第84話 イベントその2
“幼女はどこじゃあーー!!”
なんか来た。しかも、知ってる人が混じってる。
関わりたくないのに…。
「…!ユウキ!幼女をペットにした奴が現れたと聞いたんだが!」
私は馬鹿な奴等を見渡して、質問をしてきたやつに言う。
「ねぇ?やめてくれる?私のクィナが怯えてるから。」
「え?!お前!ペットできたの?!おかしい!できないように低確率にしたはずだぞ?!」
「んなこと知るか。馬鹿ギン。」
そう、馬鹿の1人はギンである。
「ねぇねぇ!どんなペットなの?ハムスターとか??」
そして2人目は清龍。
お姉さんなイメージはどこいった!
「……悪魔。」
「「え?」」
「吸血鬼の女の子。紹介したくないけど…君等が探してるのは恐らく、私のクィナじゃないかね。…クィナ。おいで。」
『うん!お母様っ!』
「……」
口を大きく開け固まる幼女が大好き軍団。
クィナは抱っこを要求して来たので、抱っこしてあげる。傘は私が持って。日に当たらないようにしないと。
「なんで!おかしいおかしい!お前が悪魔とか、契約する確率0.01%未満のはずだぞ?!何した?!」
「え。なんにも。」
『?』
首をかしげるクィナ。
「ゴボッ。」
「え。どした?!」
幼女大好き軍団とは関係ないところで、ポーション飲んでるこの国の人が思いっきり吹き出した。
「…だ、だめだ!死ぬなあーー!!」
笑顔で召されて行く人。
「……。ここはだめな奴ばかりだ。移動しよう。」
『母様どこ行くの?』
「んー。プレイヤーも、ロリコンな人もいないところがいいね。」
『んーっとんーっと。じゃあ!お店がいいかもしれないね!』
…かわいい。考えるときの可愛さがはちきれそう。
「うん。そうだねぇ。果物買って、ゲイルさんところ行くかな。」
『果物??』
「クィナは何が好きー?」
『母様の好きな物!』
……かわいい答えが返って来たのはいい。
「クィナ、ちょっと耳塞げる?」
『うん!』
ちゃんと塞さいでるのを確認して、後ろを向く。
「ぁ。」
にっこり笑って、
「ついて来たら、アレ使うよ?」
“ヒッ!”
「わかった?」
“ご、ごめんなさい!!!し、失礼します!!”
まったく、ついてくるとはいい度胸だ。
……で。
「まだついてくる気かな?」
「お、俺たちはクラメンだろ?な?」
「ユウキ〜だめ?」
「ダメ。問答無用で使うよ?」
「「ぅ。」」
ニコニコニコ。
ということで、笑顔で押し切りました。
まったく、暇人どもが。
「あ、もう耳塞ぐのやめていいよ。」
『はーい!』
さて、マリンダさんとこに挨拶とお買い物…
しにいっただけなのに…
「ユウキ!誰との娘だい?!」
「きゃー!かわいい!」
「ユウキ、様、に、む、娘?!」
順に、マリンダさん、シャール、セルフィーですね。
「落ち着いて。ね?誰との子でもないから。なんて言えばいいかな。悪魔種族の魔物に部類されるのかな?」
『クィナは魔獣だよ!母様!』
「そうなんだ。だって。」
「そうなのかい。」
「でもかわいいですねぇ。」
「悪魔っ娘!かわいい!」
ファンが増えていく。
「クィナちゃん、これオマケだよ。」
『??なーに?』
「嗚呼、プルの実のウサギだね。」
『母様、食べていいの?』
「うん、いいよ。」
『はむ。…!美味しい!甘いよっ!』
ふふ、かわいい。
『…!母様!あーん!』
食べかけをくれるクィナ。
「クィナが貰ったんだから食べていいんだよ?」
『いいのー!あーん!』
「じゃあもらおうかな。」
うん、しゃりしゃりして美味しい。リンゴだなぁ。
『えへへ〜』
「や、やばい。コレは!お知らせしないとっ!」
と、何かおかしなことを言うシャールの肩を掴む。
「誰にお知らせするのかな?」
「あ…い、いや。なんのことですかー?」
「シャール?」
「…あわわわ。」
『…母様?どーしたの?』
「…なんでもないよ。…シャール、クィナに免じて許すけど、やらないでね?」
念を押しておかないとね。
「ひゃい!」
「…あ。ユウキ…ごめんよ。」
え、マリンダさん?
