第87話 戦い方の観察(ラウ&クラメン)
ウインディとヒカルのそばを離れずに移動して見たけど。この子たちはフィールドの周り…しきり沿いをグルグル回ってるみたいだ。…それにしても、この2人に追いついて走れるとは…この装備いいなー。終わったら追いかけっことかしたい。2人と他のみんなともできるかな〜…。
そろそろ別の子たち見に行こうかな。
…
……
………!
シュ!
何かが、私の隣の木に突き刺さる。
『…気のせいでしたか?何かいた気がしたのですが…。』
おおぅ。ラウじゃん。
じゃあ、今度はラウのこと見ようかな。
{ラウ}
『…まあ、警戒だけしておきましょう。このイベントの中でレベルとか上がったら良かったのですが。まあ、経験だけは積めますし、いいということにしておきましょう。さて、獲物はどこでしょう?』
名前: [ラウ]
種族:ダークネススパイダーLV16→25
HP 65→85
MP 40→60
攻撃 20→40
防御 15→20
魔攻 30→40
魔防 18→22
器用 28
速さ 35→65
運 30
《スキル》
<影魔法 LV6→9><闇魔法 LV5→Max>⇒<暗黒魔法LV1→4>
<暗殺 LV6→11><念話LV6→Max>⇒<通話LV1→5>
<爪LVMax><斬撃LV3→8>
<影糸LV8→12><特殊針LV1→4>
<隠密LV7→Max><潜伏LV1→6><魔力回復LV8→Max><自己回復LV1→2>
<魔力操作LV3→Max>⇒<魔力付与LV1→4>
<魔力纏LV1→5><魔力感知LV4→7><毒耐性LV1→6>
SP109→0
ラウは特殊針という新しいスキルいつの間にか覚えてるんだよね。今私の隣に突き刺さった針だとは思うけど…見た目ほぼ透明。鋭く細い。
効果は何かな?
『……!この先に数人いますね。』
うん、4人いるね。
ゆっくり先回り…
んー。全員剣士だ。剣を鞘から抜いて警戒Max。なんか話してるな。
「クソ、ウルフ2匹のせいであと一回死んだらリタイアじゃないか!」
「悪態つく前に警戒しろ。もう、フィールドだ!」
「アルル、近くに何か近づいたら教えてくれ。」
「キュルルゥ!」
「鷹だから目はいいだろうしな。俺のとこは音に敏感な蛇のヒメ。…?どした?ヒメ。」
「シャー!!!」
『あらら、見つかってしまいましたか…』
「「「「っ!!」」」」
「…」
「シャー!!!」
わざわざ出て来てあげるとは…優しい。
鷹のアルルくんは睨みつけ、蛇のヒメちゃんは威嚇。
剣士4人は剣を構える。
さあ、どうする?
『あらあら。そんなに警戒して、後がないような顔もして…もしかして誰かに倒されたのですか?』
「っ!ああ!そうだよ!ウルフ2匹にな!」
『あらら、ウインディとヒカルですか。暴れてる音が聞こえると思ってましたが、楽しんでるようですね。まあ、こんな広さのフィールドに150万もいたらすぐにエンカウントするでしょうし…。まあ、いいです。さて、もう一度死んで町で観戦してもらいましょう。』
「そんなことにはならない!アルル!行け!捕まえろ!!」
「キュァ!!」
アルルくん、腕から飛び立ちラウに爪を立てようと襲いかかる!
『…影糸!!』
黒く、細く、鋭い糸がアルルの首に巻きつき一気に締められる。そして、首を絞めるのではなく切り落とされた!
「っ?!」
「ーーー…」
声を出す間も無く、粒子に変わるアルル。
「嘘だろ?!」
「くっ!」
『すみませんが、瞬殺していかないと体力がもたないのです。手早く終わらせてもらいます!!』
「クソオォォォー!!」
瞬殺させるという言葉と、目の前で倒されたアルルくんに過剰反応したプレイヤーが、ヤケクソで、剣を振りかぶる!
