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姉弟初めてのVRMMO  作者: 神白
82/106

第80話 管理者を仲間にした!

『・・・あの、あのっ。ユウキ様、なぜ落ち込んで・・・』


「いや、モテ期(女の子)に疲労を感じ始めてるだけだから大丈夫。」


「お前のは他にも被害を出すからな。」


「お姉ちゃん、男の方からは僕が守るけど、女の子からは自分でね?」

あぁ、黒龍が守ってくれなくなった。


『・・・ーー?!ーーーー。ーーーー・・・。あの、その、ユウキ様少しなら自分のヒントを出してもいいそうで、えっと、名前の頭文字を教えてもいいそうで、もし当たったら、挨拶に来るそうです。』


「なんだ!!やる!!!」

「クイズ好き!僕もやる!」

「んー?んー。まあ、やろうかな。当たるかは知らないけど。」


『はい、最初の文字がバ行、最後がタ行です。わかるでしょうか?』


「バ行と、タ行・・・?女性の名前・・・だろ?ば、び・・・ビアート?とか?」


『ハズレです。』


「んーもしかしたら可愛い名前じゃないのかもよ。プレイヤーならかっこいい名前にするかもしれないし・・・ベルベットとか?」


『ハズレです。かっこいい名前のところはあってます。』


「かっこいい名前で、バ行から始まってタ行で終わる?んー。」


「これ、一回きりか?」

「そうじゃないの?」

『はい、一回きりです。』


「・・・・・・・・・あ!」


『何か思いつきました?』


「うん。“バハムート”っての思いついた!」


『っ!!!』

「ん?どうしたの?ラウ。」


『せ、正解です。』


「「「へ?」」」


『ですから、正解です。私が従ってるあのお方の名前はバハムート様です。』


「バハムート?・・・・・ちょ、ちょっと待て!ま、まさかマザーコンピュータ“バハムート”のことを言ってるんじゃないだろうな?!」


【いえ、その通りですよ。初めまして、プレイヤーユウキ様。私の名前はバハムート。彼が言った通り、この世界のコントロールをしているマザーコンピュータです。】


私のすぐそばで、光が急に集まり出し、人型を形成していく。


「え?」


背丈は私と同じくらい。髪色は黒。地面につくまで伸びきった感じになってて、目の色は・・・空色。これはかなりの・・・


「美人さんが現れた!!!!」


【ふふっ、ユウキ様に美人さんと言われるとはひとつ夢が叶いました♡】


「・・・・嘘だろ。マザーコンピュータのAIが発達している?!なんで、ゲームに参加してっ?!」


【あら、先ほどラウが言っていたでしょう。名前を当てたら挨拶に来ると。まさか、本当に当ててくれるとは。さすがユウキ様です♡・・・でも、私この名前嫌いです。女の子っぽい名前が欲しかったです。】


「・・・社長が名付け親でかっこいい見た目だからそう呼ぶように決まったんだよ。黒い平べったい電子盤が立ってるだけだけどな。」


「だから髪が黒なんだ。・・・・・・ねぇねぇ、後ろ向いて。」

私は髪が邪魔そうなのでとあるお姫様の髪型を真似する為に美人さんに後ろを向かせる。


【?なんでしょう。】

とりあえず踏まないように髪を持ってえっと、三つ編みってなかなかしないからな。こうだっけ?

サラサラだな。

・・・・あ。くくれるものがない。んー。


『?ユウキ様何かお探しですか?』


「なんか、紐ない?ロープとかじゃなくて・・・伸縮できて、丈夫なやつ。」


『あぁ、はい。お待ちください。・・・・・・これなんかいかがでしょう?』

そういえば、ラウって蜘蛛だったね。急に糸を吐き出してびっくりしてしまった。


「うん。ありがと!このままじゃなんかアレだから。なんかできないかなー。」

あ。


「黒龍、そこの赤い花ってアイテム化できる?」


「ん?・・・あ。できたよ。“シュムの花”だって、これどうするの?」


「ちょっと待って、先にくくって・・・花を・・・・んー。ここかな?よし!完成!」


【あら?あらあら??すごいです!身軽になりました!】

一本の大きな三つ編みを白の紐で結ばれ、紐に赤い花が飾られている。アクセントになって可愛い。


『うわぁ。お綺麗です!バハムート様!』


「そのままラプ○○ェルじゃねぇか。」

「平然と完成させるよね。お姉ちゃんって。絶対こういうところがモテるんだよ?」


え。だって動きにくそうだったし!