「ま、まさか。」
「…ごめんよ。」
裏切られた。一番信じてる人に!!!
終わった。噂が変わる。拠点から出ないでいよう。ほとぼりが冷めるまで…。
急いで拠点に帰宅しました。
『母様?』
「ん?」
『母様はなんの職業なの?』
「えっと、アークサモナーだよ。短剣使いの。」
『さもなー?…それってどんなお仕事?』
「んー。簡単に言うと、強い家族と一緒に戦う仕事…かな?」
『家族?』
「うん。じゃあ、召喚してあげよう。最初は、ウインディ達がいいかな?サモン:ウインディ・ヒカル!」
「「オン!」」
『うわぁ!カッコいい!』
「オン?」
「ウインディ、ヒカル。新しい家族のクィナだよ。戦闘のサポートしてくれるからね。遠距離が得意だから、お兄ちゃんな2人が守ってあげてね?」
お兄ちゃんなと言う言葉に反応してキラキラした目に変化させる2人。
「オォーン!!!」
「ガウ!ガウガウ!!」
『お兄ちゃんのこと後ろから守るの!』
ウインディとヒカルが面白い。
照れすぎて、頭を前足で隠して、ウォンウォンって唸っていると言うか、悶えている。
「ウインディ達がぐでんぐでんになった。あははは。」
「「ウォン!!」」
『うわぁ!背中乗っていいのっ?ありがと〜』
「ウォン〜〜♡」
「あっはははは!面白っ!」
クィナがいるだけで、こんなに賑やかになるとは…恐るべし可愛い悪魔っ子!
はあ、早く。ラウとも遊びたいなぁ。
ラウと、バハムートに早くお話ししないと!
いっぱい、話ネタ作らないとね。
さあ、明日は何をしようか。早く、会いたいなぁ。
『………アレが。異界からの冒険者。そして、最強の冒険者…。職業はサモナーと言っていたな。ふむふむ。契約獣は数多くいるみたいだが、彼女自身の実力の方が上と見る。しかも、あの悪魔を虜にするとは…早く、殺り合いたいっ!』
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次の日…
なんか拠点の外に不審者がいるんですが…。
性別は…男だね。で…天族かな?プレイヤーではないみたいなんだよなぁ。関わったら怒られるよね。
…うん、絶対に怒られる。黒龍に助けてもらおう。
《フレンドチャット》
ユウキ:黒龍ー!今いい?
黒龍:んー?どうしたのー?
ユウキ:拠点の前にプレイヤーではない天族がいるんだ。関わったら負けな気がするけど、散歩には行きたいんです。助けてください。
黒龍:…男?
ユウキ:うん。
黒龍:わかった。今すぐいく!絶対に出たらダメだよ!
ユウキ:はーい。
《チャット終了》
しばらくして、黒龍が天族に声をかけた。
天族の男は気にも止めずに、こっちを見続けており、黒龍が実力行使に入ろうと剣を構え、斬りかかると。
止めずに男が指をふいっと動かしただけで、黒龍の体が吹き飛ぶ!
「?!黒龍っ!!」
私はすぐに拠点を飛び出し、黒龍に駆け寄る。
『母様?!どーしたのっ!!』
クィナも慌てて飛び出してきた。
それを見て、男が動いた。
「っ!クィナ!中に入りなさい!」
『え?きゃっ!!』
『少しの間大人しくしてもらいますよ。悪魔。』
『っ!この感じ!堕天使っ?!』
クィナの首筋に剣を当て、傘を奪い取る男。
『っ!力、が…』
「っ!クィナ!!お前!クィナを離せ!!」
一気に男に駆け寄る!
『母様!ダメ!罠っ!ぐぅ。』
『黙ってくれますか。これからいいところなんですから。』
こいつ!クィナの首を絞めやがった!!殺す!!
『イイですね!その殺意に満ちた顔!やりがいがある!』
魔剣(太陽)で、思いっきり男の腕を切り落としにかかる!
キィィーン!
『重い…ぐあ?!剣が!』
魔剣(太陽)の熱に耐えきれなくなった男の剣は溶けて真っ二つに!!そして、浅く体に一撃が入る。
『きゃ!』
っ!クィナ!