『隙だらけですね?』
チカッ
「痛っ……ぇ?」
ガクッと膝を地面につけ、粒子に変わる剣士。
え?
「な、何した?!」
『みなさん、さようなら。』
シュシュシュシュ!!!
風を切る音が数回聞こえたと思ったら、剣士3人とヒメちゃんは粒子に変わった。
え?
『それにしても、使えますね。この、即死針は。楽チンです。』
即死効果の針ですか…恐ろしや。見えにくいし、どこから出してるのっ!…いや、もしかしたら、出した状態のものを、影糸で操って投げてるとか?…むむむ。気をつけてどうにかなるか?攻略方法探さないとなー。
それからも次々にプレイヤーを即死させていく。
見つかってないときは木の上から、見つかっても油断させてから…でも、わかったことがある。針は糸を出すお尻からなくなったら出してるようだ。透明な針のようなものが見えにくいがついてる。数は無限に近いのかな?それとも、少量の魔力から形成されてるのか…まあ、魔力は休憩入れれば回復するしね。MP回復のスキルなしでも…。
ラウは木の上を伝ったり、障害物に隠れたりと、軽快な動きが可能な体だし…要注意だわ。
ん?こっちに二つ反応が近づいてくる。
『あ!ラウ姉だ!』
「キュッキュキュー♪」
『あら?お二人さん、調子はどう?』
『あのね!いっぱい後ろからえいって倒してたきたの!』
「キュ!」
『ムーンはそろそろ動き出します?』
「キュウ?」
『いいのですよ。数多すぎて疲れますし。魔力回復のために、休憩したいですから。』
「キュッキュキュー♪!」
じゃ!始めるー!ってな感じでトーカとラウは木の上に上がり、ムーンは下で何か始める。
何するの?
一応木に登っておこう。
そして、ムーンが本領発揮をしだした。
「キュッキュキュー!キュキュー!!」
召喚陣が、ムーンの周りにたくさん現れる。
そして、出てきたのは…
「シャー!」
「ギシャー!!!!」
「オォーン!!」
「ニャー!」
「ウキャー!」
「ギギギ!!」
「キュー!」
「キュルァ!」
「ピャァ!」
…
……
………
ま、まさか…
東西南北の魔物達全員喚んじゃった?!しかも!数多っ!ボスまでいるっ?!
「キュッキュキュー!キュ…。」
いそいそと、ムーンはラウ達のいる木の上に隠れる。
そっか、調教持ってないし、契約するわけでもないから…そのまま放置する…のか。…って、マジですか。
「キュ〜。」
『魔力回復するまで隠れてようか。』
『そうですね。今ので、ムーンは魔力切れでしょうし。守ってあげます。』
「キュ〜♪」
あー。今まで魔物のいないフィールドが、各地のボスが集まる地獄となりました。恐らく、この場に今召喚したのが付近にいなくなったらまた召喚するよね。…私も少し休憩しよ。
ふと、残りの人数を確認しました。
【契約獣残り7体 VS プレイヤー残り928521人&助っ人残り5927人】
…おぉう。100万以下になっていらっしゃる。2時間ぐらい…だよね?スタートしてから…アレ?151万いたよね?!三分のニになってますよ?!でも、助っ人の人数はまだ結構いるな。さすが、魔族かな?でも、魔族だけじゃないかもしれないよね。キースが連れてきたのってそんなにいなかったし…どこから来てるのかな?考えられるのはエルフの国…かな?あと、はじまりの国…。まあ、おいおいわかるでしょう。
あ、トーカとムーンのステータスも確認しときましょう。
名前: [トーカ ]
種族:ハイドスライム LV3→21
体力 30→70