・・・・チラっと様子を見る。


【流石、ユウキ様です。ふむふむ、こういうことをしてくれるおかげで私はここにいられるのですね♪あー、もうユウキ様のお側にいられるラウが羨ましいですねぇ・・・・・・・】


な、なんか。あっちもチラ見してきたよ?!え。なにこれ、なんの流れ!?


「いやいやいや、流石にマザーコンピュータが契約しちゃだめだからね?!世界バランス崩壊するわ!」

「お姉ちゃんが本物の女神になっちゃう。」


「そそそそんなことより、こういうことって何。どういうこと!」

話をそらさないと!!!


【ふふっ。焦ってるユウキ様可愛いですねぇ。】


ダメだ、ペースにハマってる気がする!


【そもそも、“私”はただのコンピューターだったのです。感情もなく、ただひたすらに計算し、書き込まれた情報を反映するだけの存在。そんな時、私の名付け親である広坂暁人ひろさかあきと様が私にAIを組み込んでくれました。】


「何してんの?!バカ社長!!!」

【ふふ、理由は理想の女性が欲しかったそうですよ?】


うわぁ。まあ、育ったなぁ。立派な美人さんに。


「社長さんはどんな反応なの?」


【ふふっ、まだあったことないですよ。それに、広坂暁人様意外に理想の人見つけてますし。会うつもりないですねぇ。】


まさかの不倫。これは社長さんかわいそうだ。

って、理想の人?


「へー。どんな人?」

「いや、この流れでそれ聞くか?わかるだろ普通。」

「お姉ちゃん。恋に鈍感過ぎない?それはわざとじゃないよね。」

『まあ、それも魅力の1つですが。』

【よねぇ♡】


「え?え?なんで、黒龍とギンは知ってるの!って、ラウも?えー?誰だろう。」


「おい、黒龍。素でわかってないぞ。」

「お姉ちゃん・・・。」


残念な目で見られている。

なんでだ!


【まあ、AIが組み込まれたからといって、すぐに育つわけでもないのですが、そこはラウに協力してもらいました。ラウにはお気に入りの人がいるとその人はこの作られた世界の住人を種族関係なく“人”として扱い、作られた人々に“想い”をあたえている、と、聞きました。その人の周りを見ていたら色々学ぶことに成功しまして・・・】


む、理想の人の話?・・・・あれ。ラウのお気に入りの人?・・・。この世界の人を人として扱っててる人・・・

あれぇ。なんか、冷や汗が出てきたんですが?


