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引退した世界最強冒険者、もう一度世界を救う~ツンデレ女冒険者と獣人奴隷と穏やかな生活を取り戻す~  作者: 大和煮の甘辛炒め
終章 魔王討伐へ

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独断専行

ちょっとテンポ早めで書いてます

 二週間後、アスフェン達はまたアンデラートに招集された。

「あれが女王が言ってた猛者?」

アリスが何人かの集団に目を向ける。

赤い髪のモンクや鎖鎌を装備した戦士など、誰もが強者の風格を醸し出している。

「そうだろうな、どれも知らんが。シャルロッテ達もいるな」

アスフェンが辺りを見渡す。

「あ、ブリエッタとイザベラもいるぞ」

「ざっと七人ぐらいですかね」

レグルスが緊張した様子で言う。

「ねぇ、すごくカッコいい人がいるよ」

チュンチュンが指を指す。

「ほんと?ってなんであいつがこんなところにいるんだよ……!」

アリスが嫌そうな顔をする。

「ん、むむむ!何故貴様らがここにいるんだ!」

チュンチュンに指を指された男がこちらに歩いてくる。

「お前、イカメシだっけ?」

アスフェンが尋ねる。

「違うわ!イケメソだわ!お前らも招集されてたのかよ!」

イケメソがアスフェンに食って掛かる。

「そうだよ。てかそれはこっちのセリフなんだが」

「俺もビックリしてるんだよ。戦闘に自信はあるが、まさか人類・エルフ連合軍の主力として呼ばれるとは思ってなかった」

「人類・エルフ連合軍っていうのか?」

「いや、俺が勝手に呼んでいるだけだ。そんなことより、すごいぞ。『蒼蒼のバルク』に『鎖鎌のベルフェゴール』、『陰のヒューズ』、その他も全員ネームド冒険者だ。A級冒険者が集まってる。ガチでやるんだって覚悟を心で感じるよ」

「全員知らん……蒼蒼(そうそう自体は知ってるが」

「モンク特有の魔力を纏った拳撃、それがごく稀に蒼く光る。それが蒼蒼。蒼蒼を経験しているモンクとそうでないモンクの実力には異次元の差がある……だっけかな?」

「そうだ、俺も蒼蒼を決めたことがある」

「え?」

「昔ふざけてモンクの真似してたら出来た」

アスフェンが淡々と語る。

「おいおい、冗談きついぜ」

バルクが呆れながら近付いてくる。

「モンクの俺ですら人生で二回しか蒼蒼を経験してないんだぜ、お前もモンクだったのか?」

「いや、モンクじゃない。てか、俺のジョブってなんだったんだ?戦士?それはブリエッタだし……」

「ブリエッタ?ちょっと待て、あんたブリエッタさんと同じパーティーだったのか?」

「おん」

「じゃあ、あんたが英雄アスフェン・ヴェスレイか!?」

バルクが大声を上げる。

衆目がアスフェンに集まる。

「そうだよ」

アスフェンが気まずそうに頷く。

『ブリエッタのやつ、何を吹き込みやがった』

ブリエッタとイザベラがクスクス笑っている。

『イザベラもか』

「いやー、英雄がいるなら安心だな」

バルクが調子の良いことを言う。

「はー、バカじゃない」

ベルフェゴールが腕を組んで壁に寄りかかりながら言う。

「英雄になんて口聞いてんだ、ベルフェゴール」

バルクが睨む。

「英雄と言っても随分昔の話でしょ、あたしはそんなお荷物に安心することは出来ないわ」

「何ィ!」

バルクとベルフェゴールが睨み合う。

『めんどくさー』

アスフェンがブリエッタの方へ避難する。

「悪いな、でも安心しろ、魔王を倒したことは言ってないから」

「そういう問題じゃなくてだな……」

アスフェンが何か言おうとしたが、パンタロンの大声に掻き消された。

「準備が整った!今すぐ出撃するぞ!」

「作戦何も聞いてないんだけど」

ベルフェゴールが不機嫌そうに尋ねる。

「お前達は魔王軍の強者を蹴散らせば良い。あわよくば幹部を倒してアスフェン達の進路を切り開く。雑魚は一般兵士に任せておけ。お前達が戦線に到達次第、境界線を越えて魔王領に侵攻する」

「あのおっさんに何を任してるんだ?」

ヒューズがパンタロンに尋ねる。

「彼には魔王討伐を任している」

「大丈夫なのか?いくら英雄とは言え……」

「魔王はアスフェンにしか倒せない。時間がない。お前らは暴れるだけで良いんだ、もう質問するなよ!」

パンタロンが怒鳴る。

彼がイラついているのは何故か。

『あのバカ女、もう侵攻を始めやがって!綿密に立てた作戦が戦場に行く前からパーになった』

ボーデッサンが猛者達が到着する前に何故か軍を進めてしまったのだ。

『この戦争が終わったら処罰だ!』


⭐⭐⭐

「ホントに侵攻を開始するとは、あの女、おつむが相当残念なようだ」

トルキが古城のてっぺんから激しい戦闘を眺める。

トルキがボーデッサンにかけた心理操作術はまだ残っていた。

「ねえ、トルキ、私は地下公道で待機してて良いよね?」

ココルがウキウキしながら尋ねる。

「好きにしな、我々の力、ぬるくなった人間に思い知らせてやろう」

トルキがほくそえむ。

その目は残忍に光っている。


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