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奇怪な探偵

GW企画2日目

必ず必要ないところまで不幸にする探偵のお話です。

男はある秘密を隠している

 男は、今まさにフラれた。それはあまりにも見目麗しい女性にフラれたのだ。男は整った顔立ちで、高価では無いが清潔に整えられた身なりをしている。フラれるなんて、あり得ないとさえ思われるが、街行く人々は決して男に同情する素振りを見せない。

 そうして、女性は男から離れていく。

 ・・・3人の女性が。




「はぁ~、しくったな。まさか、3人とのデートがブッキングするなんて、俺は全員を本気で愛しているのに、社会の法律が俺に追いつかないばかりに。」

「あんた、また浮気してたのか。いい加減、やめたらどうだ。これで、何回目だ。」

「しょうがないだろ。最高の女性がこの世の中には無数といるんだ。」


 男は、クズである。その容姿と甘くとろける声で、言い寄る女性が多いので、男は付き合う。しかし、男はパートナーがいようとも、決して断らずに付き合う。だから、フラレる。

 その度に、このこじんまりとしたカフェにやってくるのだ。


「おい、探偵!客を連れてきたぞ。」


 小太りの警官が突然、扉を開いて入ってきた。


「親父、俺は今、依頼を受ける気持ちじゃ・・・」

「あんたが、探偵?キモチ悪いわね。」


 そこには、鋭い目と癖っ毛の髪をショートポニーにした可愛らしく大きな胸を張る女が立っていた。


「そんなこと言わずに、聞いてやってくれ、この嬢ちゃんが困っているらしいからな。どうせ、暇なんだろ。」

「全く、警官さん、仕事は良いのかい。」

「あぁ、これも仕事の内さ。嬢ちゃんは今度、この辺りの刑事課に配属になった。新人なんだが、オヤッさんが、探偵に顔合わせも兼ねて依頼を持たせたらしい。」

「あぁ、いつもの。」


 2人が話している依頼とは、特異依頼である。この世界では、異世界が当たり前に認知されている。きっかけは20年前、前世は異世界の聖女だったと話す一人のオタクを皮切りに、異世界人の転移、魔法技術の発見、新技術の開発と世界は大きく変貌した。

 そして、変貌と並行して、多くの事件がその形を変えていった。そうして、警察では手が足りなくなっていった。そこで、世界が目を付けたのが探偵である。

 国からの認可を受けた探偵は、警察から依頼を受ける。それを、特殊異能対策依頼、特異依頼と呼んでいる。




「で、お嬢ちゃんは?」

「は!西東京都庁刑事課特殊遊撃一課、クリス・燈華・カタリーヌ。・・・って、なんで、私がアンタなんかに名乗んないとイケないのよ。」

「別に良いじゃないか。で、依頼書は?」

「たく、これよ。」


 クリスが封筒を渡すと、中からかなりの資料が出てきた。


「依頼は、近頃多発している連続窃盗事件よ。犯行はいつも16:00から18:00頃、家主がいようが関係なく、犯行が行われているわ。すでに、13件の被害が報告されているわ。」

「何々、物が独りでに窓から出ていくのか。盗まれた物は、大根、鶏肉、醤油、油、色鉛筆、スケッチブック、・・・なんだ。この子供のお使いみたいな被害。」


 男はコーヒーを用意しながら、報告書を読む。そこには、無造作に割られた窓や盗まれた物のリストが書かれている。


「依頼料は達成時の200万に加えて調査時の必要経費としての50万を合わせた250万よ。ありがとう。」

「で、期限は?」


 男がコーヒーを置くとクリスは品を感じる姿で、コーヒーを飲む。


「・・・ん。警察からの具体的な期限はないわ。でも、被害が20件を上回った場合、依頼は取り下げ、警察の方で捜査が始まるわ。意外と美味しいわね。」

「それは、どうも。なら、3軒目と7軒目、10軒目の現場に行くとするか。」

「??全部の現場を回らなくて良いの?」

「あぁ、ひとまずはその3軒だ。お嬢ちゃん、今日は車か?」

「いいえ、歩きよ。」

「なら、車は俺の方で出すから、裏に先に行っててくれ。」


 男は、少しくたびれたジャケットを羽織るとそそくさと身支度に取り掛かる。


「分かったわ。」


 クリスが、事務所の裏に回ると最新式の車の中に、黒い一昔前の普通車が止まっていた。


「ガソリン車じゃないとはいえ、この時代にハイブリッド車って。これじゃ、中空路や高速路は通れないじゃない。」

「そいつは、特別製で高速路は無理でも、中空路は通れるようにカスタマイズされてるよ。」


 クリスが物珍しそうに車を見ていると、鍵を持つ男が近づいて来た。男の車は、AQUAのボディに反重力駆動を搭載した、ガソリンと電気のハイブリッドエンジンを乗せている。