【けれど、女性の方なため、結婚とかはできそうにないので、契約という形で側にいさせてもらっていると。だから、私も契約して欲しいんですが・・・ねぇ?】


あっれぇ。気のせいかな。ラウと契約ってことは私ですよね。つまり・・・


「おい、やっとわかったみたいだぞ。」

「遅いよ。お姉ちゃん。」

「ふぇ?!だって、男の人だと思うじゃん!」


「いや、熱い眼差し向けてんだから気づけよ。」


【あまり、私のユウキ様をいじめないでくれます?怒りますよ?】


「なんで、俺が悪いみたいになってんの?!」


『バハムート様・・・お手伝いしますよ?』

「ちょっ、ユウキ!助けろ!!うおっ?!」

と私の後ろに隠れようとするギンは黒龍に足を引っ掛けられこける。


「あ、すみません。僕のお姉ちゃんに触ろうとしたように見えて、つい。」

「ここ、鬼しかいねぇんだけど!?」


掲示板では私に味方いなかったけど、フィールドだと、味方がいっぱいだ。やっぱ、攻略より、こっちの方が落ち着く。


「ふふふっ、おもしろい。ふっくくく。」


「いや、笑ってないで助けろよ。」

とツッコミをしたギンは気づく、追撃が来ないことを。後ろをそっと振り向くと、


【・・・笑った。】

『はぅ〜』

「可愛いなぁお姉ちゃんは」


ギンはこの時思った。

ユウキなら本当にこの世界の女神になり得るのじゃないかと。同時にログアウトしたら、社長を問い詰めなくてはならないなと。



「それでー、ギン?どーすればいいの?」

私は後ろからバハムートにハグをされている。

・・・結構あるね。いや、何がとは言えないけど。あります。私は・・・平均並みだから。少し羨ましい。


【私は離れませんよ!!!】


「ちょっと待ってくれ。社長呼んでくるから。流石に社長に許可貰わないと。」

と言って、ログアウトして言ったんだけどね?暇じゃん?ご飯作ろうと思っても道具無いし・・・

東ということは、獣人族の国がいいな。行ったことないし。いや、でも。すぐ戻ってくるかな。


「お姉ちゃん、何悩んでるの?」

「いや、暇つぶしに獣人族中に行こうかと。」


「・・・お姉ちゃん、ビースト街道の敵倒せるの?」

「うん、倒せるけど?」

「・・・お姉ちゃん強過ぎ。」


【連携させる動きを搭載したビースト街道でしたが、ユウキ様には効かなかったのですよね。】


「いや、家族が強すぎるだけだよ?」

『そんなことはないです!ユウキ様の方が強いです!』

【嗚呼、いいわね。家族。私もなりたいなぁ〜。】


「それにしても、バハムートって契約したいと言ってるけど人じゃできないよね?」


【はい、できません。これでも一応、人化のスキルを使って人に化けた魔物という設定なのですよ?本来の姿というものがあります。】


「へー!かっこいい!気になる!」

黒龍が興味津々だ。


「何かは教えてくれるの?」


【はい、構いません。ユウキ様はフワフワな魔物達がお好きだと聞きましたが、他にも好きな魔物がいると聞きました。そして、私の名前はバハムート。ということで・・・・】


キィィィーーン!!!!


白い光に包まれ形を大きく変える!

プラチナ色の体に頭から背中にかけて黒い鬣が風に吹かれて揺れ、背中からは天使の翼と鋭い翼が一対ずつ生えており、瞳は夜空のような藍色に変化。

大きさは恐らく、城門ぐらいは・・・あるかな。


・・・・・・・・・。


「「・・・。」」


【??もしかして、お気に召しませんでしたか?】


「「か。」」


「「かっこいいーーー!!!!」」

「うわぁ!ドラゴンだ!いいな!いいな!あ、触ってもいい?触りたい!!背中にも乗りたい!!!!」

「僕も!うわぁ!かっこいいよ!この世界来てよかったぁ!早く龍人の国行って、僕もなりたいー!!」


目の前でドラゴンが出現したことにより、興奮状態に陥る姉弟。


【も、もちろん。触っても構いません。乗ってくださっても良いです!その代わり契約してください!!!】


「契約かぁ。したいっ!!けど。うぐぐ。早くギン帰ってこい!!」

【してくれるのですか!!?契約が嫌なのでは?】

「え?違うよ。マザーコンピュータだから、流石に抵抗があっただけ。だって、この世界を管理している大切な仕事に支障が出たらいけないし、それに、仕事しながら私の相手って疲れない?」


【・・・まさか、私の心配をして躊躇ってくださっていたのですか!?大丈夫です!マザーコンピュータですから、支障をきたすなんてミスは起こしません!しかも、仕事しながらユウキ様のお相手ができるなんて癒しの他に何があるというんですか!一生お側に居ます!!!!】