ダメージを負った男がクィナを捕まえていた腕の力を抜いたため、クィナが落ちそうになる!
地面に叩きつけられるのを防ぐため、反射的に手を伸ばす!
『隙あり!』
そこに、どこからか出した新しい剣で、私めがけて剣を下ろす男!
これは避けられない!
「ぐっ!」
『っ!母様!!』
『拍子抜けです。死になさい。』
「っ!この!道具作成!!」
『んな?!』
クィナを抱きかかえたまま、膝めがけて、回し蹴りを入れ、電気椅子をすぐに作成!
「“拘束!”」
『ぐ、この程度の拘束!』
「…少しの間静かにしてろ!!“眠れ”!!」
『っ!ぎゃぁーーー!!!……。』
ガクッと気絶状態になる男。
はあ、はあ…つ、疲れた。
『母様っ!大丈夫っ?!』
「お姉ちゃん!ごめん!守れなかった…。」
「黒龍は大丈夫?」
「うんっ!大丈夫っ!ぐす…」
黒龍は守れなかった事を悔いて泣き出す。
「ほらほら、泣かないの。よしよし。」
『…私も…足手まといっ。にっ…』
クィナまで泣き出す。
「うわぁ。クィナまで泣かないのっ!…って傘!」
すぐに起き上がり、傘を取ってきてさしてあげる。
『ありがとう…母様…』
2人が落ち着くのを待ち、元凶をどうするか悩む。
「さて、どーしようかな。こいつは。」
『ぅ、うぅ。』
ん?起きたか?
『…ここは。どこだ?私はなんで…』
私の目を見ずに、記憶喪失ぽい反応をする。
「とりあえず道具作成…でっと。ねぇ?お兄さん?」
『え?あ!あなたは!』
「どれ使って死にたい?」
『はい?!』
電気椅子の周りに様々な処刑道具が並ぶ。
『ま、待ってください!わ、私は!あなたと本気でやり合いたかったから、取った行動でして!』
「で?どれ使って死にたい?」
『ま、参りました!だから!許してください!!』
許すわけがないでしょう。黒龍を吹き飛ばして怪我させて、クィナに至っては首を締めて、傘も奪って捨てやがったんだぞ?
「命乞いなんて受け付ける広い心の持ち主じゃないんだ。選ばないなら全部やらせるぞ。ああ”?」
「お、お姉ちゃん。落ち着いてっ。」
『お、お母様…』
『…っ。』
男は全部見渡して私に視線を戻す。
『お、お願いです。許してください!!!死刑にされたら天使界にリスポーンするんです!!あそこには行きたくない!!!』
んなこと知るか。
「じゃ、さっさと死んだほうがいいね。」
『うっうぅっ…』
泣き出したし。
『お母様…一応話…聞いてあげよう?』
「…でも、嘘泣きの可能性が…」
『お母様。だめ?』
うっ。クィナのそれは逆らえない。
ハア。
「仕方ない。話だけね。」
『っ!悪魔のくせに、なぜ優しいんですか!』
『…だって、貴方、堕天使でしょ?天使界の中のルール破ったのでしょ?なら、いい人だろうし。』
「…?天使界のルールって何?」
『えっとね、確か…“悪魔は敵” “人間も敵” “下界にいるのは全て敵” “敵である奴らは皆滅ぼしてしまう覚悟で。子供、老人関係なく殺せ” “例外は認めない” “同族は歓迎。我らの血が入っているもののみ、歓迎”だったかな?』
差別主義者か!
「うぇー。何それ。」
『私は異種族に恋をしてしまいました。そして、それを知られて、彼女は殺されました。ルールを破ったものは堕とされ、堕天使となるのです。下界に堕とされても、彼女はもういない。だから、天使界に復讐をしたいと思っていましたが。とある冒険者の言葉に覚醒させられたのです。復讐なんて意味がないと。』
「へー。」
『それが貴女です。』
「……は?」
「お姉ちゃん、何してんの。」
「え?えぇ?!待って!どこで!いつ!あったことないよ?!」
『それは当たり前です。不可視状態で見えませんから。』
それってアップデート前だよね!完全に!つまり、そういう設定がこの人に作られたと?
