世界と海と命と次は,
時は20xx年、地球温暖化と海水の増加により人類は絶滅した。
そうして、この地球を新たに支配している生物…
それは、"サメ"である。この物語は、そんなサメ達の物語
「やばい…まずい…早く…はや…く…」
意識が遠のいていく、周りがだんだん暗くなっていく。
尾ひれが、引きちぎれているのか、上手く泳ぐことが出来ない。
「なんなんだ…あいつら…いったい…」
すると遠くの方に何かが光っているのが見えた。。。
赤い光だ。ポツポツと点滅している。が、そこで意識は途絶えてしまった。
ー1年前ー
NIPPONシャークランド。ここは、色んなサメたちが暮らしている場所、そして、舞台は海中学校。
「ジンベイ先生!人間って尾ひれがないんですか??」
そうすごく興味深そうに質問していたのは、この物語の主人公。メジロザメ目イタチザメ科の、いわゆるイタチザメ。"ライザ"だ。
イタチザメは、体に縦縞模様があり、気性が荒く獰猛で、人間が生きていた時代には、人間をよく食い殺していたサメの種類である。
がしかし、この主人公はどうやら他のイタチザメとはちょっと違う様である。。。
ジンベイ先生…「そうじゃよ。尾ひれだけじゃなく、人間というのは、何から何まで違う生き物なのじゃ。まず人間というのは、水中では生きられない生物で、かの昔に、陸という場所でこの地球を支配していた種なのじゃ。」
そう、ライザに淡々と説明しているのは、この学校のライザの担任である。ジンベイ先生、世界最大のサメであり、体長は20メートルにも及ぶ。
ライザ「へぇー!面白いなぁ〜1度見てみたいなぁ〜人間!」
ジンベイ先生「じゃーハッハッハ。私も随分生きてますが、人間にはまだあったことがありませんね。会えるといいですね。」
教室は和やかな雰囲気に包まれていた。。。
???「馬鹿だなライザ、人間なんてこの地球を汚すだけの癌みたいな存在だったんだぞ?俺らの先祖もたくさん、人間に殺された。もし人間が生き残ってんだとしたら、俺が全員噛み殺して二度と繁栄出来ないようにしてやる。」
そう息巻いているのは、まるで全ての光を飲み込んでしまうかのような黒々とした瞳に、身体には大きな痣がある、体長4メートルほどのホホジロザメだ。彼の名前は、ザッツ。少々この学校では問題児として、扱われている。
ザッツが喋り出すと周りのサメ達は、みな一斉に体を震わせて、怯えていた。がしかし、ライザは違った。真っ直ぐなキラキラした瞳をザッツの方に向け、言い放った。
"ライザ"「知ってるよ!だからこそ会いたいんじゃないか!」
黒々とした瞳の中にほんの少し、驚きを見せたザッツだったが、たちまち怒りの表情に変わっていく。鋭い牙を周りに見せ、殺すと言わんばかりに、ライザの方を見て睨みつける。周りのサメたちは、一層に怯え始め逃げ出すサメ達もいた。そしてザッツは言い放つ。
"ザッツ"「人間を見つける前にまずお前から、殺した方が良さそうだな」
鋭い眼光。今にも飛びかかりそうな勢いだった。がしかし、ライザは一瞬の怯みも見せずに、言葉を並べる。
"ライザ"「考えても見ろよ!昔はこの地球を人間が支配していたんだぜ!つまり俺たちサメよりも強かったって事だ!そんなヤツらの能力を手に入れたら、この世界はもっと発展するって思わないか?ほら見てみろよ!あの赤いタワー!」
そうして、ライザがヒレを刺したのは、昔人間が作ったであろう大きな赤いタワーだった。
ライザ"「あんなに大きなものを作ったって言うんだぜ!どうやって作ったのかを知りたくないか??」
そういうと、ザッツはタワーの方を見た。すると何やら赤い光が点滅していた。ライザもそれに気づき、目を細めて見ている。しかし、ほかのサメ達は気づいていない。ジンベイ先生も、早く授業に戻りたそうにしているだけだ。
ザッツ"「もしかしたら、人間かもしれねぇな」
不敵な笑みを浮かべて、ザッツはライザに問いかける。
ザッツ"「おい、ライザ。もしかしたらあそこに人間がいるのかもしれねぇな。ここでひとつ俺と勝負しねぇか?最初に人間を見つけた方が、人間を好き勝手できるってルールにしようぜ」
と淡々と説明していた、ザッツだったが、ライザは全くそれを聞いていなかった。そして、目を輝かせたライザは、教室の窓をくぐり抜け、赤い光の方に物凄い速度で泳いで行った。
ザッツ"「おい待てよ!ライザ!てめぇ!」
ーーーー1話完結ーーーー
いったい赤い光とはなんなのだろうか、人間なのだろうか、期待を寄せて二匹が向かった先に待ち受けているものとは。