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最強最高の空間魔術師〜魔王討伐者、学院に通う〜  作者: 潮騒
第1章 空間魔法の使い手
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イザベラさんの提案



「うーん……」


「ど、どうですか?」


「ダメだ!さっっぱり分からん!!」


 イザベラさんの家に戻った俺たちは俺の体の解析結果を聞いていた。まあ、結果は謎が残るものとなったが。


「先生、それって全部の観点から調べたんですか?」


 フランはイザベラさんのことを先生と呼んでいるみたいだ。親しい関係なんだな。


「ああ、私が調べれる限りは調べたが……やはり結果は同じ。呪いの効果で魔力はゼロだし、独自魔法(ユニークスペル)だけは使えることも分からないし。これは時間をかけて調べるしかないかもな」


「そうですか……。ありがとうございます」


「そこで一つ提案なんだが……」


「何ですか?」


「学校に行ってみる気はないか?」


「学校?また何でですか?」


「理由は三つだ。一つは新たな知識が欲しいことだ。私は一応それなりの知識を持っているという自負はある。だが、それにも限りはある。だから新しい知識が欲しいのだが、私には学ぶ術がない。だから君に学校で新たな知識を学んできてほしい」


「なるほど……二つ目は?」


「二つ目は社会勉強だ。君は幼い頃から特殊な環境で過ごしすぎている。ある程度の常識は知っているだろうけど、それでもまだまだ足りない。だからそれを学んできてほしいのが二つ目」


「じゃあ三つ目は?」


「三つ目は……まあ、完全に私のエゴなのだが、少し羽を伸ばして欲しいという気持ちだ。学校では友を作ったり、学んだ知識を生かして研究したり、だらだら過ごしたり、とにかく自由にいてほしい。体と心をしっかり休めてほしいというのが最後の理由だ」


 最後の理由は意外だったな。まさかそんな理由があったなんて……ってそれはイザベラさんに失礼かな?声には出さないでおこう。


「異論があるなら聞くが……」


 まあ、特にすることもないし、かといって俺ではイザベラさんの研究の手伝いは出来ない。ここは素直に従っておくのがいいかな。


「いえ、学校に行くことにします。少し憧れでしたから、学校って」


「そうか……良かったな、フラン?」


「え?」


「う、それを言わないでよぉ〜、先生ぇ〜」


「ど、どういうことですか?」


「実はフランは王都の学院に『入学しないか?』と言われているんだ。まあ、魔王討伐の一件もあってだろうな。ちょうどフランも今年で16になることだし」


「私は別にいいって言ったんだけど、国王様からも行けってうるさくてね。つい了承をしちゃったの」


 なるほどな。そういうことなら良かった。フランがいるなら心強い。俺も一人というのは寂しいからな。


「じゃあこれからも一緒だな!」


 俺がそう言うと、フランの顔が少し赤くなった。何でだろう?


「おいおい、顔が赤いぞ?」


 イザベラさんも同じことに気付いて指摘をする。ただ言い方が心配している感じゼロなのが気になるけど。


「うるさいですよ!先生!」


「ま、頑張れよ、フラン」


 二人が何の話をしているのかよく分からないけど、何かを頑張るのだろう。フランには色々と感謝しているので応援したい。


「そ、それはひとまず置いといて、私はともかくナーガスは手続きが必要なんじゃないですか?」


「その心配はいらない。私はその学院の理事長と少し知り合いでな。電話で手続きを済ませておこう」


 なんと!そんな繋がりがあったのか。さすがイザベラさんと言うべきか。


「ちなみに入学するにあたって入学試験があるのだが……まあ、筆記試験のみだから君なら大丈夫だろう」


「あ、そうなんですか……。まあ、イザベラさんがそう言うなら大丈夫なんでしょうけど。フランは入学試験は受けないよな?」


「それが受けないといけないらしくてね。なんでも一応形だけでもちゃんとしておきたいんだって。まあ、受かると思うけどさ」


 そっちから誘っておいて面倒だな。あの国王はどこか爪が甘いんだよな。


「そうか、なんか大変だな……」


「うん、まあ頑張るよ」


 まあ、フランなら大丈夫だろうから良しとするか。これで落ちたら……いや、縁起の悪いことは考えないでおこう。


「よし!なら私は早速連絡をしてくるとしよう。君らは夕食を頼めるかな?」


「はい!」


「了解です、先生!」


 こうして俺は学校に行くことに決めた。入学は確定ではないが、筆記試験は大丈夫らしいので特に勉強はいらないだろう。


◇◇◇


「ふう……なんとか上手くいきそうだな……」


 私は自分の部屋の写真を見る。そこには自分ともう一人、若い男性が写っている。彼の歳はナーガスと同じくらいだろうか。ちなみに私は20歳ぐらいだ。


 私は写真を見る度に彼との約束を思い出す。そして現在、その約束を果たしている最中だ。少し強引だったかもしれないが、人のいい彼なら信じてくれただろう。少し心苦しい気もするが、それも彼のためなのだ。


「ふふ、やはり歳が近くなると顔や体格も似てきたな……っといけない。電話をかけなくてはな」


 私は電話を手に取った。


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