【アニメイト耳聴き2】団長は今日も武勇伝を語る
「はぁ……何だお前ら、今日も私の話が聞きたいか?」
漂う酒の香り、カウンターの席を勝手に動かして座る女性が、酒場のドアを開けて入ってきた少年少女に問う。目の前に居る女性は、とある冒険団の団長をしている方だ
「聞きたいです!エリナさん!」
「……聞く」
一同の賛成を得た女性は、持っていたジョッキを口に運んで、喉を鳴らす。豪快にジョッキを太ともに下ろすと、口を開いた。
「ようし!じゃあなぁ……滅龍島へ行ったときの話だ!」
「滅龍島!? あの!?」
「あの、だ。まあ聞くんだな―――
―――荒れた波をかき分けて、私ら”朱雀団”は今日も冒険を続けていた。黒い波がどこまでも広がる空にはいつも閃光が瞬いていた。
「リーダー!あれです!あれが滅龍島です!」
指された方を見ると、荒々しく尖った岩の島が見えた。木々は少なく、揺れるその様子から熱を帯びていることが分かる。
「ほぉ……見えたな! 前進だぁ!!」
「「「アイアイサー!」」」
船体が揺れても舵は止まらない。大きく帆を広げ、進み続けた。木でできた船は、飛沫で常にびしょ濡れでカビカビだったが、まあ、味があるってもんだ。
「!? エリナ団長! 嵐が! 嵐が止みました!」
「なに!? ってことは……滅龍島も、私らを歓迎してくれているようだな」
眼中に広がる岩の塊を前に、荒れた波が収まり、降り注ぐ水の弾も消え去った。相変わらず、空は黒いままだったがな。
「リーダー! 錨を下ろします!」
「おう! 全員、上陸準備だ! 忘れもんすんなよ!」
「「「オー!!」」」
私の仲間は、皆私を慕ってくれている。かわいい奴らだ。
揺れとともに、船の動きが止まった。優しい波が濡らした岩場へ足を下ろす。久しぶりの陸の感覚……慣れないこともないが、ムズムズする。
「皆、長い旅立った。上陸!」
「「「「おおおおお!!!」」」」
拳を突き上げ、声高らかに宣言した私に続いて、仲間からは歓喜の声が溢れる。
「でも……祝うのはここを乗り越えてからだな」
私は振り向いて指を向ける。その先には、深く、広い大穴が広がっていた。今にでも飲み込まれそうな漆黒の中に、微かに紅い光を感じる。熱波も感じるが、我々の歓喜にかき消されている。
「ひえぇ……おっかねぇな」
「討伐対象は滅龍島に住む”滅黒龍・バハムート”だ。この島の名前の由来だな。今回は―――」
私が話を続けようとした瞬間、低く威圧の込もった音が辺りに響いた。声の主はわかりきっているが、私でもたじろいでしまった。
「……ッッ!! 凄い……恐怖感だ……!!」
「えっと……僕ら、あれと戦うんですか? 流石にそれは難しいんじゃ……」
後ろの方で、弱々しい声が聞こえる。片目が完全に隠れるぐらい長い前髪に、ボロボロな服装、小さな背と、独特な白銀の髪色、新入りのミラン君か…… 私はそのままミラン君の腕をつかみ、大穴の真横に連れてくる
「……えい」
「わわわくぁwせdrftgyふじこlp!?!?」
トンッとミラン君の背中を押す。もちろんすぐに腕を掴んであげたが、ミラン君の顔は恐怖と涙でぐちゃぐちゃだった
「ごめんごめん〜 でも、ちょっとは耐性がついて……ないね」
「ひっぐ……ひっぐ……なに……するんですかぁ……」
そのままガシりと抱きつかれてしまった。ヨシヨシと頭を撫でて、なだめてあげる。まあ私のせいなんだけどさ。
「おいおい、なんでそんな奴連れてきたんだよ。死んじまうぜ?連れてこないほうがそいつのためにも――」
「はぁ……いいか、この子の力は想像以上だぞ? 連れて行かないわけないでしょう」
ミラン君……この子は特別だ。第一、今回の依頼には必要不可欠だしな!