「メタいこと考えたない?お姉ちゃん。」
「だってー。」
「まあ、こじつけだろうけどさ。」
『あ、あの?』
「あ、続けていいよ。」
『…貴女は強かった。相手は3人もいたのに、一撃一撃が重く、素早かった。心が染みるお説教もしていた。だから…貴女の実力を自分で測り、貴女のお側でいろいろなことを学びたいと思ったのです!』
3人もってことは、あの三兄弟か?
「つまり?」
『私に名前をください!』
ピロン♪
イベント通知
種族堕天使の男の好感度が一定以上になりました。
『ペット』2人目となります!
名前をつけてください。
[ ]
「黒龍…」
「何?」
「私は今回何もしてないよね?」
「…うん。証人になるよ。」
『あの…だめでしょうか?』
「ちょっと待ってね。聞いてみるから。」
『え?』
《フレンドチャット》
ユウキ:ギンさんやちょっと助けて。
ギン:んー?どしたー。
ユウキ:拠点に堕天使が押しかけてきて、ペットになりたいと言ってきたんだけど。していいの?
ギン:………
ユウキ:……あのー。
ギン:お前は、なんで…
ユウキ:私は今回なんもしてない。変な設定にしたそちらに非がある。
ギン:設定?…取りあえず、知り合い連れてそっち行くから。保留にしといて。
ユウキ:ハイハイ。
《チャット終了》
「君の名前はちょっと待ってね。」
『ぅ。はい。』
少しして、ギンと、ルリさんと見たことない顔のプレイヤーが数人きた。あ、でも、1人は見たことある。
「ユウキさん、お久しぶり。」
「あ、お久しぶりです。社長さん。」
「で、彼ですか。」
「…ハイ。」
『?』
堕天使くんは首をかしげる。
『母様〜この人たち誰〜?』
私の後ろに隠れながら聞くクィナ。
「んー。私の知り合いだよ。怖くないからね。」
『はーい。』
「え。悪魔っ子までいんじゃん!!」
「う、嘘だ!俺のペットにしようとしたたのにぃー!!」
「ランダム出現だからな。運が関係してくるよな。」
「貴女がユウキさんですか。」
「……いい。」
「…なんか、多いな。どちら様?全員運営?」
「ああ、そうそう。全員な。自己紹介しろお前ら。キャラ名だけでいいからな。どっかのバカはもう、この前本名、言ってたけど。」
「ぅ。」
「よろしく!クラフっいうんだ。生産系の職業だよ!」
「俺はウルウだ。ちょっとでいいから撫でさせてくんない?」
「…サモン:ウインディ、ヒカル。2人とも、不審者がいるから、クィナを守ってて。」
「「オン!!」」
よし、これでいい。
「おぉ!本当にボスだ!あたしはサツキ。一戦交わらない?」
「落ち着いたらいいですよ。」
「やった!」
「私はネイです。……。」
「あの?」
「すみません。なんでもありません。」
ん?どうかしたのかな?
「そして、僕が最後ですね。オーディンです。契約獣を後で見せてもらえますか?」
「あ!俺の家族にも合わせるから俺からもお願いっ!」
「別にいいですよ。どちらにしろ、話が落ち着いたらですね。」
「で、どーするかな。」
「ユウキさんに、悪魔っ子と堕天使がついたら誰も勝てませんよ?」
「…ですよねぇ。」
「だよなー。」
「堕天使さんはサポート何系なんですか?」
「前線でフォロー役だな。前で戦えるし、光魔法も使えるから、回復して貰えるしな。」
なんと最強な。
「でもさ、彼から聞いたのって明らかに私専用のペットにさせるための設定ぽいんだよ。心当たりございませんかねぇ。」
「そう言うのができるのは…」
「…バハムートとかって言いたいの?」
【申し訳ありませんが、私ではないですよ?】
「あ!バハムート!」
【はい、私です!】
「ラウは?まだ調整中?」
【?調整中??どう言うことです?アップデート内容に、ラウは関係してないはずですから、召喚したらできるはずですよ?】
「え?!だって、3日はできないって昨日っ!」
「…犯人が。わかったな。」
「バハムート…ラウはどこだ?」
【…探索中…探索中…】
ラウが細工をしたと言うの?でも、なんで?
