カンティーナ事変(2)
「わー、待て待てー!」
「やーだよー!」
花が咲き乱れる庭をレグルスとチュンチュンが駆け回る。
「うわー!」
「キャハハ!」
二人が地面に倒れ込む。
「こんなに遊んだの、久し振りだー」
レグルスが汗をぬぐいながら言う。
「私も~」
チュンチュンが息を切らせながら言う。
その時、空が真っ黒に染まり出した。
「え、何これ」
レグルスが困惑する。
「すごく嫌な感じがする……」
チュンチュンがうずくまる。
「ちょっと大丈夫!?」
レグルスがチュンチュンの背中をさする。
「うええ……」
チュンチュンが嘔吐する。
レグルスが誰かの気配を感じとる。
「ひっ、だ、誰?」
レグルスが後ろを振り返る。
そこには白髪の魔人が立っていた。
「久し振りね、あなたに用があるの。大人しく着いてくるなら、痛くしないけど」
ヨアンが剣を構えながら言う。
「なんで……死んでないの……?」
『この人はあの時頭が潰れて死んだはず……どうして』
レグルスが硬直する。
「あら、驚いているみたいね」
ヨアンが笑う。
「私は人間じゃなくて魔人なのよ」
「……っ!な、何の用なの」
「お前、『矢』に選ばれただろ?あの矢は私達の計画に必要不可欠なものなんだよ」
ヨアンがレグルスの胸を指差す。
「お前の胸に入っていった『矢』がな」
チュンチュンが顔を上げる。
「あの人……レグルスの知り合い?」
「いいえ、敵よ。私を狙ってるみたい」
「え、なんで?」
「それは分からない。矢がどうとか言ってるけど」
レグルスがジャガウォックを出す。
「ちっ、忌々しい獣め」
ヨアンが睨む。
⭐⭐⭐
城が結界に包まれたことをアスフェンとトスハラはすぐに察知した。
「結界?」
「しかも聖なる力を持っている」
トスハラが焦る。
「外にはお嬢様が!」
アスフェンが肉包丁を取り出す。
『聖なる結界……こいつとあの吸血鬼のガキを狙っているのか?だがなんだ、妙な気配を感じる』
トスハラが扉の方を見て叫ぶ。
「来るぞっ!」
正面の壁を突き破ってディーノ、ペルン、パール、クローバーが突入してきた。
『ヨアンがレグルスを奪取するまで』
『こいつらをここに』
『抑える!』
ケラスターゼとアリスが剣を抜く。
アスフェンがクローバーと、アリスがペルンとパールを相手取る。ディーノはケラスターゼとトスハラが迎え撃つ。
「ん、君魔族だったのか」
トスハラがケラスターゼの剣を見て驚く。
「いや、そんなこと言ってる場合じゃなーい!」
ケラスターゼがディーノの攻撃を避けながら言う。
アスフェンとクローバーも戦闘を開始した。
クローバーは仮面で顔を隠している。
「お前、強いな」
アスフェンが呟く。
クローバーが鼻で笑う。
アリスも二人の魔人を相手に隙をみせない。
「ヨアンの話とだいぶ違うが……」
「問題ない、足止めすればよいのだから」
⭐⭐⭐
激戦が始まった




