一話始まりの出会い1
え~、1時間目の授業は~、国語だ、今回は、儒学の祖である論語を学んでいく。
国語の中でもテストでよく出てくるから心して学ぶように、では一つ目の言葉
学びて時に之を習う、これの意味を~、書豪、韻書豪(ユン=シュ
ーハオ)、音読してくれ、はい!
子し曰いわく、学まなびて時ときに之これを習な
らう、亦また説よろこばしからずや。朋とも有あり、遠方えんぽうより来き
たる、亦また楽たのしからずや。人ひと知しらずして慍いきどおらず、亦また君
くん子しならずや。
先生がおっしゃった。「聖賢の道を学んでこれを実践の中で何度も復習すれば、そ
の本当の意味が分かる、なんとうれしいことではないか。遠方から訪ねてくる友人
がいる、なんと楽しいことではないか。人が自分を理解してくれなくとも不平不
満を抱かない、なんとすぐれた人物ではないか」
書豪は、孔子のこの言葉を、まるで竜の鳴き声や、鈴の鳴る音のように、透き通
るような深みのある弟子が講師を感慨深く、敬愛しているような、綺麗な声であり、
それでいて、遠くまで響き渡り、より高く、天井までよく響くような高い声で、
音読をした。その音は高い声であったが、決してうるさくなく、まるで大御所の
声優が発した声のように聴きとりやすく、印象に残り、深みのあるまるでその人物
がここにそのまま立っているかのような、現実味のある声だった。
、、、素晴らしい!まるでお手本のような声だ!私は初めて君の担任となるが
噂通りらしい!みな!この書豪のように手本となるような声で音読とは通常
するものだ!気の抜けた声や気だるい態度で言ったら何度でも先生が認めるまで
音読してもらうからな!みなもこの書豪のように規律正しく、よい成績で、
普段から何事にも全力な生徒になるように!
国語の担任はそう言うと生徒たちはえ~!!と不満そうな声を
上げたが担任はうるさい!と言い不満の声を遮った。教室の不満を持つ者たちは
先生の厳しく大きい声を聞き、この先生はかなりめんどくさいと思うようになった。
こうして書豪の起こした、まるで自分たちがテレビに出るような上流の珍しい
高みのある世界からどこにでもあるような高校の風景に戻り、一同はその雰囲気のまま
特にその後何も起こることなく、国語の授業を終えた。
休み時間になると、書豪のもとに、多くの生徒が集まった。耒陽市(らいよう-し)
名家の韻氏の才児韻書豪を取り込もうと言う算段である。というのも韻家は、
代々名政治家を輩出する家であり、現在2050年の中華人民共和国国家主席
である韻俊熙(ユン=ジュンシー)の息子であり、司馬懿の子孫であったことが
代々秘密裏にしていたが、俊熙の妻である雨萱が俊熙をたぶらかし、
代々の秘密を俊熙が打ち明けたことで判明した。このように頭脳明晰で実家の懐も広く、
誰もがうらやむような道を進む書豪に近づこうと特に女子を中心として書豪のもとに集まった。
男子はさっきの声はどうやって出したかや好きなゲーム、テレビは何かと言った
単純な興味の質問、女子からは彼女はいるのか連絡先は何かと言った思惑の見える
質問が沸いた、一つ一つ答えているうちに、休み時間が終わり、また次の時間そのまた次の時間
とあっと言う間に時間が過ぎた。書豪は表で普通の親しみやすいような明るい
対応をしていたが、自分の内側では人々の思惑に触れ、自分の本当の感情を
引き出せずにいた。(はぁ、いつもこんなんだ、)そう考えているうちに、学校
は終わっていた(いつも、同じように満たされない日を送る、父親には厳しく
しつけられ、別に興味があるわけでもない政治家の道に行くように言われ、
すでに敷かれたレールの上に進んでいる、しかし、親に最低限の娯楽は与えられず
勉強以外にできることはあまりない、、、)このような悩みが書豪の中にあった。
教室を偽りの友人たちと帰ろうとし、廊下を出ると、友人aはこう書豪たちに
言った、そうだ!帰る前にbクラスの张妃紗麻(チョウ=キーシャオ)も仲間
に入れてみようという話であった、というのも妃紗麻は学校1と評判の美人で、寡黙
で人を寄せ付けるのを吉としない性格であるものの学校中の男どもには人気であった。
逆に女子には冷たい態度により、ほかの男の注目の対象であるためかあまり好まれては
いなかった。すると女である友人bはえ~、あんな奴ほっとこうよ~、書豪、あん
たもそう思うよね?と聞いた、書豪は考えた、う~ん、正直どちらでもいいが
もし印象が下がるとするなら女子側のほうがいいだろう、女子側はどんな風に扱っても損得でしか見ていないだろうから気にしないだろうが、男子側となるとそうは
いくまい、なぜなら男子は興味本位で俺とかかわっているし、これで都合が悪い
と判断したら、すぐに友人の枠から外れるだろう、それが広がり孤立したり、自分
自身の評価を下げるのはまずい、そう思い、書豪はこう言った、友達を増やすのは
喜ばしいことだし、妃紗麻を誘うのはどうだろう、そういうと、みなあの書豪が言うなら
と言うことに従った。そうと決まればと妃紗麻のもとに一同は向かった、