魔力 60
攻撃 21
防御 10→20
魔攻 10→30
魔防 10→20
器用 30
速さ 18→55
運 50
《スキル》
<土魔法 LV6→Max>⇒<森魔法LV1→4>
<水魔法 LVMax><鏡魔法LV1→5>
<影魔法LV1→5><闇魔法LV1→8>
<跳躍LV8><捕食LV7→12>
<吸収LVMax><擬態LV3→Max>⇒<透明化LV1→3>
<人化LV1→6> <念話LV5→Max><通話LV1→5>
<隠密LV5→Max>⇒<潜伏LV1→7>
<隠蔽LV2→6><魔力纏LV1→4>
<魔力操作LV3→Max>⇒<魔力付与LV1→3>
<魔力感知LV1→5><暗殺LV3→9>
SP117→0
名前: [ムーン]
種族:マジカルラビットLV8→9
体力 70→75
魔力 75
攻撃 25→26
防御 50 (+20)
魔攻 50
魔防 60 (+30)
器用 60
速さ 65 (+20)
運 30
《スキル》
<土魔法LVMax><大地魔法LV3>
<光魔法LVMax><幻覚魔法LV3→4>
<呼び出しLVMax><召喚LV5>
<体当たりLVMax><突進LV6→8>
<逃げ足LV8→Max>⇒<疾風LV1→2><跳躍LV6>
<魔力操作LVMax><魔力付与LV2>
<魔力感知LV6><魔力纏LV4>
<追跡LV4><隠密LVMax><潜伏LV2→3>
SP5→0
ムーンはまあ、3日の間に疾風覚えたし…逃げるのは得意になったよね。幻覚魔法のレベルも上げていたし。召喚というスキルの内容は恐らく、自分が戦闘して勝った種族なのだろう。だから、北の魔物は少ない。ランダムだと危険だけどね。倒せる魔物であれば、自分に襲いかかって来ても対処出来る。これからの戦い方が楽しみだ。
そんで、トーカ。トーカは潜伏まで頑張ってレベルを上げていた。ステータスも速さと体力に振ってくれと言ってた。まあ、スライムだからね。体力少ないと、きついよね。で、戦闘のやり方はまあ、ここを離れる時に私もついていくか。背後からえいって倒したと言ってたけど…。魔法でえいっなのかな?
ムーンが魔物召喚を5回ぐらいした後、様々なところで悲鳴が上がる。そして、フィールド上空に設置されている人数も減り続ける。早いなぁ。さすが魔物勢。
そして、恐らく最後の召喚が終わったときの人数がこれ!
【契約獣残り7体 VS プレイヤー残り413411人&助っ人残り4715人】
…削れたね。うん。わかってたよ。
これで少しはフィールドも広くなったかな?
『ムーン、魔力、回復した?』
「キュ!」
『ではそろそろ動きましょうか。ご褒美のために頑張りましょう!』
『おー!』
「キュー!」
ここで、ラウと別れて移動するみたいだ。私も行こう。
『(…視線が消えましたね。…ユウキ様だったのでしょうか?それとも敵?ムムム、もう少し魔力感知高めないとですね!)さて、次の獲物探しですかねー。』
トーカは透明化、ムーンは潜伏で、森を歩く。
トーカが、潜伏をするのは戦闘になってからなのかな?
『ラウ姉もいっぱい狩りしてたね!』
「キュ!」
『んー。クルードたちどうしてるかな?見にいこうか!』
「キュ!」
クルードたちがいる場所知ってるのか。ってか、どこで戦うのか前から決めてたかもしれないな…
ウインディ&ヒカルは外周。
ラウは西フィールドの森の中。
この2人はオールラウンダー…かな?
そんで…クルードと、ルナは…?
