表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
最強最高の空間魔術師〜魔王討伐者、学院に通う〜  作者: 潮騒
第1章 空間魔法の使い手
1/33

プロローグ



「はあぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!」


 俺の斬撃が魔王エインフォースの心臓を貫く。とうとう俺は魔王の討伐に成功した。


「ぐっ、これで終わると思うなよッッ!人間ッッ!!!」


 魔王エインフォースが最後の捨て台詞を吐いて消えた。俺は力を全て使い果たしてその場に倒れ込んだ。


 

 俺ーーナーガス=エアリアは弱冠15歳ながら魔術師界隈で世界最強の魔術師と言われている。それは俺の得意な魔法に由来する。


 俺は世界で唯一空間魔法が使えた。世界で自分だけしか使えない魔法を独自魔法(ユニークスペル)と言い、独自魔法(ユニークスペル)を持っている魔術師は一流の魔術師と言っても過言ではない。


 そんな独自魔法(ユニークスペル)の中でも、俺の空間魔法は頭一つ飛び出ていた。要するに最強ということだ。


 まあ、本来は俺のものではないのだけれど……。



「ナーガスー!!」


 向こうから走ってくる少女、彼女はフラン=ノーツだ。一緒に魔王討伐に来た仲間で、魔王討伐において俺以外の唯一の生き残りだ。


「フラン、もう終わったぞ」


「はぁ、はぁ、やったね!ようやく……ようやく倒せたね!」


 彼女は回復役を担っていたので少し離れた場所にいたのだ。それで彼女は助かったのだが、助けることができなかった仲間のことを思って悔やんでいるようだ。


「ああ、やったな。ようや、くッッ!!??」


 急に胸のあたりが激しく痛くなってきた。服をまくって見てみると、胸に謎の紋様が浮かんでいた。


「こ、これって、呪いじゃないッッ!?」


「の、呪い……?」


 俺はそっち方面は詳しくないのであまり分からないのだが、フランは解呪も得意とするのでこの呪いのことも知ってるらしい。


「この呪いは多分ーー」


 フランがそう言いかけたところで俺の意識は消えた。


◇◇◇


 (まぶた)は閉じているが、妙に眩しく感じて目を開ける。そこは見知らぬ景色だ。寝起きで働かない頭を総動員して俺は思い出す。


 俺は魔王を討伐した後、その魔王によってかけられた呪いによって気を失ったのだ。だが、今は知らない家のベッドの上にいる。フランが運んでくれたのだろうか?


「おや、目を覚ましたか。気分はどうだ?」


 部屋の扉が開くと同時に見たことのないほど綺麗な女性が入ってきた。どうやら向こうは俺を知っているらしい。


「む、なぜ私の問いに答えないんだ?まさか呪いのせいでもないだろう」


 しばらく見惚れていたらそんなことを言われてしまった。俺は慌てて返事をする。


「あ、すいません。つい、見惚れてしまって」


「私なんかを褒めたところで何も出ないぞ?ましてやお世辞なんてお断りだ」


(別にお世辞ではないのだけれど……)


 そうは思ったものの、今は何と言っても言い訳に聞こえてしまいそうなので、別の話題に切り替えることにした。


「あの、ここはどこですか?それとフランは……」


「そうだな、まずは自己紹介からしよう。私はイザベラ=ファールス。研究者を生業としている。君の仲間、フランは私の弟子だ」


「え!?あなたがあの『天才イザベラ=ファールス』ですか!?」


「まあ、別に自分から言い始めた訳ではないがな」


 イザベラ=ファールスといえば、この世界で知らない者はいないほどの有名人だ。魔法工学、魔法力学、魔法量子学など、数々の分野において新たな法則を見つけ、その都度論文を発表し、世界を騒然とさせてきた。また、呪いの研究もしており、フランは彼女から直々に回復や解呪について学んだそうだ。


「じゃあ、次に君がここに来た経緯を話そう」


 それから俺は気を失った後の話をイザベラさんから聞いた。


 フランは魔法を使って、俺をイザベラさんの元に運んだらしい。彼女は呪いの特定まではしたのだが、自分だけでは解呪が出来ないと判断したそうだ。


 イザベラさんは運ばれてきた俺の体をすぐに調べて、フランの意見と一致したので解呪を試みたらしい。だけど、なかなかに強力で今すぐに解呪とはいかなかったそうだ。よって、俺の胸にはまだ紋様が残っている。


 その後、俺は目覚めずに一ヶ月が過ぎたらしい。今日は魔王を討伐した日からちょうど一ヶ月後ということだ。


「それで僕にかけられた呪いというのは……?」


「君にかけられた呪いは『消滅の呪い』。対象の魔力を全てゼロにする呪いだ」


「へっ?ということは僕は魔法を?」


「ああ、使えない。魔術師にとっては辛い現実だがな」


(そうか、俺はもう魔法が……)


「すぐには受け入れられないかもしれないが、そのうち慣れていくさ。さて、私は研究に戻るよ。何かあったら言ってくれ」


 そう言うとイザベラさんは部屋を出ていった。おそらく俺を一人にしてくれたのだろう。この現実を受け入れるために。


 だが、正直言うとそこまで落ち込んでいない。今まで使えたものが使えなくなるという不便さはあると思うが、戦わなくてよくなったのは嬉しい。別に好き好んで魔王討伐に参加していた訳じゃないし、命は大事だしな。


 といっても少し気になったので小さな魔法を発動しようとする。だが、やはり魔法は出ない。まあ分かっていたけどな?


 そして俺は何の気もなしに空間魔法を発動してみた。ただ癖で発動したというか、特に意味はなかった。でもそれが俺の人生を再び変えた。


「えっ!?」


 なんと魔力が空のはずの俺が独自魔法(ユニークスペル)である空間魔法は使えたのだ。一体どういうことなのだろうか。


 俺はイザベラさんに相談するため部屋を出た。


新連載でございます!!

毎日投稿が出来ればいいなと思っていますが、正直微妙なところです。ですが、なるべく頑張りたいと思うのでよろしくお願いします!!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