 近年の車は、新たに開発された新燃料、ネオリオを扱った高機動反重力型エンジンと電気を扱った最新式電磁型エンジンとのハイブリッドが主流であり、ガソリンを用いた従来の車は廃れていっているのである。

 また、道路も昔ながらの地面に接した下道。旧高速であり、現在は反重力システム専用の加速路である中空路。そして、新たに整備された規定加速道路の高速路が開発され、街の様子はより立体的で革新的なものとなっていた。


「別に、遠出しなければ、これだけのスペックで事足りるからな。さて、まずは3件目の被害者宅だ。」



「3件目の被害者は、無神 亮、28歳。事件があったのは2カ月前、被害者が家で休日を過ごしていると、突然、居間のコレクションしていた硬貨が宙に浮いた。当初、光学迷彩等による窃盗を疑った被害者は、近くの携帯用防衛棒で攻撃、しかし、手応えはなく、硬貨はそのまま、窓から外へとでたようです。」

「場所の具体的な間取りは、2LDKでマンションの7階。一応付近に同等以上のマンションはあるものの、ベランダなどからの出入りはほぼ不可能な立地。」


 男は、ベランダから周辺を見渡すが、どのマンションとも10m以上の間隔がある。近くからは学校のアナウンスも聞こえてくる。


「このマンションのセキュリティは、そこそこ高く、事前登録した内蔵チップを埋め込まれた住民の声帯認証で許可されたものしか中には、入れません。」

「このマンションの住民情報は?」

「殆どが家庭よ。一つの階に10部屋、今のところ、一階に」

「あ~、そこは飛ばして、この階だけに絞って。」


 男は、部屋を見回り始めた。窓際、ライトの裏、そして、外の道に見える学道表記、住所を表す2区と書かれたゴミ収集場まで、部屋から得られる情報を全て拾い上げるように。


「この階には、大手企業に勤める蛇族と人とのハーフの男性と定年退職したエルフと人族の夫婦が居るわ。事件当時は、男性は不在、夫婦は物音で事件を知ったけど、犯人に繋がる物は何も見ていないわ。」

「このマンションで、他に被害にあった者が居ないか確認はしたのか。」

「それらしい報告は受けてないし、特別、聞き取り調査もしてないわよ。」

「そうか。・・・次に行く。」



「7件目は、宇宙艦通信施設2区総合小学校前支社。3階の宇宙物質展覧会に参加した被害者、篠谷 ミコ、29歳。事件があったのは1カ月前、宇宙物質オークション前の事、被害者が所持していたバックからボールペンが盗み出されているわ。この時は、被害者は帰宅後に紛失に気付き、職員に確認を取った際、監視カメラの映像によって、事件が発覚。」

「参加者は、当然抑えてあるよな。」


 男は、遺留品や会場には目もくれず、カメラ映像や参加者名簿に目を通している。


「えぇ。でも、盗品が盗品だし、参加者の殆どが富裕層な事もあって、容疑者からはすぐに外されたわ。」

「こっちも確認していいか?」

「構いません。」


 男は、当日の出勤者、訪問者一覧も確認する。


「?」

「どうしたの?あら!ここ、阿澄商社とも繋がりがあるのね。」

「えぇ。ウチは多くの商社様の宇宙艦と本社との中継業務も委託されていますから。特に、阿澄商社様とは、先々月より大手外国企業様との共同開発が始まり、かなり頻繁にやり取りをやらせて頂いています。」


 男の開いた訪問者リストには、阿澄 學の文字があった。


「ん。次に行こう。」 



「ここが10件目、丁度9日前。被害者は、海羊族のユーメラ・R・ヤミラ。19歳の保護移転被害者よ。今は、準観察期間で高校に通っているわ。休日に近くのスーパーから帰ると家が荒らされているのを確認。冷蔵庫内の野菜が盗まれているのを確認しているわ。」