私達は覚悟を確かめ合い、深淵へと向かっていた―――
―――どうだ、面白いだろ?」
「ここで区切るんかい!」
一旦酒を口に運んで、おかわりを頼む。その様子は、どこか貫禄を醸し出しており、憧れの存在と言われるのもうなずける。店員を呼んでおつまみを追加で頼んで、再び酒を口に運ぶ
「ちょっと! 飲んでないんで早く続き!」
「ぷはぁ…… はいはい―――
―――すぐにでも崩れそうな足場を慎重に伝いながら、徐々に深くに向かっていく。
「うわっと! ……なあ、本当にここを渡るんッスか?」
「そうだとも! ほら、あそこからは急じゃないだろ?」
私の視線の先は、開けた大地だった。休憩には丁度いいと思い、そこへ急ぐ。
「……ったぁ! まずはここで休憩だな!しっかし、暑いなぁ!」
「ふぅ、にしても、今の所何のモンスターにも会っていませんね」
我らが回復要員、ミケちゃんがつぶやく。確かにそうだな。通常、こういうところにはわんさかモンスターが居るはずなんだが……
「バ、バハムートが……」
「ん?」
ミラン君が弱々しく口を開く。バハムートについて言いたいっぽいが……彼ならそれ相応の内容を話してくれるだろう。
「バハムートが皆焼いちゃったんだ…… バハムートはお腹が減らないから良いけど……」
皆焼いた…… まあ要するに、奴がここら一帯を灼熱地獄にしたせいで、何もいなくなったってわけだ……が、お腹が減らないだと?
「へぇ……物知りだな。俺以外にも知ってるやつが居るとは」
「ん? お前も知っているのか?」
隣のガリガリ……クロノが珍しく口を開く。コイツはウチの頭脳……要するに知識要員だ。
「とある古書に書いてあってな。バハムートは破壊の限りを尽くす龍、それ故に食事なんて考えていない。破滅、それが奴のやりたいことだ」
「へぇ…… ミラン君もクロノもよく知っていたな。さあ、休憩は終わりだ、もう四分の一は行っているぞ!」
励ましの言葉(?)と共に、皆が腰を上げる。私達は再び深い深淵へ潜って行った……
「あ、暑い……いや熱いぞ……体が焼ける……」
「ミケちゃん、例のを」
「はい!」
二回めの休息の間、ミケちゃんにとあることをお願いした。ミケちゃんが大きく膨らんだバッグから、一つの小さな瓶とロウソクを取り出す。
「準備完了です!フゥ……”ᚠᚱíᛟ”!」
「お? おお…… これが噂の……」
詠唱と共に感じる熱が減っていく。すぐさま気分は涼しげになり、だいぶ楽になった。
「魔法……便利だねぇ」
「まあ持続させるためにちょっと大掛かりですけど……お役に立てて良かったです!」
「冷たい水が飲めるのはは今のうちだぞ、冷却魔法があろうとこっからはぬるま湯になっちまう。行くぞ!」
まだまだ先は遠い……わたしたちは再び腰を上げ、先へ向かっていった――
―――どうよ」
「なんか……変人が多いですよね」
「ブフッ…… 変人って何よ!」
お酒を吹き出して、ガヤガヤと一人の少女を叱る。
「……まあいいわ。そんな変人たちの活躍を聞きなさい―――
―――徐々に体が温まってくる、気温のせいなのか、歩き続けているからなのかは分からない。
「……もう少しで最下層だ! ついたらしばらく休憩だぞ!」
「ひえ…… 地面が……赤い……ぃぃ?」
普通に歩いていたが、岩であるはずの地べたは真っ赤に赤熱している。靴はいいものを選んどくのが基本だな!
