新たな動き
「お手並み拝見ね」
拝聴席にフュートレックが立っている。
「アスフェンなら大丈夫ね、それで」
フュートレックがアスフェンからレグルスに目を移す。
「……選ばれちゃったのね」
フュートレックが呟く。
「あ、フュートレック」
ブリエッタが声をかける。
「あら、あなたもいたの」
「万一アスフェンがやられたら俺たちでアイツをやるぞ」
『アスフェンがやられるのは困る。アレを抑え込める可能性がゼロになる』
フュートレックがアスフェンの前にテレポートする。
「おっ!フュートレック!何しに来たんだ」
アスフェンが驚く。
『妖精女王フュートレック!?あのオッサン、あんなバケモンとも知り合いなのか?』
シャルロッテが愕然とする。
「あの魔砲をその包丁で弾くつもりだったの?ホントに死ぬわよ」
フュートレックが呆れながら杖を前にだす。
「仲間の魔法使いか、まとめて葬ってやる!」
ラツィオの渦からどす黒い魔砲が放たれる。
「ちんけな遺言ね」
フュートレックも魔砲を放つ。
純粋な魔力だけを練り上げて放出された魔砲がラツィオの魔砲を消し飛ばす。
「バカなっ……」
あっという間にラツィオも魔力の奔流に消し飛ぶ。
「うふっ、私の勝ち」
フュートレックが振り向いてピースサインをする。
ケラスターゼ達もピースサインを返す。
「衰えないって良いことだな」
アスフェンが肉包丁をしまいこむ。
「それで、また用があるのか?」
「ええ、『並なる均一世界』の本拠地がわかったの」
「あの魔人どものか」
「ええ、あそこは最後の戦いの場所に世界で一番近い場所よ。時間がないわ」
フュートレックがケラスターゼ達を指差す。
「あの子達も連れてきてほしいの」
「それはいいが……てか場所どこだよ」
「オベリスクよ」
「オベリスク!?」
アリスが駆け寄る。
「ちょうどいいところにアンデラートの生徒がいるんですよ」
アリスがシャルロッテを指差す。
シャルロッテが頭を下げる。
「そう、じゃああなた達はアンデラートに生徒として入学してオベリスクに滞在してちょうだい」
「げっ、また制服着るのかよ……」
「大丈夫よ、アスフェン若く見えるし、入学の目的は寮を借りるためだから」
「それ入学する必要あるか?」
「とにかく、準備ができしだいオベリスクに出発して。魔族もかなり活発に動いてる。
魔王復活を狙ってる魔族もオベリスクに潜んでいるかもしれない。目的は異なるが魔王復活を目論む二勢力とそれを阻止しようとしているあなた達。三つ巴の戦争になることは間違いないわ」
「つまりオベリスクで起きたことが……」
「この世界の存亡に直結する」
「ブリエッタはどうする?」
「彼は最後の砦。もし私達が破れたとき、魔王が復活したとき、彼が魔王を倒す」
「……わかった。引き続き監視……?してるのか知らんが頼むぞ」
「ええ」
フュートレックがまたどこかへテレポートした。
「あの魔人たちの親玉との決戦ですね、師匠」
「交流会が終わったらすぐカルテットを出ると、ケラスターゼとレグルスにも伝えてくれ」
「はい」
アリスが頷く。
『当面オーディナリーには変えれそうもないな』
アスフェンが空を見上げて溜め息をつく。