「ここは、未成年の保護移転被害者用のアパートだよな、他の住民は?」

「3つ隣の猫人族の女の子以外は外出してた為、事件発生時刻はここに居なかったことが確認されているわ。猫人族の女の子だけど、どうも勉強の為、遮音機能をオンにしてたみたいで、事件に気付いたのも、警察の調書での事よ。これに関しては、監察役の事務職員が証言してくれたわ。」


 男は、事件現場を確認しつつ、しきりに外に見える工場を見る。


「その監察役は、犯人、もしくは犯行を見てなかったのか?」

「知っているでしょ。観察方法は遠隔、鍵の施錠と機能のオンオフしか確認してないわ。」


 この世界では、科学力の進化に伴い、多くの仕事が簡略化、もしくは遠隔化していった。因みに、事件現場の初動調査も今ではロボによるマニュアル化している。


「事件の早期発見のためにも遮音機能は無くすべきだと俺は思うけどな。」

「だからこそ、監査を取り入れやすい、保護転移被害者で試験運用しているでしょ。」

「なら、あの隣の工場の従業員はどうなんだ?あの大きさなら、ロボだけじゃなく、作業員も居るはずだが?」

「初動調査では、省かれたみたいだけど、その後、警官による本調査で聞き取りをしたがそれほど有力な情報は無いみたいね。大手外資系企業の工場らしいけど、その日はかなり大口の取引先からの運搬があって、職員が掛かりっきりになってたみたい。」


 男は、ジッと工場を見た後、駐車場へと向かう。すると、少し先に小学生の下校風景が見えた。


「そう言えば、被害の多くが第2区付近に集中しているのと、小学校の下校路近くなのも引っかかるな。」

「たまたまでしょ。第2区は、保育園や小学校が中心となった児童育成促進区なわけだし、犯人のターゲットとしては、狙いやすかったんでしょ。」

「だが、ここまで大っぴらに犯行をする犯人だ。狙うなら、裕福層が多いとされる第7区、単身学生が多い第3区、単身社会人が多い第6区を狙った方がリターンは多い。」


 ここ、東京都は変貌する世界に合わせて、大きく区画整備がされた。その一環として行われたのが、機能の区分化である。

 1〜7区を西東京都として、ライフラインの中心や都民の住居が密集している。

 8〜14区を中央東京都として、旧埼玉、神奈川の一部を吸収した交通、行政、国営の中心となる。

 15〜25区は東南東京都で、東京湾の一部の埋め立て地を中心とした交易、商業の中心となっている。


「お嬢ちゃん、俺は少し情報収集がてらドライブするが、お嬢ちゃんはどうする?」

「都庁も近いし、歩いて帰るわ。進展があったり、調べたい事があったら連絡を頂戴。」

「了解。」


 男は懐から表面の割れた懐中時計を取り出し、確認すると車を走らせる・・・。



 クリスは、そのまま都庁に帰り、調書を書き上げると、第6区のマンション街に向けて歩いている。都庁のある第7区から第6区の間には飲み屋街やホテル街が点在しているため、クリスとしては心底、気分の下がる帰路である。

