閑話 悟の悲劇(?)~誰かタスケテ
とある日常、兄弟の末っ子・悟が普通に学校に行った。
「ラッキー!朝から眼福。悟クン見ちゃった♡」
「え~、わたしは見逃した。んー!くやしー!!」
「わたしは教室で見れるし~!」
「「い~な~」」
朝から実にめんどくさい。悟は医療系短大に通っている。悟は看護学科。当然のように女子が多い。悔しがってたりするのは悟とは違う学科若しくは学年の生徒なのだろう。
「えー、今日は編入生を紹介する」
(看護学科にねぇ。モノズキがいたもんだ)
「名前は中野丈一郎君だ」
「「きゃー、オトコよ!男子歓迎」」
(中野丈一郎……ん?まさかな?)
「中野丈一郎です。で・も、性転換手術してるからジョナサンって呼んでね☆」
もともとそれなりにイケメンなのでそこそこ美人で、サラサラロングストレート黒髪が彼女(?)の武器だろう。
(マジかよ?)
「悟くーん、会いたくて編入しちゃった☆」
「俺は会いたくなかった(一生)」
「えー、冷たいー。クールなとこはお兄さんに似たのかしら?」
「真面目に授業受けろよ」
「先生!着替えとかトイレは女子トイレですか?」
「君はなぁ――戸籍は男なんだよ。男子トイレ…」
「キャー!天国ー!着替えも男子更衣室?」
丈一郎はワクワクしている。
「そんなに喜ぶんなら、女子トイレで女子更衣室!反対の女子生徒はいるか?」
「「一応トイレはともかく更衣室はねぇ?」」
悟「丈一郎は変態だ。男子が同じ更衣室にいたら、盗撮やら犯罪まがいの事されるぞ?」
「では、中野君は女子更衣室を使うように(学校から犯罪者を出すわけにはいかない)」
休み時間
「二人はどんな関係なの?」
(まぁ、聞いてくるわな)
「関係って。そうね、秘密の人には言えない関係かしら?」
「「キャー!」」
俺は小声で丈一郎に言った。
「余計な事は言うなよ」
「もちろん、それは固くキャシー姉から言わるてる」
「キャシーって誰だよ?」
「あら、キャサリン姉さんヨ」
俺はため息がでた。
悟「―――ってことがあったんだよ」
聡尊「「ご愁傷様」」
悟「キャサリーン、俺の通ってるトコ丈一郎にリークした?」
「丈一郎何て呼んであげないで~」
「ジョナサン……」
尊「あいつ、そんな源氏名なのか?」
「わたしの事、慕ってくれて『キャシー姉』って呼んでくれるワ」
悟「そうでなくて、リークしたか否かね?」
「うーん、そんなに怒らないで~!ジョナサンがどうしてもっていうから~」
聡「キャシーとジョナサンって仲なのか……」
悟「俺のキャンパスライフが滅茶苦茶だよ」
「恐れ入ります、坊ちゃん方」
聡尊悟「「「坊ちゃんはやめて」」」
「ご主人方。悟様、転校しますか?悟様の学力をもってすればどこの学校もウェルカム状態でしょう」
「この方はどなた?初めましてよネ」
「初めまして、キャサリン様。わたくしは主人方3兄弟の後見をしております。後見といっても、ちょっとした資産の管理とか、術後の手配とかの雑務をしております。瀬蓮と申します」
「まさにセバスチャンね。ところで、この兄弟の資産ってどのくらいあるのかしら?いっつも思ってたのヨ。手術代も取らないし、術後もなーんもかからないでしょ?」
「おおよそですが……国家予算の10倍くらいかと」
聡「そんなにあったのか……。どうりで手術室が最新……」
尊「親父とおふくろ、どうやってお金貯めたんだ?」
悟「あはは。錬金術ー」
聡「……で、悟は転校するのか?」
悟「うーん。別に離れ難い友達がいるとかじゃないんだけどさぁ。ここから通いやすいし。キャサリンさえリークしなければねぇ」
「いや~ん、三人に見つめられると照れちゃうじゃない!んもうっ、悪かったわよ!ジョナサンにはあんまり悟クンにくっつかないように指導しておく」
悟「ついでに、あいつに学校に来るときは男の服を着るように指導してくれよ。初日でぶちかましてるから意味ないけど、世の中にはギャップ萌えと言うものもあるからな」
「……わかったわ」
聡尊悟「「「裏の事も口封じでな」」」
「それはわかってる。表の喫茶店だって、いきなり女子大生だらけになったら鬱陶しいでしょう?表の話もしないように言う」
悟「むしろ、俺に関わるな」
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