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最強最高の空間魔術師〜魔王討伐者、学院に通う〜  作者: 潮騒
第1章 空間魔法の使い手
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告げる真実



 俺は保健室でフランを寝かせた。傷は回復魔法で完治させたから、あとは目覚めるのを待つだけだ。


「う……んん……、ナー、ガス?」


「フラン!目を覚ましたか?」


「う、うん。ここは……保健室?……そうだ、私ランドールに負けて、それで……」


「もう大丈夫だ。何も心配しなくていい。全部終わらせた」


「そう……。ごめんね、迷惑かけちゃって」


「迷惑だなんて思ってないさ。フランは俺のために動いてくれた。それだけで俺はとても嬉しい。ありがとう」


「気にしないで!私がやりたくてやったんだから、お礼なんて……」


「俺が言いたいんだ。二人とも本当にありがとう」


 少しの沈黙の後、リラが口を開いた。


「それで二人は何者なの?同級生に比べて、異様に魔法に精通してるというか、何というか」


「えっと、それはね、うーんと……」


「なあ、フラン。リラには話そう。昔の話を」


「……そうだね。リラちゃんなら信用できるよ」


 ということでリラには魔王討伐の経緯を話した。魔王討伐のために何人もの魔術師が集められたこと、その中に俺とフランがいたこと、結果として俺とフランだけが生き残ったこと、その時俺が受けた呪いのこと、真実を包み隠さず話した。


「じゃあその呪いのせいでナーガスは魔法が使えないんだね」


「その通りだ。そして俺がこの学院に来たのは、魔力がないのに独自魔法(ユニークスぺル)が使える理由を調べるためだ」


「それでナーガスはこれから魔法のことはどうするの?」


「今まで通り、使えないってことでいいかな。魔法の授業はなんとかするってことで」


「もう、ナーガスは本当に考え方が甘いんだから」


「大丈夫だって。……それで、今からする話は二人に向けてするんだが……」


「なに?」


「何か分かったの?」


「もしかしたら十帝魔将軍(じっていましょうぐん)が存在するかもしれない」


「な!?それって本当なの?」


「確定ではないが、可能性は高い。ランドールの元に奴らの決まり文句を残したらしいからな」


「やっぱりランドールは魔物と関係があったんだね」


「気付いてたのか?」


「魔力が少し変だったの。その時は魔物と関わりがあるなんて思いもしなかったけど」


「ね、ねえ、話についていけないんだけど」


 ついうっかりリラを置いてけぼりにしていた。ちゃんと説明しないとダメだな。


「十帝魔将軍というのは魔王直属の十体の将軍のことだ。それぞれが能力を持っていて、とても強い。だが奴らは魔王を斃せば消滅すると言われていた。だから俺たちは奴らを無視して魔王を討伐したんだ」


「でもそいつらが消滅してなかったかもしれないってことか。じゃあ魔王はどうなの?」


「魔王はいない……はずだ。絶対に俺がこの手でとどめをさしたが、万が一があるかもしれないと思えてきた。これもしっかり調べないと」


「私も頑張って調べるよ。それとイザベラさんにも伝えないと」


「そうだな。今度一回帰るか」


「そうだね」


 ひとまず俺たちのこれからの方針は決まった。俺の呪いについて調べるとともに、魔王と十帝魔将軍のことも調べる。ひとまずは知識を蓄えないと。


◇◇◇


 あーあ、ランドールが負けちゃったか。でも予想通り面白かったな。やはり彼が最強の、空間魔法の使い手だったか。


 彼のことを今度直接見てみたいところだ。どれだけ強いのか、私に勝てるのか。そうだ、()()()()とどっちが強いか比べてみたいところだな。


 ああ、楽しみだ……。


「ククッ、アハハハハッッッ!!!」


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