調査と授業
今日は短いです!
翌日の朝、俺は魔物の進入事件について詳しく調べることにした。ということで昨日の朝に隔離しておいたリングを見に行った。
リングは正常に作動したらしく、隔離した空間内に犬型の魔物が大量に出現していたが、数が多すぎたために身動きを取ることができないみたいだった。
他のリングは事件後すぐに回収しておいた。見たところ、一度停止すればもう起動することはないと分かったので、またイザベラさんの元に持っていくことにした。
俺はひとまず隔離空間内にいる魔物を斃して、リングを回収した。
◇◇◇
「皆さん、本日から魔法の授業が始まります。この後すぐなので準備をしておいてください」
朝の連絡でイツキ先生がそう言った。どうやら始まってしまうらしい。さて、どうしたものか……。
ひとまず準備をしつつ、授業が始まるのを待っているとフランがやってきた。
「ねえ、ナーガス。大丈夫なの?」
フランは周りを気にしているのか、小声で話している。
「ん?何がだ?」
「何って魔法の授業だよ!もし実技とかあったら……」
「まあ、その時はその時さ。何とかするよ」
「何とかって……」
「ほら、そろそろ始まるぞ」
「もう、何かあっても知らないからね!」
フランは自分の席に座った。彼女が俺のことを気にかけてくれるのは嬉しい。だが、俺のことで迷惑はかけられない。
俺のことは俺自身で片を付けなければ。
そうして少し経つと授業が始まった。魔法の授業はイツキ先生が担当するらしい。
「まずは魔法の種類について説明しましょう。皆さんは魔法に順序がついていることを知ってますよね?大体の人は第2位階魔法は使えると思います。もしかしたら第3位階魔法を使える人もいるかもしれません」
ふむ、この年代は第2位階魔法が普通なのか。俺とフランは一応最高の第10位階魔法はいくつか使える。ちなみに昨日フランが使った『雷撃の矢』は第3位階魔法だ。
「ただ魔法を使うには魔法構築式をしっかり理解しておかないといけません。魔法構築式は位階数が上がるほど難しくなります。また、魔法構築式の理解が本来の意味ものとは違うと、その効果や威力も変わります。例えば実際の魔法構築式は炎の矢という言葉を表しているのに、炎の弾と理解してしまうと、その魔法はうまく発動しません」
魔法構築式は厄介であり、複雑でもある。魔術師が伸び悩みを感じてしまう原因の一つでもある。ただ一度理解すれば後は楽という点もある。俺は兄から教えられたので楽に理解ができた。
「さあ、それでは実際に魔法を使ってみましょうか」
……やはりきてしまったか。さて、どうしたものか。