「さあ……ここの岩場を……よっと! さあ、着いたぞ!」
せり立つ岩場を抜けると、だだっ広い空間が広がっていた。異様な雰囲気と、未知の威圧感に圧倒されつつ、私達は腰を下ろす
「うへぇ、この水もうお湯じゃーん!」
「まあまあ、ほら、パンはできたて熱々だぞぉ?」
腹が減っては戦はできぬとはよく行ったものだな。ミラン君もパンと干し肉にかぶりついている。……本当によくたべるなぁ。
「育ち盛り何だからもっと食べなって!」
私はもっとたくさんの干し肉をバックから出す。転移魔法?かなんかで無限に倉庫から取り出せるのはやはり便利だな。
「育ち盛りって…… 僕今年で17ですけど」
「17!? ご、ごめん……もうちょっと……下かと……」
「ああいいんです。よく下に見られますし……」
まさかの成人間際! ミラン君は私の手を払って立ち上がる。
「さあ、もうすぐ最下層です!満腹ですし行きましょう!」
「元気だねぇ……」
皆一段落着いたのか、一斉に腰を上げる。私も立ち上がり、荷を整える。そのまま点呼を取り、再び狭い通路に身を進めていった。
「おいおいおい! 最下層って……もろ溶岩じゃねぇか!」
私達は最深部まで来たものの……問題が起こった。地面は高温で液体と化し、常に熱波が私達を襲ってくる。そう、最下層にどうあがいても行けないのだ。
「こりゃ誰も任務完了できないわけだ……」
ブツブツと皆が独り言を述べていく。ため息、不安、怒り、諦め……それらが立ち込めて渦を成している。
「……皆ぁ!!」
「「!!」」
こういう時は、リーダーらしく、活を入れなきゃね!私は声を張って続ける。
「ここまで私達は成し遂げた。大海原では帝王イカとも戦ったし、山賊とも何組も戦ってきた! それに、こんな深いとこまで来たんだぞ!」
「でも……」
「ああわかってる! でも、ここで諦めたら……っ!」
私はドロドロと溶けた大地へ足を下ろす
「団長!? ダメです!死んでしまいます!」
「グッ……うぁぁぁぁ!!!」
剣を頭上へ上げる。私の足の半分程が溶岩に飲まれているが、そんなことを気にしていては……
「面子が……立たないでしょうがぁぁっ!!!」
「よ、溶岩が!?」
振り下ろされた剣と共に、はびこる溶岩が割られていく。次第には冷え固まり、道ができていた
「リーダー!足が!」
「ふぅ……ふぅ……行くぞ!」
「「「……! ぅおおおおおおおお!!!」」」
私の姿を見て、皆は拳を突き上げた。最高にリーダーっぽいことしてない?私
「……でも、その前に回復薬と再生魔法を」
「ああ、うん……」
「|ᚲᚢᚱᚨᚲᛁóᚾ ᛗáᛉᛁᛗᚨ《クラキオン・マキシマ》」
足にドバドバと回復薬を書けられ、ミケちゃんにそれっぽいことをやられる。みるみると私の足は骨が隠れ、元の姿を取り戻した。
「あと……|ᚱᛖᚷᛖᚾᛖᚱᚨᚲᛁóᚾ《リネゲラティオ》」
ついでにブーツまで直してくれた。一体全体どういう原理なんだ?