 そんな、落胆するクリスは目の前でふざけている光景を目にする。

 そこには、必要経費の封筒を手に露出の多い服の女性二人の腰に手を回す男を目にする。


「そこの変態探偵!何しているの!」

「お!お嬢ちゃんじゃないか。今、仕事終わりか?」

「今、仕事終わりか?じゃないわ!その封筒のお金は必要経費よ!正しく使いなさい!」

「そんな、大声出さなくても聞こえている。これも必要経費さ。この麗しの姫に情報を貰うのさ。」


 男は、そう言うと、二人の女性を抱き寄せる。二人の女性の目には男への恋慕以上にお金への執着をクリスは感じ取る。


「ふざけるのも、大概にしなさい!あんた、国からの大事な依頼を受けている自覚はあるの!」

「あぁ、分かっている。警察のお偉いさんが俺たち特殊依頼探偵のことをごみ処理係と言っていることもな。」

「くっ。」

「安心しな。ちゃんと仕事はするし、これも正しく情報収集だからよ。」


 男はその言葉を残すとネオンの光る街に消えていく。



 次の日、男は第2区の高収入マンションの前に立っていた。


「・・・早かったな。」

「あんたの方が早いじゃない。約束の1時間前なんて・・・。」

「なに。事件の発生前に解決するべきだと考えただけだ。」

「は?」


<・・・第2区に出動中の警察官各位、20分前に盗難事件が発生、犯人は透明化して鶏肉を盗み逃走中。警戒するように・・・。>


 特異依頼に類似する事件の発生をスピーカーが伝える。


「クリス、了解。けいか・・!」

「こちら、特殊依頼探偵・・・。犯人はすでに確保。後ほど、クリス警官に本庁に連行させます。」


<・・・了解した。>


「ちょっと、あんた何、虚偽報告してんのよ。」

「虚偽じゃない。後1時間だ。だから、先にこっちを済ませる。」


 男はスタスタとマンションに入る。クリスはそんな男の姿に違和感を感じつつ、着いて行く。


 1209号室・・・。男は躊躇わずにインターホンを押す。


『はい・・・。』


 スピーカーから弱弱しい女性の声が聞こえる。


「探偵です。現在調査している案件で、野山様に確認したいことがありまして、お時間大丈夫ですね。」

「ちょっと、あんた。」

『わかりました・・・。』


 男が中に入るとマスクをした女性がいた。


「それで聞きたいこととは・・・。」

「もう少し待ってください。そろそろです。」


 すると、扉が開いてスーツ姿の男性が入ってきた。


「!あなたは、阿澄 學さん。」

「刑事さん。何かありましたか?」


「やぁ、ご無沙汰してます。阿澄 學さん・・・、いや、連続窃盗事件を隠れ蓑に情報を盗んでいた犯人さん。」

「「「は?」」」


 男は堂々と言ってのける。貼り付けたような仕草も合わさって、詐欺師にも見えてしまう。


「あんた何を言って「明確化すると」・・・。」

「3件目と7件目、10件目だ。あんたは、企業に関する重要案件に関係する、秘匿情報を盗む際の隠れ蓑に窃盗を行ったのだ。3件目の事件現場、事件と同じ階にはあんたのライバル企業勤めの男性がいた。昨日、その男に確認したがどうやら事件当時に、海外企業との取引計画のデータをコピーした形跡があったらしい。なかなか口を開かなくて苦労したがな・・・。」


 男が見せた証拠には、必要経費と接待に使ったであろうキャバクラの領収書が混ざっている。写真もあり、女性に浮かれる男性も映る。


(昨日のあれは、本当に調査だったのね・・・。ただ、あんたも鼻の下伸ばしているじゃない。)

「7件目、ここではあんたの企業と取引関係になった海外企業がライバル企業と取引を持ち掛けようとする噂を聞きつけて確認するために、潜り込んだんだろうな。因みに、ここのデータベース保管室の棚からあんたの指紋が確認できたぜ。透明で、自分もよく出入りしている場所とはいえ、もっと警戒するべきだったな。」


 そこには、データベース本体からは指紋が確認されないが、棚の淵から一部拭き取られた指紋の鑑定結果が記された資料が提示された。


「そう、ロボの初期捜査は、事件現場のみ。それも事件が事件なだけに捜査は3階しかされなかったのね。」

「あぁ、警察サイドの怠慢だな。必要最低限しか捜査しかしなかったこと、事件を安易に決めつけたことで起こったミスだ。」


 阿澄 學は、苦しい顔を見せ始める。


「そして、10件目。ここでは、事件現場近くの工場だ。その日、その工場は大口の搬入作業をしていた。その工場は、あんたの企業の工場だ。」

「ちょっと待って、自分の工場なんだから事件を起こす必要はないじゃない。」

「いや、重要なのは従業員を調書で拘束するのが、目的だったんだ。」


 男はある資料と調書を見せる。そこには自撮りするインフルエンサーと後ろのバーカウンターに座る外国人と日本人の二人がバーで飲む姿の映る写真がある。奥で座る姿は、内緒話をしているようにしか見えない。


「この日本人、警察に調書を受けた工場長補佐の男だ。一緒に飲んでいるのは海外企業の幹部にして、あんたの企業からライバル企業に取引を切り替えることを提案している張本人だ。この二人は、接待と称して、あんたの企業の情報を取引しているんだ。これは、補佐の男がキャバクラで口を滑らせているのを確認している。」

