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姉弟初めてのVRMMO  作者: 神白
97/106

第93話 逝かせる料理人は…①

不定期更新ですみません!

これからも頑張ります!

ネルマ視点


うぅ…ここは…?


「ネルマ様ご無事ですか!」

「一体何が…」


「異界の冒険者の威圧に当てられて倒れられたのです。」


そうだ。あの女のせいで…

うっ、頭が痛い。


「ここはどこ?」

「キース様のお城です。客間の一室を借りております。そろそろフラン様が来るだろうと思われますが…」


コンコンコン…

「フランです。メレ様、入ってもよろしいでしょうか。」


「はい、どうぞ。」


メレの采配により、フラン様がお入りになられ私を見た。


「…お目覚めでしたか。ご気分はよろしいでしょうか?」

よろしいわけないですが…

「はい、落ち着きましたわ。」


「それは何より。我らの友人の冒険者がお詫びとして料理を存分に楽しんでため奮闘して作られておりますので、是非ともご出席ください。」


っ。あの女の料理を食えと?!


「キース様も是非とも一度食べてもらいたいとのことですが…いかがいたしますか?」


あの、キース様がオススメして来ているのなら答えは決まっています。


「もちろん行きますわ。」

あの女の料理なんて絶対に褒めませんわ!


…と思ってた過去なんて忘れましたわ!

なんでサラダなのにこんなに美味しいのですか!

サラダだけなのですよ?!これからまだまだ出て来るのですよ?!


そして、私はキース様というものがありながら…この給仕してくれる方にチラチラと目がいってしまうなんてっ。どこのどなたですのっ!このお城では見たことのない方ですわ!


このお方の流れる動き。

手慣れた様子で音もなくお皿を片付けていく様!

こんな、メレまでもが魅了されていますわ!是非ともうちに1人欲しい!お側に置きたい。


私がチラチラと伺ってたせいもあり、目があった時には笑顔を見せつけられましたわ!

ヤバいですわ。キース様の笑顔の数倍の威力なんて感じたことないです!!

嗚呼、貴方のお側に……


「……ネルマ、そ奴はやらんぞ。」

はっ!


「キース様はご冗談がお上手ですね。」

あの方の情報を少し探りましょう。


「キース様、先ほどの方は最近雇われたので?」

「……雇えたらいいんだがな…奴は雇ってはおらん。」

え!!


「そ、それはどういう…」

「何を言っている奴は…「は庶民の出ですから、正式な雇いはしていないのですよ。」…」


今フラン様がキース様の言葉を遮ったように感じましたが、気のせいでしょう。


「…(今なんで遮った…)」

「ネルマ様は彼のことが気になりますか?」


「そ、そんなことありませんわ!キース様一筋です。」

「……ほう?(そういうことか)」


うぅ、疑われてしまったかもしれないっ。どうしましょう。


『なんのお話をしていらっしゃっているのですか?』


っ!!


「…ちょうど貴方のお話です。シエルくん。」


びっくりしました。違いました。フラン様は勘違いをなされているようです。

私の言っているのは…


「フラン〜、肉と魚どっちが好き?」

そうそう、この方……い、今、フラン様な事を呼び捨てに?!ま、まさか、そういうご関係なのですか!?


「私どっちも好きです。強いていうなら血をください。」

「それはデザートにして置いて。」

「それは楽しみですねっ!」

『…ぶー…お菓子いっぱいの約束忘れたらダメだよー!』


この子供…まさか…


私の本当の恋は散りましたね…やはり、夢など見てもダメなのです。そう勝手に落ち込んでいる様子を見られていたようで…


「ネルマ様、まだ気分が悪いですか?冷たいお飲み物お持ちいたしましょうか?」


あの方が、フラン様というものがありながら、私の手を取り、膝をつき顔を下から覗き込んできました!


「っ!」

「大丈夫ですか?」

「だ、だいじょぶれすわ!」

嗚呼なんてことですか!噛んでしまいました!顔が赤くなるのが感じます!

変に思われていないでしょうか!


「気分が悪かったら言ってくださいね。嗚呼、それと、ネルマ様はお肉とお魚どちらを食べたいですか?好きな方をお持ちいたしますよ。」


「そ、それでは、お肉で。」

「かしこまりました。」


「…おい、ネルマを誘惑するな。」

「くっくっ…」


ゆ、誘惑?!

フラン様はなぜ笑ってらっしゃるのですかっ。


「何を言ってるのですか?キース。」


ぇ。キース様とも仲のいいが関係なのですか?