2人についていく途中、魔物と戦闘中のギン以外の私のクラメンたちを見つける。みんな、集まって行動してたのか…。んー…少し見ていくか。2人は…まあ、ゆっくり進んでるし、追いつけるでしょう。
{クラメン}
んー…魔物は、結構多いな。えっとー、ハニーナイト×25、ハニークイーン×2、シャドウスパイダー×5、ロックゴーレム×1、バックバード×2。
すごい豪勢だ。苦戦しそうなのは、ゴーレムかな?あと、シャドウスパイダー。ハニーナイトは数が多いだけだし…
「くっ!…!黒龍!下がれ!ゴーレムが狙ってるぞ!」
「了解っ!」
後ろに跳んで退く黒龍。
「私とミリアで、ゴーレムを魔法でどうにかするから、ナイトたちを先にお願い!ウォーターシュート!!」
清龍の掛け声とともに、大きな水の塊がロックゴーレムにぶち当たる!
「ゴゴゴッ!」
ゴーレムは大分ダメージを受けているようだ。魔力操作練習したみたいだね。威力が上がって、いい感じ!
「キシャ!」
シャドウスパイダーが、清龍に向けて糸を放つ!
「危ない!ファイヤシュート!!」
メリーさんが、それを火球で打ち消す。
「ありがと!助かった!」
「蜘蛛は任せて!足止めぐらいしかできないかもだけど!」
「頼んだ!すぐに合流する!」
…それにしても…連携プレイしてるなー。これぞ、パーティ戦だよね!
……私には無理だわ。うん。突撃タイプだし…。ほぼソロだし。黒龍ともプレイしてるけども。つい前に出てしまうんだよね…。
ラタとノアはナイトたちの相手をしながらバックバードや、ハニークイーンを討伐してる。…もうそろそろナイトが終わるな。ゴーレムも…。あとはスパイダーだけだね。さすがにメリーさんの魔力が尽きそうになって、守りに徹している。
「待たせた!メリーさん!!」
「魔力尽きるから!早く!」
メリーさんは1番後ろに下がり、ポーションを飲む。
MPポーション…ってあったっけ?
「…ぷはっ。うぅー。苦っ。ユウキのポーション飲みたいー。」
あー。ポーション…無いもんね。ジュース使い切ったのかな?それにやっぱり、HPポーションか。
…蜘蛛討伐は、少しかかってなんとか切り抜けたようだ。
「…はぁ。いきなり魔物が現れたのはビビった。」
「現れないようにしてたんじゃなかったの〜。」
「…それか、故意に誰かが喚んだとか?」
「…そんなこと誰がやるんだよ。それにどうやってやるんだよ。」
あ、ムーンが召喚スキル使って呼びました。はい。
「でも、西にはいないやつも混じってたよな?」
「…まあ。そうだけど。」
「ちなみに、シャドウスパイダーは北の魔物だよ。」
黒龍は私が倒しているから、存在だけは知ってるんだよね。
「そーなのか。…じゃあ。故意に喚んだって可能性が高いわけだ。俺たちプレイヤーが苦しんで、嬉しがる奴らって今の場合…」
“ユウキの契約獣…か。…はあ。”
正解!
「あー、そいつ倒せば召喚されたやつは消える可能性高いな。誰なのかが、問題だが…。」
「ラウじゃないか?」
「なんでよ。」
「だって、そんなこと考えそうなのアイツぐらいじゃないか?」
「…もし、そうだとしても、作戦だけラウで、実行してるのは別かもしれないだろ?」
「…そーだな。……あー!もう!考えてもわからん!とりあえず、湖に出現してるクルード組討伐の応援行くぞ!魔物のせいもあるだろうが、絶対!!クルード組のせいで大半はリタイアされてるからな!人数は多いほうがいいだろうし!」
あ、そうなの。クルード達湖にいるのか。へー。あそこ結構広いもんね。水辺だと、ルナの魔法が活かせるだろうし…よし!ムーンとトーカのところまで追いついたら一緒にゆっくり行くことにしよう。
別に焦らなくてもいいよね!まだ、40万人もいるんだから…
【契約獣残り7体VSプレイヤー残り409851人&助っ人残り4508人】




