運営の仕事
ある日の放課後、俺は生徒管理委員会の教室にいた。相変わらず、そこには俺以外にはソフィア先輩しかいなかった。
「やはり後輩くんしか来ませんでしたわね。仕方がないです、始めましょうか」
「呼んだりしないんですか?」
「呼んだら来るのであれば、いくらでも呼びに行きますわ。もう……諦めましたわ」
「た、大変ですね……」
「はい……。まあ、今は後輩くんがいてくれることが唯一の救いですわ。それでは始めますわね」
「はい」
「今日は王国魔術祭の運営に関して連絡しますわ。今年も私たちは裏方の仕事……主に舞台の設営やトーナメントの決定、当日の警備などを担当します。表に出る仕事は全て生徒会の連中に丸投げしますので、そこのところよろしくお願いしますね」
普通に丸投げって言ってるし。大丈夫なのだろうか。というか仕事の内容が全体的に雑用なのは否めないな。
「いつからやるんですか?」
「えー、来週からですわね」
「ちなみに王国魔術祭っていつからですか?」
「……はぁー、再来週ですわ」
ソフィア先輩にため息をつかれてしまった。やはり情報は集めておくべきだったか。
「当日はおそらくほぼ全ての仕事を私たち二人でこなすことになります。なんとかして他の方々にも協力させますが……期待はしないでください」
それで生徒管理委員会の会議のようなものは終わった。生徒管理委員会に入ったので仕事はちゃんと全うしたいところだ。
◇◇◇
寮でハンスとローランの3人で話していた。話題はもちろん王国魔術祭のことについてだ。
「その後の経過はどうだ、2人とも」
「まあまあだな。ハンスは」
「僕もこれといって成長はしてないかな」
「まあ、再来週までは時間があるし、この間に何か掴めるといいな」
「そうだな……」
「頑張りますね」
「それはそうと、ナーガス!お前、最近女子と一緒にいるらしいじゃねえか!」
「むむっ!その話を詳しく!」
おそらくはルーナにまほうを教えているところを見られたんだろう。まあ、別にどうってことはない。
「少し魔法を教えててな。それぐらいは俺にもできるから」
「そうだな。お前、入試1位だもんな」
「さすがです」
「なんなら2人にも教えようか?」
「まじで!?」
「いいんですか!?」
「うん、時間があればだけど」
「全然ある!ありありだぜ!」
「お願いしてもいいですか!」
「ああ、いいぜ」
こうしてハンスとローランにも魔法を教えることになった。2人にも一生懸命頑張ってもらおう。
 