もしかしたら王族?!無礼なことをしてないか考えていたらデザートが運ばれてきました。手をつける前にキース様が…


「…なあ、そろそろいいのではないか?その他人行儀な話し方もやめろ。ユウキ。そして、もう料理は終わりだろう?隣に来い。」


…いまなんて呼びました?


「む、フランが提案したんだからフランに言ってください〜」



この方の名前が…あの冒険者と一緒?

つまり…


「ネルマ様、威圧で気分悪くさせてすみませんでした。お加減大丈夫ですか?」

「っ!」


気遣うお姿はまるで王子。

声かけも…夢にまで見た王子…

この人まさかあの冒険者?!


「え?ぇ。えぇ?!」



ーーーーーー


ユウキ視点


キースがネタバレて、顔を赤くして慌てて立ち上がったのでネルマ様は自分のドレスを踏んで後ろに倒れそうになった。


「うおっと、大丈夫ですか?」

「…ひゃい。」


よかったよかった。また頭を打つところでしたね。


ゆっくりと座らせて、私はフランの隣に座る。


「なぜそこなんだ。」

「フランにデザートの血をあげないといけないんですー。」

「や、やややっと待ちに待った甲斐がありましたっ!!それではさっそく♡♡」


あーんと首に噛みつこうとした瞬間、


「ハニー俺というものがありながらぁ!!」


久々のレイヴン合流。

「…レイヴン、次邪魔したら生首にしますよ?」

「…ごめんなさいごめんなさいごめんなさい」


「それでは気を取り直して♡」

カプ…

あー…吸われる〜


こういう時、体力が減るのかな…ステータス確認……

ありゃ?魔力が減ってるわ。

すごい勢いだことで…でもすぐに回復してる…これはフランがずっと飲めるという幸せな環境なのでは…


自己回復の力恐るべし…


噛まれている間少し暇なので自分用のプリンをアイテムボックスから出して食べる。

かぼちゃプリン美味しくできてよかったよかった。



【パンプープリン】

出来上がり度 9

品質A

説明

パンプーという硬い食材を取り入れ作られたプリン。

まろやかな甘みが口いっぱいに広がる一品。

魔力回復5%持続(効果時間1時間)


うまうま〜


「……ユウキ、長くないか?体調は大丈夫か?」

「……そ、そうですわ。フラン様、長すぎませんか…?」


ネルマ様まで心配してくるけど特に体に異常はないのだよね。


「フランー?大丈夫ー?」


「(チュル〜)」

まだ飲み続けたいようです。


「でかい蚊に噛まれてるみたい。」

「フラン、いい加減にしろ!!」

「ハニー、もうやめなさいっ!」


ガン!

キン!


「あがっ」

「何をする気だ、フラン。」


フランがレイヴンとキースに攻撃した?!

フランが投げたシルバーナイフ2本をレイヴンさんは防ぐものがなくて持ち手の部分を顎に受け、そのまま後ろに倒れて頭を打つ。

対して、キースは自分のナイフでそれを弾いて回避。


「ぷはっ…まだ足らないのです邪魔するものは滅します。ひっく…」

あ、口離した。そして、フラン、酔ってる?


「フラン〜」

後ろにいるフランを見上げるように、目を見る。


「ユウキ様ぁ…一生お仕えします♡♡」

完全に酔ってらっしゃる。

顔を赤らめて目は潤んでいる。


こういう時、こういう人に向けてはえっと…

私のよくやる対処法は…


とりあえず立つ。

そして、鳩尾に一発。


「っ?!」

お腹を抑えてしゃがみこむ。あぁ、失敗した。気絶させたかったんだけど。


「ユ、ユウキ?」


「ゲホッゲホッ…ユウギざまぁ?」

涙目で私を見あげてくる。

「仕方ない、トラウマ残したらごめんね?」


フランは次は何をされるんだと青ざめ今の状況を瞬時に理解して、謝り出したけど。とりあえず、頭固定して、魔法を唱える。

「ナイトメア」

暗黒魔法のレベル上げ。レベル1で覚えてるやつ。


「エ……ィ!イヤァァーーーー!!!」

見せるのは悪夢。と言っても内容を知ることはできない。しばらく頭をつかんでいる手を外そうと頑張ってたけど…


ありゃ?力が抜けた?


