たれて乗り合い馬車全体が覆われる。


その直後に野党から弓矢と魔法が放たれるが、全てローネが発動した魔法の力で掻き消された。


野党は馬で強引に乗り合い馬車に、乗り込んでこようとするが、従者のルナの細剣で防がれる。

どうにか野党の第一波を防ぐ事が出来たが、御者を含めてまともに戦闘が出来るのはローネとルナのみで、野党の全体像も見えてこない状態では、明らかに不利な状況が続く、ローネが何かよい打開策はないかと考えていると、、、


御者

「おおっ!!前から王国警備隊だ!!助かった〜!!」


王国警備隊の先頭を切る仮面姿の将校と思われる青年が、、、


仮面青年将校

「全隊突撃!!野党を蹴散らせ!!」


と、勇ましく鼓舞し自ら突撃していく。


直ぐに騎馬の王国警備隊と野党の乱戦になり、この乱戦に乗じて、乗り合い馬車はその場を立ち去る事が出来た。


野党たちと十分な距離をとった後、野党から逃れる為に無理をさせた馬達を休ませる為、乗り合い馬車は水辺で休憩となった。


その間、ローネとルナは御者達と客達から先ほどの戦闘で、乗り合い馬車を守ったことで賞賛されることに、特に体を張って乗り合い馬車を守ったルナには、皆が感謝をしていた。


ローネはなんともこそばゆい思いであったが、水辺で楽しそうに遊んでいる子供達を見て、守る事が出来たことにホッとしていた。


程なくすると先ほどの王国警備隊がやってきて、御者に被害状況などを確認していた。

乗り合い馬車に被害がないことを知ると、王国警備隊は再び警備に向かう為に出発することに、ローネは立ち去る王国警備隊の中で唯一仮面を被る、馬上の仮面青年将校と目が合うが直ぐに目を逸らす。

仮面青年将校も乗り合い馬車で唯一頭からローブを羽織るローネを一目見てそのまま去っていった。


ローネ

(なんであの人仮面被っているんだろ、、、

わたしと同じ?)


ローネはこの時に、出会った仮面青年将校が後の最愛の夫となる ソイ モルト ミネフト だとは今は知る由もなかった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