「あんま無茶しないでくださいね〜 さ、俺らの熱が冷めないうちに行きますよ!」
「ああ!打倒、バハムート!―――
―――さあ、これから最終章だ」
「流石に溶岩割りは嘘でしょ〜」
「だろうな」
「それに、そんな強くないでしょ」
「何を! ちゃんとぶち割ってやったわ! そこら編のワイバーンくらい楽勝だわ!」
確かにその話は誇張っぽけど…… 団長……いや、エリナさんはグビグビとジョッキを飲み干し、「もうい一杯!」と声を上げた。
「そもそも、そんな熱いのにどうやって冷やしたんですか?」
「それはだな……ミケちゃんに使ってもらってた冷却魔法あるだろ? それを飛ばしたんだよ」
「ミケさん大活躍じゃないですか……」
「まあな、私のパーティーは凄腕揃いだもの! さあさあ、この話のラストを見届けて……いや、聞き届けてくれ!―――
―――何本もの輝く鎖が、羽ばたく轟音と共に大きく揺れている。その巨体にはいくつもの杭と武器が突き刺さり、痛々しい傷を覆っている。
「……お出ましか。よおバハムート!オメェをぶっ飛ばしに来たぜ!」
「グォォォォォッ」
頭が割れるような咆哮に一同はたじろぐ。知能は結構あるようだな。
「……あれと……戦うんッスよね?」
「何度も言っているだろう。 行くぞ!」
弓、槍、大剣……各々が持ち前の得物を構える。ミケちゃんは杖と本を構え、ミラン君は……何も構えていない。
「……行くぞ!」
号令と共に、足音と矢の飛ぶ音、地面と金属がかすれる音が響く。それに答えるように、バハムートは羽ばたきこちらに向かってくる。それに備えて、私もカウンターを狙う
「ぶつかられただけで致命傷だな…… 皆バラけろ! 頭を狙え!翼を狙うのもありだ!」
腕、首、翼、それぞれが巨木を思わせるほどに太く、辺りの溶岩の光を反射する鱗が禍々しく輝いている。一本だけ折れた角と、荒々しく伸びた詰めが、私は怒りと殺意を感じさせる。
「バハムート……」
「……っ危ない!」
呆然と立ち尽くすミラン君へ迫る鉤爪を剣で弾く。重いその一撃は、私の体をしびれさせる。カウンターは無理そうだ
「グッ…… これは……翼だ!翼を狙え!」
弓などがバハムートの翼を襲う。姿勢を崩し、空中でその巨体が揺れる。私も足に力を込めて飛び、バハムートの頭を目掛けて剣を振り下ろす。大きくよろけたバハムートは、徐々に高度を下げていった
「バハムート……苦しんでる! だめです!攻撃しちゃだめです!」
「ミラン君!? 」
ミラン君が再び攻撃の体勢に入った私の腕を掴む、迫る攻撃を防ぎながら、その真意を考える
「……やはり君は……聞こえるのか?」
「はい、ばっちり!」
この子を……ミランくんを連れてきた理由。それはある噂話からだ。
龍と話せ、心を通じれる種族がいたそうだ。なんか……昔、龍と血を交わしたとかなんとか……そんな感じ。とっくの昔に滅んだとかなんとか言われてたらしいが……クロノがある碑石を解読したら……何ということでしょう、彼らはその能力から様々な種族に追われていたため、滅んだということにしておいき、逃げることにしたらしい。瞳孔が縦なのが印っぽくて、探し回ったら……
ミラン君は自身の左前髪を上げる。そこには綺麗な金色の、そして縦に伸びた瞳があった。それに伴って、右目も綺麗な金色に染まる
「なんか……利用したっぽくてごめんね?」
「何をいまさら!むしろ感謝したいぐらいですよ!」
「感謝って……うん、ありがとう。皆!攻撃中止!中止だ!」
「リーダー!? あっと……分かった。」
私の司令からしばらくして、皆の攻撃が止む。それと同時に、バハムートもゆっくりとこちらへ向かってきた。
「団長! このままやれますよ! なんで攻撃をやめろって――」
「いいから、ミラン君に従ってみよう」
ミラン君をバハムートの前へ出し、私達は武器をしまって下がる。あとは……ミラン君に任せよう。
「うん……うん…… 辛かったね。ごめんね……」
小さな一人の少年と大きな龍がその場に静かに居る様子は、まさに異様だろう。
「あいつ……話してるのか?」
「まあカクカクシカジカで……」
私はミラン君の正体を話す。まあベラベラと言っていいものではないだろうけど。
「……それを!先に!言ってください!」
「そうですよ!」
