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最強最高の空間魔術師〜魔王討伐者、学院に通う〜  作者: 潮騒
第1章 空間魔法の使い手
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情けは皆無



 これまでランドールに感じた違和感。なぜこいつはいきなり第4位階や第5位階の魔法が使えるようになったのか。


 こいつは魔物に魂を売ったのだ。そして魔物になった。魔物になれば、人間の時とは比較にならないくらいの魔力を得ることができ、さらに魔法構築式が無くとも魔力があれば魔法を使えるようになる。


 ただし人間にはもう二度と戻れない。今はまだ理性があるようだが、時間が経てば心まで魔物になる。そうなればこいつは人を襲い続けるだろう。だから今ここで俺が終わらせてやる。


「フひッ、フヒゃひゃヒゃひゃヒャひゃ!!ザンネンだなァ!!オまえはココでおワリだぁぁ!!」


 奴の手が8本に増え、その手の先から様々な魔法が発動される。そのどれもが第6位階魔法であり、それを止めるのは至難の技だろう。空間魔法が無ければ、の話だが。


「シねぇェェェェ!!!!」


 俺は8つ魔法の軌道上に空間の穴を開ける。そしてその先をランドールの真ん前に繋げる。


 魔法が穴の中に入ると、当然の如くランドールに直撃する。


「ガぁぁァァァ!!!」


 だがダメージはあまり通っていないようだった。やはり魔物には耐性があるようで、弱点の魔法を当てないと有効な一手とはなり得ないらしい。


 今ランドールが発動した魔法の属性は炎、水、風、闇の4種類を2つずつだ。だから弱点はこれ以外となる。


轟雷の槍(ライトニングランス)


 雷の槍が俺の手から現れる。だが、この1本だけでは少し物足りない。ということで99本増やして100本にした。これだけあればいい具合だろう。


「いけ」


 俺の声と共に雷の槍が一気にランドールの方へ向かっていく。流石に相手の魔法を操作するのは無理だが、自分の魔法なら操作するくらい造作もない。


 だが、槍たちはランドールの一歩手前でその動きを止めた。そこからは何をどうしようともビクともしない。だが奴からは魔法を発動している気配はしなかった。


 考えられる可能性は一つ。独自魔法(ユニークスペル)だ。ランドールは独自魔法(ユニークスペル)を使えるようになった、これが一番あり得る可能性だ。そしてランドールに独自魔法(ユニークスペル)を与えたのはおそらくランドールを魔物にした奴だろう。


 俺は槍を操作して後方からも攻撃させる。しかし後方にも何か壁のようなものがあるらしく、攻撃は通らない。


「フヒッ、フヒャヒャヒャヒャヒャ!!!キカナイ、キカナイゾォォォォ!!オレノ『ケッカイマホウ』ハ、ダレダロウト、ヤブルコトハデキン!!」


「結界魔法?」


 特に聞いたこともない魔法だ。だが結界とはあの結界のことだろう。ランドールの周りに結界が張ってあるせいで、俺の魔法は通らない。


 普通ならなんとかして結界を破ることに勤しむのだろうが俺は違う。なぜならここは空間魔法の支配下なのだから、結界なんて無いに等しい。


 俺は自分の目の前の空間と結界の中の空間を繋げる。結界とはあくまでその外と中を隔てる壁なだけであって、空間に干渉することはできない。


 繋げた空間に雷の槍を入れて、ランドールに攻撃する。


「グガァァァァ!!!」


 どうやら効いているみたいだ。ということは奴の弱点は雷ということになる。


 それが分かった俺は第9位階魔法の発動準備をする。強い魔法を発動するためには少し時間を要する。その間に攻撃されては元も子もないので、俺は先に発動させた雷の槍を何度もぶつけることで攻撃の隙を与えさせない。


「グ、ジャマダァァァ!!!ドケェェェェェ!!!」


 そうしてランドールが手こずっている間に、俺は発動の準備を終える。そしてそのまま発動する。


「終わりだ、終末の稲妻(ターミナルエクレール)


 全てを壊すほどの大きな稲妻がランドールへと落ちる。だが、このままでは結界魔法に阻まれてしまうので、結界を躱すように空間を繋げる。ランドールは結界を張り直す余裕が無いほど、雷の槍に攻撃されていた。


 そして稲妻がランドールの元に落ち、耳を塞ぎたくなるほどの断末魔が聞こえた。


 俺はやるべきことを終えたので、空間魔法を解いた。


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