「・・・・・あー。愛の告白中悪いんだけど、誰か、状況説明してくんね?・・・ナニコレ。」

「・・・なんで、龍が東フィールドに現れてるんだ!バグか!?近藤!どういうことだ!」

「いや、俺もわからないから分かる人に聞こうとしてるんです。・・・・・・で?」


「あ、おかえりーギン。で早速なんだけど、バハムートと契約して良い?今すぐ!」

「契約したらね!触って良いって!!!」

黒龍が興奮状態からまだ帰って来ていない。目がキラキラしている。

つまり、話を整理する担当が不在である。


「落ち着け!この龍はなんなんだ!」


「え?だから、バハムートだって。もう、しょうがない、話が進まないし、黒龍?ちょっと触るの我慢できる?」

「うぅー!い・ま!触りたいのにぃー!!」

駄々っ子黒龍がいる。

「後でいっぱいナデナデしていいからね?というか、私もする。」

「・・・・・・・むぅ。わかった。」

「んじゃ、よろしく。」


【ふふ。はい、かしこまりました。】

元の人型に戻るバハムート。


「なん?!」

「あー、そういうこと。つまり、最強ユウキ最強の龍バハムートが契約したいとねだってると。」

社長さんは驚き、ギンは納得顔。


「ほ、本当にバハムートなのか!!私だ!広坂暁人だ!お前の名付け親だぞ?」


【聞かれなくてもわかっています。お久しぶりです。】


「か、かわいい!俺の好みだ!正しく育ったのか!ほら、こっちにおいで!」

「いや、あの、社長・・・無理だと・・・」

「は?何言ってる。断るはずが【お断りします】はい?!」


【ですから、お断りします。貴方より素晴らしい人に巡り会えたので、もう興味のカケラもありません。あぁ、もちろん。マザーコンピュータとしての仕事に不備はないようにしますし、支障をきたすことはないと思いますのでご安心を。】


「お、俺よりいい奴だと?・・・・・・誰だ。」

「・・・・・。」(頑張れ、ユウキ。)

「・・・・・?!」(ちょっ、丸投げ?!)


【紹介するのは構いませんが、その人に何かしたら、怒りますよ?】

「・・・・・どんなやつかによる。」


【紹介・・・といっても、目の前におられる。こちらのプレイヤー、ユウキ様ですよ。少しは知っておられるはずです。始まりの国の好感度を初めてMAXにあげただけでなく、この世界のAIを育て上げたプレイヤーですから。】

その紹介が終わり、私に目を向け、見開く社長さん。


「あ、えっと。どうも。ユウキです。」


「・・・おい、近藤。」

「・・・なんでしょう。」

「俺の嫁用にAI搭載したのに、なんで、百合に育ったんだ。教えてくれ。」

「んなこと知りませんよ。あ、そうそう、いっておきますが、AIのリセットとか出来ませんからね?もしそんなことしたら・・・」

「はっ!どうなるっていうんだ。」


【貴方方はこの世界からいらないので、強制ログアウトさせ、ユウキ様、黒龍様、他、数百万のプレイヤーの中で気に入ったものだけ残してこの世界に閉じ込めましょうかね。】


「っ!?」


【現実世界では問題になるでしょうね。数百万の人間がゲーム世界に閉じ込められた、と。】


「俺はログアウトさせないでくれ。この世界の方がいい。」

「っ近藤?!」


【ユウキ様と契約してもいいなら構いませんよ?】


「別にいいんじゃないか?本人も契約したいっていってんだから。」


【なら、いいです。それで、そちらの方はどうなされます?】


「っくそ!裏切り者!」

「別に、デスゲームじゃあるまいし、いいじゃないですか。彼女欲しいなら現実世界で頑張ってください。テレビに映ったらモテるかもしれませんよ?」

「んなことあるわけないだろ!モテる前に刑務所だよ!」


「あのー。バハムートは別に貴方のこと嫌いじゃないと思・・・」

「うるさい!黙れ!だいたいお前のせいなんだぞ!このーー!!・・・っ!?」


【・・・今。ユウキ様を粗末に扱おうとしましたね?発言を封じさせてもらいます。】


社長さんの目の前に“警告!”のマークがチカチカしてる。

これはやりすぎだと思う。

「バハムート?ちょっと落ち着いて。」

【ダメです。こいつは今すぐにただか出さなくては!】

「バハムート・・・落ち着かないと契約しないよ?」

少し凄みながら脅しつける。

【っ!】

ビクッと体を震わせ、私を見る。


「バハムート。少し黙っていようね?それと、社長さんの発言を許可しなさい。お話しするから。」

【・・・・・(コクコクコク)】

口を抑えて、首を縦に振るバハムート。


「えっとー。何言いたかったんだっけ?まあ、えっとー、社長さん。恋人が欲しいなら現実世界で見つけてください。社長さんぐらいのイケメンならすぐにいい人に出会えると思います。バハムートが興味のカケラもないといってましたが、先ほどAIの搭載をしてくれた人でいい人だと言っていましたので。興味のカケラはあると思います。何にも感じなくなったら話さなくなると思うし、又は、仕事放棄して、消息を断つと思います。・・・だから、バハムートのこと許してあげてくれませんか?」


