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最強最高の空間魔術師〜魔王討伐者、学院に通う〜  作者: 潮騒
第1章 空間魔法の使い手
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自己紹介と身体能力測定



 寮の食堂で朝食をとった後、俺たちは学校に向かった。ハンスとは同じクラスだが、ローランはCクラスなので途中で別れた。


「じゃ、また後でな」


「放課後会おうぜ」


「うん、またね!」


 俺とハンスはAクラスに向かった。


 

 教室に入るとフランとリラがいた。俺たちは挨拶をして席につく。


「ねえねえ、ナーガス。今日何するか知ってる?」


「いや知らないな。持ち物に体操着があったから体を動かすんだろうけど……ハンスは知ってるか?」


「うーーん、分からんなー。リラさんは?」


「知らない」


 リラも首を横に振って答える。まあ、そもそもフランが知らないならリラも知らないと思うけどな。ハンスはなんでリラに聞いたんだ?


「まあ、そのうち先生も来るだろうし待ってようよ」


 俺はハンスに疑問を抱きつつも、フランにそう答えた。というか先生に聞くのが一番だろう。


「そうだね。ちょっと待ってるよ」


 そうして少しすると、イツキ先生が教室に入ってきた。


「皆さんおはようございます。席についてください」


 立っていた生徒もゾロゾロと席に座り、先生の話を聞く。


「本日の予定は自己紹介と身体能力測定になります。まずは自己紹介をパパッと済ませちゃいましょう」


 イツキ先生は手を叩きながら笑顔でそう言った。自己紹介の順番は成績順ということで俺が最初だった。その場に立ち上がって自己紹介をする。


「えー、ナーガス=エアリアといいます。よろしくお願いします」


 俺はペコっと一礼をして座った。同時にクラス内から拍手が聞こえた。


「次、フランさん」


「は、はい!フラン=ノーツです!よろしくお願いします!」


 そして次々と自己紹介をしていく。俺は自己紹介の時間となった時、心の中で密かにガッツポーズをした。なぜならようやく彼女の名を知ることができるからだ。そう、フランに宣戦布告した彼女の名を。


 ようやく彼女の番が回ってきた。彼女はスッと立ち上がる。


「リーリア=ホークザスです。よ、よろしくお願いします」


 リーリア……か。うん、なんか心のモヤモヤが晴れた気がする。


 俺がリーリアの名で感動していると、いつの間にか自己紹介が終わっていた。教壇でイツキ先生が話している。


「これで全員終わりましたね。では身体能力測定に参りましょう。皆さんは着替えて外に出てください」


 俺たちは言われた通り、体操着に着替えて外に出た。身体能力測定では5種目において、生徒の実力を測るらしい。


「まずは50m走です。こちらも成績順に走りますので呼ばれたら来てください。ではナーガスくん」


「はーい」


 俺は意外と運動神経には自信がある。魔術師といえど動かなければいけない。だから昔から体力作りは積極的に行ってきた。その付随効果で足が速くなったり、跳躍能力が高くなったりした。


「いちについて、よーい、どん!」


 完璧なタイミングで走り出す。そして少しの無駄もない走りを繰り広げ、なかなかの好タイムでゴールしたと確信した。


「ふー、何秒ですか?」


 俺は記録係の先生にタイムを聞く。だが、記録係の先生はストップウォッチを見たまま動かない。


「えーと、何秒でしたか?」


「あ、ああ、ごめん。えと、4秒48だね……」


 うむ、4秒48か。少し遅くなったな。やはり一ヶ月眠っていたせいかな。これから少しづつ戻していかないと。


 ふと記録係の先生の方を見ると、俺のタイムを見ながらまだ何かブツブツ言っている。「測り間違いか……?いや、でもそんなはずは……」など言っている。やはり遅すぎたのだろうか。


 俺がみんなの元に戻るといの一番にハンスが俺のところに来た。


「おい、ナーガス!お前、なんだあの走りは!やばすぎだろッッ!!」


 うーん、やはり遅すぎたか……。このままでは馬鹿にされてしまうかもしれない。次の種目で挽回しないと。


「そうだな。俺自身、反省してるよ。大丈夫、次の種目はもっといい記録を出すさ」


「はぁぁーー。お前な、なんか勘違いしてるだろ?」


「ん?何がだ?」


「ちょっと他の人の走りを見ててみ?」


 そう言われたので、俺はちょうど今走るところだったランドールに注目する。ランドールはイツキ先生の声とほぼ同時にスタートする。が、その結果は俺よりも2秒ほど遅い結果になった。調子が悪いのだろうか。


「うん、ランドールは少し遅いな……。体調が悪いのか?」


「ちげーよ!!お前が早すぎるんだよッッ!!」


「え?」


 俺は驚きを隠せずにもう一度聞き返す。あんな程度が早いなんて思えなかったからだ。


「だーかーらー、お前が早すぎるんだよ!あんなに速く走るやつ、この世で見たことも聞いたこともねーよ!!」


 あー、そういうことか。俺って普通じゃないんだな。ということは……この先の種目も自重が必要かもしれない。


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