カンティーナ事変(3)
「魔剣使いの人間は初めてです」
ディーノが技を繰り出しながら言う。
「攻撃の軌道が捉えずらい!距離を詰めすぎるな!」
トスハラがケラスターゼに忠告する。
「くっ!分かった!」
ケラスターゼが攻撃を避ける。
『空気の塊が飛んできてる?』
トスハラが技を繰り出す。
「ブラッドカッター!」
血の刃がディーノへ飛んでいく。
「効かないなぁ」
ディーノが空間を削るように腕を振る。
すると、血の刃が消え去った。
『なんだ今の、ブラッドカッターが消えた?』
トスハラが困惑する。
ディーノがまた腕を振る。
ケラスターゼとトスハラが急いで伏せる。
後ろの壁が轟音と共に削られる。
「はあ?何あれ……ってうわ!」
削り取られた壁がこちらに向かって飛んできた。
壁が二人にぶつかる。
「避けろ!」
トスハラが叫んで飛び上がる。
ケラスターゼも急いで飛び上がる。
今度は床が削り取られた。
「こいつは空間を削る攻撃をしてくるようだ」
トスハラがブラッドカッターを連射しながら言う。
「一発でも食らったら終わりかしら」
ケラスターゼが尋ねる。
「最初のほうの攻撃を覚えているか?さっきのは壁や床を削っていたが……」
「最初のやつはなにも削ってない!」
「恐らく種類があるのだろう」
「近付けなきゃ話になら無いよ!」
ケラスターゼが飛び避ける。
『!なにも削られてない』
ディーノが嘲笑する。
「気づいたところでどうすることも出来ないよ」
攻撃のスピードが上がる。
⭐⭐⭐
「さすがに魔人二人はきついと思ったけど……」
パールとペルンの攻撃を弾く。
「そんなこと無いみたいね」
「ヨアンほどではないが、かなりの魔力を持っているようだ」
ペルンが氷塊を射出する。
「炎天斬!」
アリスが氷塊を切り裂く。
「ペルン、お前は魔法でやつの動きを制限しろ」
パールが自身の陰から十匹の狼型魔獣を召喚する。
「俺たちで殺す」
「かかってこい」
アリスの剣が炎に包まれる。
⭐⭐⭐
アスフェンは四方八方から突き出す手と交戦していた。
『かなり高度な結界術……こいつ相当手練れだな』
掴みかかる手を切り刻み、地を蹴ってクローバーに迫る。
クローバーの下から手が出てきてクローバーを持ち上げる。
クローバーがアスフェンのうしろに飛び降りる。
「ちっ」
アスフェンが反転してクローバーに斬りかかる。
クローバーが巨大な氷を放出し、上に飛び上がる。
しかしその攻撃を読んだアスフェンがクローバーの上に現れる。
「終わりだ」
アスフェンが肉包丁を振り下ろしたが、クローバーは硬質化させた腕をあげてそれを受け止めた。
『氷魔術に、身体の硬質化!高度な結界を張ってなおこれだけ魔力を喰う魔法を使いやがる……どんだけ魔力あるんだよ』
クローバーが今度は風魔術を放つ。
アスフェンが吹っ飛ばされる。
壁を突き破って外に飛び出す。
『マジか、風魔術まで?こいつ、フュートレックと魔力量でタメはれるぞ』
アスフェンが驚く。
辺りを見渡す。
庭のほうでレグルスが誰かと戦っているのが見える。
遠目でも分かるぐらいにボロボロだ。
『結界の影響は受けてないみたいだな。さっきの手の攻撃はこの結界に刻まれてんだな?外からの侵入を拒む役割も担っているのか』
アスフェンが空中で体勢を立て直す。
『この結界を張っていてなぜ、俺たちをあの手で攻撃せず魔人と乗り込んで来たんだ?』
アスフェンが飛び出してきた穴が赤く光る。
「待て待て!今度は炎魔術かよ!」
アスフェンがマジ焦りする。