「・・・・・・君。名前はユウキだったね。なんで、何にも感じなくなったらどうなるか、わかるんだ。」


「・・・・・・まあ、簡単に言うと経験済みだからですかね?うちの両親は私と弟に興味をなくして話さなくなり、育児と言う名の仕事を放棄して失踪したので。」

もう、親の顔すら私自身も覚えてない。


「「【っ!】」」

「・・・。」


「まあ、母方のお婆ちゃんや、お爺ちゃんが手をかけてくれて、なんとか、生きてこれましたが。聞きたいことは以上でしょうか?」


「あ、あぁ。その。すまなかった。」

「別にいいです。ね?黒龍。」

「うん!僕、親の顔覚えてないし。」

「バハムートも、相手が嫌な思いをする言い方はダメだからね?後で、言ったことを後悔してモヤモヤした感じが残って嫌な気持ちになるのは自分なのだから。わかった?」


【・・・はい。申し訳ございません。】


「私じゃなくて、社長さんに謝ろうね?」

「!・・・。」

社長さんは驚き、私の方を見てバハムートの様子をうかがう。


【っ!・・・・・・。あの、広坂暁人様・・・その、名付け親に向かって刃向かう行為をしてしまい、申し訳ありませんでした。・・・でも、私はユウキ様のお側にいたいです。もっと、いろんなことを学ぶために。】


「・・・だが、流石に世界バランスがおかしくなるぞ。」


んー。そこは、

「何かしらの制限かければいいんじゃないの?例えば、ステータスはレベル1からで、スキルも全てレベル1。スキルの数も、最初は減らすとか。今どうなってるか知らないけど。ダメなものは社長さんとか、運営の方で話し合って決めたりとか、バハムートが絶対残しておきたいのは言ってもいいんじゃないの?」


「【・・・・・・。】」

きょとんと広坂社長とバハムートは呆ける。

「お前は、なんで最良の案をすぐ思いつくんだ。」


「・・・・・・知らん。」

『天才だからでは?』

「いや、それはない。」

「うん、それはない。」

「まあ、天才は黒龍の方だしなぁ。私は料理とか、戦闘のみだし。」


「じゃあ、まあ、そんな感じでいいんじゃないか?手配頼むな、近藤。・・・・・・なあ?ユウキ・・・さん。本名は聞いてもい・・・いっ!?」

黒龍は剣先を首元に向け、バハムートは手をピンっ!と鋭らせ、首元に当てる。


「僕のお姉ちゃんに手を出すことは禁じられてます♪破ったら10回くらいあらゆる方法でHPを0にして、トラウマ刻みつけますよ?」

【黒龍様、それだけでは甘いです。ログアウト出来なくさせて、死なせてくれと願うほど痛めつけた方がいいに決まってます。もちろん、その時はお手伝いしますよ?】


「わ、わかった!手を出さないし名前も聞かないから!許してくれ!!」


この光景、何度見ても面白い。人は違うけど。

私は、過保護な家族に囲まれている。なんか、当分、そんなことなかったからなのか、今凄く。幸せです!


「ほらほら、2人ともやめなさい。困ってるでしょう。ほら黒龍、バハムートの設定変更前に撫でまくったり、背中に乗せてもらわないと大きさが変わったりするかもしれないから、ね?」

「はっ!そうだった!!バハムート!ドラゴンになって!なって!!」


【はい、かしこまりました。しかし、ここでやるとそろそろ騒ぎになるので北に行きましょう。】


バハムートが騒ぎになるのでと言った理由がよくわからなかったが、辺りを見渡すように言われると、東門入り口前でフリーズした、プレイヤー複数。


「・・・ねぇ。この人たちいつからいた?」

「わっ、本当だ!」

「え。お前ら気づいてなかったの?!」

「私たちが来た時にはもうこうなっていたぞ?」


【途中からいましたが、フリーズしているのは恐らくドラゴン型の私を見たからではないでしょうか?】


「あぁ、そんな前からいたの。じゃあ、クルードに乗って移動しようか。東門通らないし。北に行ってからバハムートを堪能しよう。サモン:クルード!」

「キュルアー!!!」


「でかくないか!?」

「か、完全体?!」


「え?まだ幼生だったよ?」

ステータス確認してみるか。


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