エピローグ
エピローグは会話無しで進めるつもりです。
ナーガスの決意
何が善で、何が悪なんて誰にも分からない。
俺にとっての判断基準は兄の教えであり、それが絶対的なものだと信じてきた。
だけど、そのせいで俺の大切な人たちが傷つけられた。守れなかった。あまつさえ、傷つけられていることさえ知らなかった。
あの時、俺が許せなかったのはランドールたちだけじゃない。自分にも腹が立っていた。全部、全部全部俺のせいなのに。
だから俺は決めた。これから先はどんなことがあっても、俺が信じた人たちだけは守る。たとえ、自分の命が散ろうとも。
◇
フランの想い
やってしまった……。また彼に辛い思いをさせてしまった。ただでさえ彼は魔力を失い、先のことが分からなくなっているのに。それなのに私のせいで……。
私って役に立たないのかな?ランドールにも負けたし、迷惑かけてばかりだし。もっと頑張らないと……。
先生は私に色んなことを教えてくれた。その教えを私はしっかり覚えている。どんな時でも私は教えに従っている。もちろん両親からもたくさんのことを教えてもらったが、先生は特別だ。
先生が一番口うるさく言ってたのは、人はそう簡単に変わらないということだ。善良な人間は本当に悪い行動はしないし、根が腐っている人間は何をしようと善い人間にはならない。この世はそう決まっている。
だから私は見極めなければいけない。彼の周りの人間が善い人間か、悪い人間か……。それが彼のためだから。
これにて一章は完結となります。次回は二章です。
 




