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我輩は使い魔である。 その1

 我輩は使い魔である。

 名前はチョマ。

 どこで生まれたか全く覚えていないが、この名前があの自称魔王を騙る年端も行かなそうな少女に名付けられたと言うことだけは覚えている。


 我輩には朝の日課がある。

 それは、あの魔王を騙る少女の観察である。


 少女の1日は以下の通りである。

 13時頃に起床し、洗面所で歯を磨く。朝食に我輩に毎日与えられるカリカリと似たようなものを牛の乳と共に飲み込み、あとはずっと部屋にこもって何やら絵かきをしたり、友達がいないのか、水晶玉と一日中お喋り。


 日が落ちる頃になると何やら懐からパンを引っ張り出しては、もそもそとそれを頬張り、日が昇る時間まで別の部屋にこもり何やらごそごそしている。


 まったくもって何をしているのか我輩にはちっとも分からんが、この少女が風呂やトイレに行っているところを見たことがないことだけは確かだ。


 なぜ我輩がこんなことをしているのか。

 簡単な話である、復讐のためだ。

 我輩はこれまで様々な人間どもの願いを叶えてきた大悪魔でもある。


 それをこの子供ときたら、まるでペットであるかのように扱うばかりで、何の命令も仕掛けてこない。

挙句この名前である。


 我輩を舐めているとしか思えない。


 故に我輩は少女を観察しているのである。


 少女の一日のスケジュールを完璧に把握し、罠に突き落とし、その命を頂戴するのである。

 そうしてこの屈辱的な我輩の扱いを改めなかったことを、心の底から後悔させてやろうとしているのである。


 我輩は使い魔である。

 決して愛玩動物などではないし、ましてやカリカリなんぞで満足するようなプライドの低い悪魔ではない。


 我輩は大悪魔である。

 今に見ておれ、この魔王を騙る不届きものの少女め。

 我輩を侮ったこと、盛大に後悔させてくれるわ!


 我輩は再度心に決めると、餌皿の上に盛り付けられるカリカリを見上げながら、ブラックチョコみたいな声でニャーと鳴いてやった。


 ふっふっふ。

 これであいつも、少しはちびったに違いない!


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