「いやまあ……ミラン君がいじめられたりしないか心配で……あとこの話が漏れたら……」
言い訳を並べるが……本当に申し訳なく思っている。
「……俺らを何だと思ってるんですか! んなことしませんよ!」
「!! ……そうか、そうだな! 本当にすまなかった!」
深々と頭を下げる私を皆が咎める。私も弱く笑いながら、顔を上げる。
「……ん? じゃあクロノ……お前は……俺らを……!」
「ああ、演技だ」
「お前もかよ!」
私達の間で笑いが起こる。巨龍を前にこんな雰囲気になるなんてな、思ってもいなかった。
「……うん、わかった。 皆さん! 鎖と杭、武器をとってください!」
「和平交渉成立ってか。痛くないんだよな?」
「『少女よ、案ずるでない。我からすれば、蚊に刺されるような痛みだ』らしいです!」
そんなやつと私と皆は戦ってたのか…… 今更ながら恐怖を感じる。皆も同じっぽい。……少女ってのは気になるけど。
「さ、やることが分かれば簡単だな! 武器の後に鎖と杭だぞ!」
「「「おおっ!!!」」」
そこからはトントン拍子だった。突き刺さった武器と杭を抜くのは結構大変だったし、鎖も異常に硬かった。バハムートが炎を吐いて柔らかくしてくれたが……いつの間にか共同作業だな。
「……さあ、君は自由の身だ」
ミラン君の言葉とともに、バハムートは天高く飛んでいった。深淵の溶岩では無く、太陽の光を受けたその鱗は、美しく輝いていた。
「えっと……あれを放って良かったんか?」
「『山で静かに暮らす。そちらが側から来なければ、特に手出ししない』と」
「……さあ、帰るぞ!」
私達は再び崖を登って――
「あ、バハムートが乗せてくれるそうです!」
爆風とともに巨体が降ってくる。ありがたいんだけど……加減してほしかったな。
あろうことかバハムートは都市へ向かっていった。そりゃあ騒ぎになって、兵士が戦闘態勢になったが、なんとか説得して落ち着かせた。攻撃しない様子から国王もバハムート、もとい龍を認め、龍とミラン君たち……名称が定まった『龍の民』の真実と存在も公表してくれた。それから龍の民たちとの協力で、世界に封印された龍の解放活動をやったり……まあ別の話だね。私達”朱雀団”はその功績を讃えられて……これも別の話だね。ま、そんなこんなで―――
―――終わり!」
「……なんか、以外にスッキリ終わったな」
「味気ないってか……ホントなの?」
「ほんとだって言ってるでしょ!」
まあ、エリナさんの話が終わったら、いつもこうなるよね……
「その話は本当ですよ」
どこからは優しく高めの声が聞こえる。それは酒場のカウンターの……内側からだった。声の主は美しい白銀の髪を持ち、おでこを見せ、後ろで髪を結んだ……女性?男性?
「そうだよね〜 ミラン君」
「ミラン君だなんて…… 昔のことでしょう。それに、飲みすぎですよ」
「君でもいいでしょ〜 見た目も態度も男の子にしかみえなかったし〜 それに今も胸とかは」
「なんですか?」
「……すいません」
優しい笑みのまま、ミラン君……ミランさんがエリナさんを睨む。その声は確かに女性だ。
「はいはい、」
「……ん? ちょっとまってちょっとまって? ミラン君?」
……ま、こういう反応になるよね。二人の登場人物に挟まれる少年少女は困惑の顔を浮かべる。ミランさんの目は確かに綺麗な金色で、瞳孔は縦になっている。
「本当にミラン君、いや、ミランさんだ……」
「ま、そういうことで、今日の話は終わりだ、散った散った。」
「まじかぁ…… これは信じるしかねぇな…… よし、じゃあな!」
「また明日聞かせてよ!」
酒場に集まっていた少年少女はドアを通って出ていく。
「あ、皆ご贔屓にね〜 ……さ、私もそろそろ寝るか。最後にもう一杯!」
「ほんとに最後ね? どうぞ……」
今日も賑やかな酒場と”龍の巣窟”の看板を背に、私は店を出た。
エリナさんとミランさん。それは、私のような存在を認めさせてくれた、私の英雄だろう。
家についた私は、木のドアを開け、装備や”朱雀団所属”と書かれた冒険者証明証などの荷を下ろし、寝間着に着替える。そして今日も鑑の前に立つ。その目は、金色に光って、縦の瞳孔を持っていた。
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