「…ん?あ、気絶してたわ。成功成功♪」


ピロン♪

暗黒魔法のレベルが2になりました。


「な、何をしたんだ?」

「え?……聞きたい?それともやってみる?」

「全力で断る!!!」

「え?あの、どんな魔物も瞬殺できるあのフラン様を…?」

「……いっつぅー…アレ?何かあったんすか?」


レイヴンは気絶して見ていなかったようです。

まあ、言わなくていいこともたまにあるよね!


「フランをとりあえず気絶させたから、どこかに運びたいんだけど…」

「あ、それなら俺が運ぶっす。ありがとうございます。」


フランをレイヴンさんに渡して、席に座る。

残った、かぼちゃプリンを美味しくいただくために。


「あーおいしっ」


「何事もなかったように食べるな!」

「…ユウキ様はすごく強いのですね…まさかキース様より?!」

「一対一ならわからん!!」

「……ユウキ様はキース様と戦ったことがおありで?!」


「んー?私はないけど私の契約獣とはあるよ。」

「契約獣…って先ほどの?」

「そっ!私の家族!ちなみに、すぐそばにいるこの2人も魔獣の一種で私の家族。」


『改めまして堕天使のシエルと申します。』

『クィナです。悪魔だよ。』


「堕ちているものに悪魔?!冗談ですよね?!」


…?

「冗談言ってないけど。それに、種族なんて関係なく、家族は家族ですから。ちなみに理解してくれなくて結構です。して欲しくて紹介してるつもりもないですから。」

「…。」


「ユウキ、その堕天使と一戦やらせてくれ。」

「えぇ?喧嘩しないでよ2人とも。」

『「喧嘩じゃない(です)!」』


息ぴったりで怒んないでよ。


『チッ』

「生意気な…」


「2人ともさ、静かにしないとフランみたいにするよ?」


『「……(焦)」』


よろしい♪


さて、私もお腹すいたし、ご飯たーべよっ♪


んー!うまうま♪


「……あの、ユウキ様。」

「ん?なんですか?」

真剣な顔になったネルマ様が私に問いかけてきた。

「教えて欲しいことがあります。」

「…?なんですか?」

「……好きな人に私を見てもらうためにはどうすればいいでしょうか?」


…私に恋愛相談とかされても困るんですけど…


「なぜそれを私に?」

「教えてください。」


…答えてくれなかった…

「うーん。そうですね…」


黒龍に好きになってもらいたくて昔やってたこと…?

………思いつかん。黒龍が私を好きになったきっかけってそういえば聞いたことないな。

そんなことは置いといて、ネルマ様にお答えせねば。


「わかんないですね。」

「…キース様が私を好きになってくれるにはどうすればいいでしょう?」


キースを好きにさせれば、私解放される予感!


「キース、好きな女の人のタイプは?」

「ユウキだな。」

「…そーいうことじゃなくて…優しいとか」

「ユウキのように料理が上手い女…なら少しは考えてもいい。」


「料理?」

レシピや、作り方を教えてあげればそんなことは簡単にできる。


「ネルマ様、料理覚えましょう!胃袋を鷲掴みにするのですっ!」

「ネルマはダメだ!!」

「お嬢様に包丁はダメです!!」


へ?

なんか、ネルマの付き人まで料理を取得させることに反対した。


「……私もやめた方がいいと思います。」

ネルマ様本人まで。


「なんで?」

「こいつが料理を作ったら、胃袋じゃなくて命を鷲掴みにされるわ!」


………劇物でも作り上げたんですか?ネルマ様。

でも、少し興味がある。


「私もそばにいるので、一緒に作ってみましょう?」

「い、いえ。料理はダメなのです…父上が一回死を体感しましたし…」

おとうさーん!


「生きているんでしょう?」

「いえ、一度死んで、蘇った感じです。」

そういう設定のゲーム世界でよかったね。


「まあまあ、私、毒無効持ってるから大丈夫大丈夫。一緒に一回だけ作ってみましょうよー。」

「毒無効?!」

「…くっ、毒殺も考えていたというに…」


キースさんや、何を企んでいるかな?

キースからの贈り物に食べ物あったら鑑定しよう。


「早速キッチンへ!」


最初は躊躇して動かなかったけど、毒無効と聞いて、少し行けるかなと思ってくれたのか、足を動かしてくれる。手を引いて、今度はドレスを踏んで転けないように支えてゆっくりと歩幅を合わせて歩く。


付き人のメレさんが少し着替えた方がいいと提案してきたのでお着替えが終わったら来るように言う。

んー。初心者には卵料理だよねー。何にしようかなー?


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