悪魔の蒼蒼
バルク&チュンチュン&シャルロッテVSトルキのパートです
バルクとチュンチュンと『スターハイツ』は城門へと続く道を走っていた。
「ん、何してんだ、ガキ」
バルクがチュンチュンの首根っこをつかみ上げる。
「うわ、何するんだ!はなせ!」
チュンチュンがもがく。
「アホか、子守りしながら魔族と闘えるかよ。さっさと帰れ」
バルクがチュンチュンを後ろに放り投げる。
それをシャルロッテが抱き止める。
「ひゃっ、おーナイスキャッチ!」
チュンチュンが決め顔をシャルロッテに見せつける。
「何でお前が得意気なんだよ。ったく、足引っ張るんじゃないぞ」
「うん、頑張る!」
チュンチュンが頷く。
「へっ、お出ましか」
バルクが立ち止まって上を向く。
「私に気付くとは!」
トルキが上空から降下し、かかと落としを食らわせる。
「あたんねえよ」
バルクが避ける。
シャルロッテ達も立ち止まって警戒する。
「本当にヤバくなったら助けてくれ、それ以外は手出しすんなよ」
バルクの拳に魔力が籠る。
「まるで松明のようだな」
トルキが爪を伸ばす。
「『黒爪』」
黒光りする爪がバルクの首を切り裂こうとする。
「おっと」
バルクが爪を避けてトルキの間合いに入り込む。
「かましてやるぜ、蒼蒼!」
バルクの拳がトルキの胸に叩き込まれる。
「おお、素晴らしい!」
トルキが後ろに吹っ飛ぶ。
「ちっ、出なかったか」
バルクが悔しがる。
「素晴らしい一打でした。生まれて初めて打撃部分を魔力で強化しましたよ。モンク特有の技術でしょうか、書物で読んだことがあるような……」
トルキの隙をついてチュンチュンが仕掛ける。
「はああ!」
「貴様は……!」
トルキが攻撃をいなしてチュンチュンを蹴り飛ばす。
「ぐえっ!」
吹っ飛ばされたチュンチュンをまたシャルロッテが受け止める。
「手ぇ出すなって言っただろガキ!」
バルクがチュンチュンを睨む。
チュンチュンも負けじと言い返す。
「何よ、このすっとこどっこいのおたんこなす!悠長に殺ってる暇はないのよ!」
「なんだと……!」
「五人か」
トルキが二人の配下を呼び出す。
「ペルタ、アイビス」
トルキの影から悪魔が二人飛び出してきた。
「ペルタ、お前はあの裏切り者の吸血鬼をやれ。アイビスは冒険者集団を」
「御意、愛しの我が主」
「抜け駆けは許しませんわよ、ペルタ」
「行け」
「「はっ!」」
チュンチュンとシャルロッテ達が戦闘態勢に入る。
「来るよ!」
「分かってる!」
バルクが拳を構える。
「三人でかからなくていいのか?」
「貴方ごときに?」
「てめぇ!」
トルキの挑発に乗ったバルクが拳を繰り出す。
しかしトルキには掠りもしない。
「ちっ、早く出ろよ蒼蒼!」
「大振りになっていますよ。攻撃が読みやすい。貴方がこだわっている蒼蒼が出ても当たりませんよ」
「うるせえ!」
バルクが拳を連続で繰り出す。
「早く蒼蒼を出してください。それか発動条件があるのでは?」
トルキが縦横無尽に避けながら笑って言う。
「例えば、格下にしか発動出来ないとか」
「言わせておけば、調子に乗るんじゃねえ!」
バルクが渾身の一撃を放つ。
「蒼蒼!」
拳は蒼く光らなかった。
トルキが片腕でガードする。
「不発みたいですね、ところで……」
トルキが爪を取り払い、拳を握る。
『魔力を込めやがった!こいつもモンクなのか!?』
トルキが懐から魔道具を取り出す。
『加護壁で確実に防御する』
トルキの顔が紅潮する。
『まるで大空を飛んでいるかのような、頭を突き抜ける爽快感!初めてだ!もしやこれが……!』
トルキが拳を突きだす。
拳に込めた魔力が蒼い火花を散らす。
「蒼蒼!」
光の壁がバルクを守ったが、物凄い衝撃がバルクを襲う。
「ぐおあ!」
バルクが耐えきれずに吹っ飛ぶ。
『加護壁がなかったら死んでた……!魔族が蒼蒼を決めやがった?モンクの専用技じゃないのか?』
バルクが体勢を立て直す。
「貴方が躍起になって蒼蒼を決めようとする理由が理解できました」
トルキが肩を回す。
「今までになく、魔力との結び付きを感じる」
バルクが魔力を込めた拳を構える。
トルキも拳に魔力を込める。
「君に感謝を、お礼に死を」