「ちょっと待って、その写真の時間。」


 写真には22:00と示された壁時計。


「あぁ、警察が調書を取っていた時間だ。工場は大口取引でバタバタ、人が多すぎて調書もかなり伸びた。なら、この写真に写る男はだれか。あんただな、阿澄 學さん。あんた、霧人族らしいが、姿を消したり、霧散したり、姿を変えられるんじゃないか。」


 男がそこまで言ったところで、顔を青白くした阿澄 學は体を霧に変え始める。

ビビビ!!!!


「馬鹿か。ここまで調べられていて、逃走防止してないわけないだろう。」


 男が懐から小さな機械を出した。見た目は一昔前の防犯ブザーのようである。


「それは?」

「霧人族用痴漢撃退アイテムを改造したもの。霧人族は、霧散してもある一定の波長の電磁波を感じ取り、霧散を維持できなくなるらしい。これは、それをさらに強力にしたもの。刑務所でも採用されているレベルの威力は保証する。」


 頭を押さえた阿澄 學をクリスは手錠で拘束する。


「まぁ、さっきの行動で自白と変わんないな。」

「にしても、よく阿澄 學ここに来ることがわかったわね。」

「それは、彼女が阿澄 學の愛人だからだよ。」

「「え!?」」

「どうやら、夜の街では有名な噂らしい。阿澄 學は、所長になる前に別れた彼女との間に子供がいて、半軟禁状態でそれをかくしているって。」


 その後の調査で分かったことだが、阿澄 學は彼女との別れるに際して、かなり揉めており、当時、あまり合法とは言えないやり方で無理やり別れた。しかし、社長となり、企業も成長、彼女から、昔のことを外部に漏らされたくなくて、このマンションに半軟禁をしたらしい。

 その扱いは、いい訳がなく。情報の漏洩防止で彼女の就職を禁止し、保護移転被害者用のアパートで用いられているものと同じ機能で監視を行っていた。その上で、金銭的援助も最低限であり、親子はかなり貧しい生活をしていたらしい。


「それじゃ、犯人を連行するわ。」

「?何言ってるんだ。まだ、連続窃盗事件の犯人がまだだろ。」

「いや、そっちもわかるの。」

「そろそろだ。」


 すると小学生が帰ってくる。部屋にいた女性は小学生に近づこうとする。そこに男が滑り込み、小学生の持つバックを奪うと、中から鶏肉を取り出す。


「君が犯人だね。」




 犯行動機は、困窮した家庭から、ハーフとはいえ霧人族である自身の特性を使い、日常商品を盗み。浮いたお金を親子が、男から逃げるお金にしようとしていたらしいです。この事件をきっかけに、親子は別れ離れ、心身の不調から母親はふさぎ込み1か月後に自殺。それを聞いた息子は、自殺未遂で植物状態となった。

 阿澄 學は、刑務所で汚職や不正が見つかった阿澄商社は倒産。そこ唐芋ずる式にライバル企業や外国企業、宇宙艦通信施設2区総合小学校前支社も問題視され、苦しい立場となる。それらはある探偵が連続窃盗事件の証拠資料に同封した調書によってもたらされたものである。

 しかし、世間には事件解決だけが放送され、問題視されるのは警察の初期捜査のずさんさや、捜査ロボの問題点ばかりであった。


「誰が不幸になろうと、社会が観るのは犯人逮捕のハッピーエンドか・・・。まぁ、俺には関係ないな。俺は頼まれた依頼をしただけだ。誰が不幸になって、誰が幸福になるかは関係ない。」


 男は依頼達成の報酬の知らせを開き、コーヒーを飲む・・・。


「変態探偵!特異依頼だ!」

「お嬢ちゃん。折角なら名前で呼んでもらいたいな。」

明日も続くGW企画

この作品を連載作品にしたいと思った方は

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この作品の運命は、君が決めよう!


いつもはYouTubeで活動してます。

別投稿作品の「神々の観る世界 神々に魅せる世界」の裏話や挿絵、紹介動画なんかもしていくつもりなので、そちらも見に来てください。

https://www.youtube.com/channel/UC3wzuZXPJ0Izmji-vlTWgdg



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