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引退した世界最強冒険者、もう一度世界を救う~ツンデレ女冒険者と獣人奴隷と穏やかな生活を取り戻す~  作者: 大和煮の甘辛炒め
終章 魔王討伐へ

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異次元の戦闘

 古代都市に爆音が鳴り響く。

あちこちから煙が上がる。

アスフェン達と魔王の戦いは激しさを増すばかりだ。

拳がぶつかる度に地面が抉れ、建物が吹き飛ぶ。

『互角か』

魔王がアスフェンの拳をいなす。

魔王がカウンターをおみまいするが、アスフェンが受け止める。

『この身体はまだ俺用に作り替えていない、つまり借り物の状態だ。魔力強化で補っているから良いものの、いつかガタが来るだろう』

魔王が脚を踏み込んで衝撃波を発生させる。

アスフェン達が吹っ飛ばされる。

「化け物め」

ブリエッタが悪態をつく。

『歳はとりたくないもんだな、これっぽっちで息切れが……ただ!』 

ブリエッタが棍棒を構え直す。

『魔王は弱体化されたままだ。アスフェンが魔王の魂を封印するだけに留めたのが功を奏したようだ。このまま全員で押しきれば!』

ブリエッタが魔王に迫る。

「元気いっぱいだな」

魔王が迎え撃とうとする。

その時。

「背中ががら空きだぜ、魔王!」

バルクとチュンチュンが魔王の後ろに回り込んでいたのだ。

『気配を消すのが上手いな……いや、気配が矮小すぎるのか』

魔王はブリエッタに注力する。

『今優先すべきはこの男』

バルクとチュンチュンの拳が魔王の背中にヒットする。

『かったーい!』

『え、防御魔法?いや、魔王は何もしてない。素でこの堅さなのか?』

二人が驚愕する。

「今の魔力の流れ的に」

魔王が振り返って言う。

蒼蒼(そうそう)か?もう少しタイミングを早くしてみろ。俺でも少しは堪えるだろうよ」

『こいつ、蒼蒼をしってんのか。いや、こいつは魔王だ。戦ってきた人間のなかに蒼蒼を使う奴がいたのかもしれない』

バルクがチュンチュンの腕を掴んで後退する。

魔王が拳に魔力を込める。

「蒼蒼」

魔王の拳から蒼い火花が迸る。

ブリエッタが棍棒で防御しようとする。

空気が爆発した。

ブリエッタが吹っ飛ぶがすぐに体勢を立て直す。

棍棒はバッキリ折れていた。

『さすが魔王、蒼蒼の威力も桁違いだ。棍棒がなかったら腕がちぎれてたかもしれん』

ブリエッタが棍棒を投げ捨てる。

アスフェンが隣に並ぶ。

「焦るなよ、全部が全部致命打になりうる。だから……」

二人が急いで身を屈める。

それぞれの直感が危険信号を発したのだ。

後ろの塔が真っ二つになって崩れ落ちる。

「あっぶねー、ほとんど見えないのズルだろ」

アスフェンがぼやく。

ブリエッタがすぐに立ち上がる。

「しんどいが撹乱するしかないか」

「同意だ」

二人が消える。

魔王が身構える。

『速い!斬撃を当てるのは難しいな。謀りおって、人間め』

高速で動く二人の攻撃が魔王を消耗させていく。

『人間にしてはやるようだ。まあ、俺がそのスピードに合わせれば良いだけなのだが』

魔王がアスフェン達と同じ速度で動き出す。 

「興が乗ってきたな、フハハハハ!」


⭐⭐⭐

「……俺達に出来ることあるか?」

パンタロンが異次元の戦闘に戦意を喪失する。

「ある!」

レグルスが叫ぶ。

「でもまだその時じゃない!出来るだけ温存しておいて!」

「お、おう」

「分かったわよ」

イザベラが頷く。

シャルロッテがレグルスを見る。

『初めて会った時は頼りないなよなよした奴だと思ってたけど、今は悔しいぐらい頼もしく見える』

シャルロッテが目の前で起きている異次元の戦闘にめ目を据える。

「約束を破る訳にはいかないんだよ」

バルクとチュンチュンも一旦距離を取って好機を伺う。

全てはアスフェンとブリエッタがどれだけ魔王を消耗させることが出来るかに掛かっているのだ。





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