お弁当を買いに行くので、ついでにトナカイを誘ってみたら……
この作品は「なろうラジオ大賞6」応募作品です。
サンタ服を着てチラシを配ると受け取り率が2割くらいは上がるのだけど、このバイト、歩合制じゃないので“せわしなさ”が増すだけだ!
あ、でもメリットはある!
この寒空の下、多少の風除けにはなるから……って!!
相変らずワタシは口が悪い!
この口が災いして……今年のクリスマスは『苦しみます』になってしまった。
おっ!
今、懐のスマホがブルッ!たぞ!
フフフ これは昼休憩に合わせてセットしたアラームだな!
だって“独り身”のワタシに電話掛けてくるヤツなんていないモン!
んで!私は相棒のトナカイに声を掛ける。
「友部~! コンビニ行こうぜ!」
「コンビニ~?! こんな格好で行ったら店先のケーキ売りのバイトと勘違いされんじゃね?」
「じゃあ、ツノ外して行けば!?」
「そんな問題じゃ無くてさ……」
この友部!イケメンだし優しいし「ちょっといいかな??」って感じなんだけど……こーゆーとこはかなりウゼぇんだよね。
「オトコなんだから気にすんなよ!」
「オレ一人なら気にしないよ!」
「フフン!負け惜しみを!」
「ちげーよ!! 有紗がいるから……」
「ほえっ?! ワタシの事、女子認定してくれんだ!」
「当たり前だろ!?」
「白髭、生やしてても?!」
「それ、嘘っこじゃん!」
「付け胸してても?」
「えっ??!!」
「アハハハ! その顔ウケる~! 嘘だよ!ブラは着けてるけどね!」
「お前なあ~!!」
「んなに怒るなよ! ワタシの事、『女子認定』してくれんならクリスマスに孤独を感じてるこの乙女心を慰めてよ」
「えっ?! だってお前!カレシ居るんだろ?!」
「先々月まではね! まあアンタみたくイケメンじゃなかったけどさ……シクちゃった!」
「有紗、振られたの??!!」
「声大きいよぉ!!」
「ゴメン! ホント!申し訳ございません!!」
「いや、そんな風に謝られるとこっちが惨めだわ!だいたい何でアンタが……」
ワタシ、おちゃらけようと思ってたのに友部のヤツ、ガチで突っ込んで来るから……
『やっぱ!マジになってるイケメンって尊い』なんて頭の片隅で思ったりなんかして……
「じゃあさ!バイト終わったらクリスマスやんない?……オレの家とかでさ……」
「へっ??!! ワタシの事、誘ってんの?」
「ダメか?」
「下心とツノを外してくれるなら……いいよ」
さて、ツノを外した友部の下心が外れていたかどうかは……ナイショだよ!(笑)
まあ、下心と言っても……きっと他愛のないレベルなんでしょ!
うん、でも……チラシ配りのバイトって……大学とか専門学校生??
その年頃の下心って??
“清純”なしろかえでには測り兼ねます(^^;)
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