【…見つけました。少々お待ちください。】
『うきゃ?!なんですか?!アレ?アレレ?こ、これはどう言う状況ですか?!』
「ラウ、今回のイベント何かした?」
『え?してませんけど…。というか、内容も知りませんよ?!』
【じゃあ、どこで何をしてたの!】
『えぇ?バハムート様まで?!…運営が見逃していたバグの修正をしてました!結構な量があったので時間がかかりそうで…それで、ユウキ様には申し訳ないですが昨日のようなメッセージを送ったのです。』
「バグ?」
『はい、でもこれがなかなか消えなくて…困ってたんですよね。』
「…で、本当に何も知らないのか?」
『だから、何かあったんですか?』
「ペットを仲間にするイベントがあったんだけど…レア度が高い子たちが私のところに集まったから、おかしいなって話になってね。」
『何が仲間になったのです?』
「悪魔と、堕天使。堕天使は保留中だけど。」
『…それはそれは。…でも、本当に何もしてませんよ?…もしかしてバグですか?あれが関係しているのかもしれませんが…』
バグ多いなオイ。
『…あのー。ダメということでしょうか…。』
「ねぇ。私が断ったら君はどうするの?」
断るという言葉に悲しそうな顔になる堕天使。
『そう、ですね。自殺でもしますかね。』
「……はぁ。それは後味が悪い。生きるという選択肢は?」
『嫌です。』
……こちらも頑固か。
「……。」
「…なぁ?ユウキはどうしたいんだ?」
ギンが、私に聞いてくる。
「私は名前つけてもいいと思ってるけど…。君らは気にくわないのでしょう?」
「…まあな。」
「…ユウキさん、とあるお願い聞いてくれたら名前つけてもいいですよ。これは、レア魔獣をペットにした方全員にお願いしているものなんですが。」
社長さんが、黙っていると思ってたら何か案を出してきた。
「ん?なんですか?」
「このイベントの最終日。最終ボスとして出演してください。」
……。
“はい?!”
その場にいた社長さん以外の全員が叫ぶ。
「ちょっとちょっと!待ってください!社長!!その案は無しにしたじゃないですか!」
「本気ですか?!」
「えぇ?ボス?」
「はい。このイベントの最後を締めくくるにはいいと思ってるんですよ。」
んー。ボスねえ。
「それって契約獣ありですか?」
「有りです。」
「クルードも?」
「はい。存分に暴れてくれて構いません。」
「…その心は?」
「この世界には魔族の王がいますよね?ですが、魔族の王であって魔王ではない。それを知らせること。魔王はプレイヤー側に存在しているということを広めておけば、AI達と協力するプレイヤーが増えるはずですから。」
「……ふむ。」
それはいい傾向だ。私が魔王になる…ねぇ。
「ま、まさか。受けないよな?!受けんなよ?!」
ギンが慌てる。
それを見てにっこり笑ってあげる。
青ざめるギン…とその他。
「受けます。その提案。」
「よし!!じゃ、名前つけていいよ!」
『あ、あの?』
「君は今日から私の家族ね!名前は…んー。」
『っ。か、ぞく…』
堕天使くん。金髪で、碧い瞳。羽は真っ黒。
家族という言葉を何度もつぶやいている。
「ふふ、じゃあ君の名前は…シエル!」
『……っ。はい。よろしくお願いします!師匠。』
「なんで、師匠?!」
『お側でいろいろ学ばせてもらうといったはずですよ?』
「…あー。言ってた。みんな、呼び名変えすぎじゃない?統一でいいと思うんだけど。」
『お母様は、お母様だよ?』
こてんと首を傾げるクィナ。
〜っ。
「うん、クィナはもうそれでいいんだけどね?」
『では、師匠で行きましょうか?』
「変わってないよね?!」
はあ、もう。いいよ…
「じゃあ、まあ、そういうことになったわけで。社長さん。何か要望とかあります?」
「んー。ボス戦では、できれば全員に召喚してもらいたいんだよね。」
「それは…ローテーションで?」
「はい。それか、決めてもらうか…」
「そこらへんはそちらにに任せます。決まったら教えてください。まだ時間ありますし。」
「うん。そうだね。そうします。3日前ぐらいには教えしますね。」
「了解です。…それで、うちの家族。あって行きます?」
「是非!」
みんな、どんな反応するかなー。
ふふふっ。