閑話 尊の意欲
短いよ……
「瀬蓮、鍛錬を頼む」
「尊様は本当に武術に長けておられる」
「瀬蓮には到底及ばないけどな」
「不肖ながら、私は各種武道から暗殺術まで幅広く身に着けています故」
「……俺は暗殺術は覚えなくていい」
「尊様はどのような武術を身につけたいと?」
「あの店とあの2人を守れるような武術だなぁ」
「なんと志が気高い!ご兄弟も守りたいとは素晴らしい!」
はたから見るとおっさんが涙ぐんでいる。
「あの二人が手術中は店を守るのは俺だからな」
感動を続ける瀬蓮。
「悟がラテアートを描いてるときは無防備になるし、兄貴はめったに人前に出ないからひ弱だし?」
そんな会話をしている二人だが、会話をしながら手も足も出ている。感動で涙を流しているのに瀬蓮は投げ技を仕掛けたりもする。
結局どんな武術をしたいのかわからないが、とりあえず瀬蓮の鍛錬は尊にされた。
「人体の急所を覚えると楽ですよ?」
「股間とかか?」
「それは極端ですね(笑)」
「これでいいんですよ。首の後ろを手刀でとんとついて終わりです」
瀬蓮は言うが速いかで、尊の首の後ろを手刀でとんとついた。
「はぁ、今回も負けたー。しかも気絶した」
「瀬蓮もまだまだですね。私ももっと鍛錬しなくては」
「いやぁ、いいんじゃないか?基礎体力が落ちなければ」
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