Case 1 亡き女の写真
久しぶりの投稿です。
Case.1 亡き女の写真
へぇ、ここがねぇ。SNSとかで大人気の喫茶店“お命頂戴致します。”ねぇ。確かにイケメン2兄弟が店を切り盛りしてるみたいだけど、信用できるもんかね?まぁいっちょ行ってみるか。
ふーん、外見は隠れ家的な感じか。で、内装は落ち着いた雰囲気丸出し。床は木材。テーブル席が2つに残りはカウンター席か。まぁ、こんなもんじゃねーの?兄弟で経営してるんだし。
「「いらっしゃいませー」」
元気がいいな。マジイケメンじゃん。ま、俺の方が?
「入り口の人見てー」
やっぱり俺みたいなイケメンは注目度高いよな。
「イケメーン♡と思ったけど、やっぱりここで見ちゃうとね……」
「そりゃそうだよ。尊クンも悟クンも超がつくイケメンだもん」
「だよねー。私の目が腐ってた(笑)」
「そこまで言っちゃうー?(笑)」
なんだ?あの女ども目が腐ってるとかぬかして、気に入らないな。
「ご注文をうかがってもよろしいですか?」
「カフェラテ。ラテアートはドロップ」
俺は単刀直入にカギとなる注文をした。
店員の顔色が変わった。
「しばらくお待ちください」
待つこと2時間。かかりすぎだろ?繁盛してるのわかるけど。長すぎないか?
兄弟の兄の方が店の看板をcloseにして同じテーブルに来た。
「で、用件は?」
「この元カノとの写真を何とかしてほしい」
「捨てれば済む話ではないのですか?」
「彼女とは死に別れだ。俺はこれでも一途だ」
「うちは霊障は専門外ですけど?」
「ただ持っているのが辛いんだ。なんとかしてくれよ」
「わかりました。それではまた1週間後にここでお会いしましょう」
俺は女の部屋にいた。
やっぱイゴゴチがいいよな。
「お命頂戴って言ってもたいしたことねーな」
「えー、でもぉイケメンだったんでしょ?」
「まぁな。でもそれだけかな。結局1週間後とか言うし」
「うふふ、ヒドイなぁ。一途とかいろいろウソ言ったんでしょ?」
「そういう面じゃお互い様か。はははっ」
「きゃっ」
「なんだよ、楽しもうぜ?こーんな写真に1週間だぜ?笑わせる」
俺はミホにも亡き女の写真を見せた。
「ワカゲノイタリみたいな?」
「しかもこの女の子、お堅そー」
「そうなんだよな。イマドキ、キスもなしだぜ?笑っちゃうよな?」
「え?それはナイはー(笑) オタキアゲ?すればいいんじゃない?なんか、あんたもすっごい若いじゃん。コレ丈でしょ?」
「馬鹿言うなよ。俺は無駄なお金を使いたくないのっ。ミホー‼」
「んもうっ、スケベなんだから!でも私も好きよ」
「んー、やっぱオンナは胸だよな」
「胸の谷間で休憩しないで!」
「休憩じゃないもーん!あの女はお堅くて、こういうのもなかったなぁ」
「ちょっとぉ!人の胸で休憩しながら他の女の話?」
「っお、ヤキモチか?」
「普通でしょう?」
―――1週間後
「約束通り1週間後に来た」
「うん、そうだね。1週間、俺達兄弟が何してたと思う?」
「何って…そりゃ、喫茶店経営だろ?」
「それもあるんだけどねー。まぁ、情報収集?」
「で?」
「結果だけ言うとねー。貴方、中野丈一郎氏は一途ではないし、エロい!」
「??」
遠くに座る男?女?が後ろ向きで手を振っている。
「うちの専属情報屋。彼女は優秀で色々調べてくれたよ。貴方の彼女の事とか情事の手管とかいろいろ。それはもう事細かに。その結果エロいと判断しました。
貴方はいったい何股してるんですか?少なくとも3股はしてますよね。1晩で2人相手にすることも…」
「ミホちゃんに言ったら涙目になってたワ。自分一人が愛を持って接していると思っていたのねぇ」
派手なピンクのキャミワンピを着た、ガタイがいい彼女(?)が言った。
「そこの情報屋は顔を見せないのか?」
「職業柄そうでしょう?それと、写真の件ですがこちらで滞りなくお焚き上げしたいと思います。対価はそうですね…。貴方のココでいいですよ。手術代金もこっちもちですから安心してください」
尊は男のシンボルたる場所を指さして明言した。
「マジかよ。聞いてねーぞ?」
「そうですか。でもあくまでうちは“お命頂戴致します。”なので、貴方の命ともいえるココをちょん切らせてもらいます。心配しないでください。術後の就職先まで斡旋いたしますので」
「そういう問題じゃねーだろ?」
「最初に嘘を吐いたのは貴方です」
奥から一人の男が現れた。
「ここの長男です。医学部卒業。麻酔師の免許もあります。うちは3兄弟です」
「「「では、“お命頂戴致します”」」」
「いつもありがとう、キャサリン」
「なによ、他人行儀ねー。ここの3兄弟のためならガンバちゃうワ」
「今は聡兄が手術中かぁ。で助手が悟?悟もそんな年になったのかぁ」
「何言ってるのヨ。尊クンだってまだピチピチなのに」
「俺は体力と交渉担当、兄貴は頭脳労働と手術担当、悟はまだ助手かな?」
「ワタシも仲間に入れてよ~」
「十分入ってるよ、うちの専属の情報屋さんだもん」
「嬉しいこと言ってくれるンだから。お店に来たらサービスしちゃう!」
多分行かない…。おかまバー。
~その後の依頼人
「なんか、性に合ったみたいでイキイキ働いてるワ」
紹介したのおかまバーなんだけど…。
「最近じゃ好みのタイプって男性を紹介してって頼まれるワ」
命頂戴したつもりなんだけどなぁ…
面白いと思った方はブックマークをしたり、下のほうの☆に点数をつけていただけると……。おっとその前に、読了ありがとうございました‼