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最強最高の空間魔術師〜魔王討伐者、学院に通う〜  作者: 潮騒
第1章 空間魔法の使い手
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寮の一幕



 俺とフランとリラは一緒に寮に向かった。寮は男子も女子も同じ建物だが、左右で男女が分かれている。右が男子寮、左が女子寮だ。


「へ〜、結構大きいんだね〜」


「学院の生徒は全員この寮に住んでるからな。まあ、こんなに大きくても一人一部屋じゃないからな」


「一、二年生は相部屋、三年生は一人部屋。だから三年生にならないと自分の部屋はもらえない」


「リラちゃんもよく知ってるね」


「下調べは完璧にするのがモットーだから」


 意外にもリラは俺と同じタイプのようだ。やはり下調べは大事だよな。


「よし、とりあえず入るか」


 俺たちは寮の中に入った。


◇◇◇

 

 寮は一階に広場があり、ここが寮の中で唯一左右が繋がっている場所のようだ。二階以上は繋がっていない。また、広場の奥に学生食堂がある。朝と夜はここで済ませることができる。


「うん、いいつくりをしてるな。木材と鉄骨のバランスがいい。長持ちしそうだ」


「いや、見るとこ絶対にそこじゃないでしょ。もっと内装とか見ようよ!あのシャンデリアとかさ!」


「うん、確かに」


「でしょ!リラちゃん!」


「これはシーヴァールの木かな。高級木材を使うなんて、さすが王都一、二を争うほどの有名校」


「もー、リラちゃんまでぇ〜」


 その後、俺たちは別れて自分の部屋に向かった。一、二年のうちは相部屋だから少し緊張するが、せっかく同じ部屋なんだから仲良くしたいな。


 俺は自分の名前が書かれた部屋に入る。そこには俺以外に二人の名前が書かれていた。


 中に入ると既に一人生徒がいた。彼が同じ部屋の一人だろう。


「お、君もこの部屋か。よろしくな」


「ああ、そうだ。よろしく頼む」


 そう言って俺は先に部屋にいた彼と握手をする。


「俺はハンス=フェリックスだ。ハンスでいいぞ」


「俺はナーガス=エアリアだ。俺もナーガスでいいぞ、ハンス」


「おう、分かったぜナーガス」


 ハンスはとても人当たりの良さそうな好青年みたいだ。仲良くできそうで何よりだ。


「もう一人はまだみたいだな」


「ああ、先に俺は用意したからナーガスも先に用意しといたら?」


「ああ、そうするよ」


 俺は事前に送っておいた荷物から必要なものを取り出し、後は自分のタンスに入れておいた。


「そういや俺とナーガスって同じクラスだよな」


「う、うーん、悪いが分からない。俺はAクラスだが……」


「あ、じゃあ同じだ。俺もAクラスだぜ!」


「お、なかなかやるじゃないか」


「へへーん、まあざっとこんなもんよ」


 どうやらハンスと俺は同じクラスだったらしい。本当に悪いんだが、全く記憶になかった。


 そんな会話をしているとガチャッと扉が開いた。最後の一人が来たみたいだ。


「し、しし失礼しますッッ!!ぼ、僕は!ローラン=セルレードと申しますッッ!よよ、よろしくお願いしましゅ!!」


 何故か最後の一人はとても緊張してるみたいだ。めちゃくちゃ言葉が詰まってるぞ。


「お、おう、よろしくな、ローラン。俺はハンス=フェリックスだ」


「同じく俺はナーガス=エアリアだ。よろしく頼む」


「は、はいッッ!よろしくお願いします、ハンスさん、ナーガスさん!」


「いや、さん付けしなくていいぞ。俺らは同い年なんだしさ」


「ハンスの言う通りだ。それに敬語も使わなくていいぞ」


「そ、そうですか?分かりました……じゃなくて分かった、ハンス、ナーガス」


 少しは緊張も和らいだらしい。こっちとしてもさすがに同い年に敬語を使われるのはあんまりだからな。よかったよかった。


 その後、俺たちは自分たちのことを話したり、ベッドの場所を決めたりした。同い年の友達なんてなかなかできる機会がなかったので俺も嬉しかった。


 そして俺たちは広場に降りた。特にすることもなくなったので食堂に何かを食べに行こうという話になったからだ。時刻は昼過ぎ。ちょうどいい頃合いでもある。


「食堂かー。どんなメニューがあるのか楽しみだな!」


「僕はご飯ものが食べたいな〜。ナーガスは?」


「俺はその場で決めるタイプだからな。行ってから決めるとしよう」


「お、俺も同じだぜッ!」


 ハンスはそう言って指をパチンッと鳴らす。これは彼の癖なのだろうか。


 広場まで行くと多くの生徒が食堂に集まっているのが見えた。やはりこのぐらいの時間が一番混むのだろうな。


「いやー、人がいっぱいだな。もう少し時間をずらすべきだったか?」


「仕方がないさ。だが、それにしても多いな。少しそこで座ってるか」


 俺はそう提案して広場にあるソファーを指差す。ハンスもローランも俺の提案に乗ってくれたので、そこで一旦待つことにした。


「あ、ナーガスーー!」


 ソファーに座るとすぐに遠くから俺を呼ぶ声がした。この声はフランだな。


「ナーガスも食べにきた?」


 フランと一緒にリラも来ていたみたいだ。そして二人にくっついてもう一人女子がいた。


「ああ、そうだ。ちょうど腹が減ったと思ったら、他のみんなも同じ考えだったらしい」


「私たちと一緒だねぇ〜。あ、そうだ。私たちね同じ部屋だったんだよ!」


 フランとリラは同じ部屋だったらしい。ということはもう一人の女子もかな?


「そして彼女も私たちと同じ部屋だったんだ!」


 そう言ってフランはその女子をぐいっと前に押す。その子は「ひぇぇ……」と言いつつも、自己紹介をしてくれた。


「ど、どうも、ニーナ=ランゲールです……。よろしくです……」


「俺はナーガス=エアリアだ。よろしく頼む、ニーナ」


「それはそうとナーガス、そっちの二人はナーガスと同室の人?」


 フランがそう聞いてきたので、俺は二人に自己紹介するように促した。


「俺はハンス=フェリックス。よろしくだぜ!」


「僕はローラン=セルレードです。よろしくお願いします」


「私はフラン=ノーツ。よろしくね!」


「リラ=アーロン。よろしく」


 全員の自己紹介が終わったところで、食堂の人間が少しずつ減ってきたので、俺たちは中に入ることにした。


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