第77話 襲来!
道中、黒龍とも合流して、市場で買い物して、生産ギルドに入ると三人のプレイヤーとルキアさんがお話ししてました。
「あ、ユウキ様、お客様です。」
ルキアがユウキが来たことに気づき、声をかける。
「あ、うん。えーっと、アカギ、ベオル、チルトでいいんだっけ?」
「「「はい!!!」」」
「え?誰?」
「えっと、あの、私達をPKして来た元PKだよ。」
「・・・・・・なんで、仲良くなってるの?」
黒龍は目つきを変え、三人を睨みつけながら聞く。
「んー、成り行きで?でも、もうPKしないって言ってるから安心して。キャラも作り変えて、サモナーになったんだって。」
「・・・・・・。」
信じられないようで警戒する。
まあ、すぐに警戒は解かないほうがいいよね。元PKだし。徐々に慣れてくるでしょう。
「で、フレンド登録だよね。今申請送るね。・・・・・・はい、どうぞ。」
「お姉ちゃん?な・ん・で!フレンド登録??」
「まあまあ、サモナー同士だからね?アドバイスとか欲しいって言われたし。」
怒ってるな。後、お菓子で誤魔化せるかな。お昼だし、何かご飯も作りたいな。
「・・・。」
「あ、あの。申請は受理してもよろしいですか?」
「いいよ、いいよ。・・・よし、三人受理したね。じゃ、ここで解散だね。ほら、黒龍行こ?みんないるかもよ?」
「・・・ねぇ、そういえばなんで生産ギルドで掲示板いじるの?拠点でやればいいじゃん。」
「えっとね、ツキヨが改築するから今日は拠点使わないでって言われてるの。ログインとログアウトはできるけど、そのほかの機能・・・調理とか出来ないから、生産ギルドで話し合おうってことになったんだよ。ほら、行くよ。三人も頑張ってね!じゃ!」
三人組が居心地悪そうにしてたから、黒龍の背中をぐいぐい押して個室へと向かう。
「「「ありがとうございました!!!」」」
声揃えてお辞儀して別れたあと、改心した3人組は、自分達がボコボコにしたユウキさんの弟が黒騎士と同じ特徴であったため、黒騎士=弟さん=逆らってはいけない人(ユウキさんマジラブだから。)という方程式の答えに辿り着く。
「チルト、弟子入りするのはいいが、黒騎士様怒らせる行為はやめとけよ?」
「ゼーーーーッタイにしない!!!」
「うん、あれは触れたらあかんやつや。」
「ベオル、お前のキャラぶれぶれだな。安定させろ。」
「・・・何プレイがいいと思う?」
「いや、普通にしろよ。」
「いや、作者が見た目について説明しないからさ、喋り方変えたほうがいいかなって。」
「メタイ!メタイよ?!何言ってんのこの子!・・・はあ、なら、ござるつければ?」
「お、それ簡単そう・・・でござる?」
「うん、もうそれでいいんじゃないの?僕、もう東でレベル上げと新しい家族探していきたいんだけど。」
「お前、やる気満々だな。じゃ行くか。」
そして会話を終了した彼らは旅立つのであった・・・。
〜生産ギルド・個室〜
「お、ほらみんな来てるじゃん!」
「うん。まあ、そうだけど。」
「なんだ?どうした?黒龍。ユウキがまたなんかやったのか?」
黒龍の機嫌を察知したギンが余計なことを聞く。
「なんか、PKと仲良くなってた。フレンド登録もしてたし。」
ふてぶてしく言う黒龍。
「は?何?PKに目覚めたの?!お前がPK側に走ったら誰がPKKするんだよ。無理だろ。」
「いや、別にPK側に走ってないよ。PKをお仕置きしたら、懐かれて、PKけしかけて来た黒幕もボロボロにした後にPKやめるから弟子にしてくださいって言われて、弟子はいらないからフレンド登録だけ許したってだけだよ。」
「え。何それ。どこに突っ込めばいいの?PKがドMに目覚めたところ?黒幕もあっさり見つけて、ボロボロにしたところ?お前に弟子入りした馬鹿について?」
いや、そんなこと言われても。
「ユウキって嫌悪な人を好意的な感じに変化させる能力あるよね。なんかフェロモン出してるの?」
「いやいや、メリーさんそんな、フェロモンなんて出てないから。」
「ユウキさんはフェロモン出してないですけど、美味しいご馳走出せますよね。ユウキさん聞いてくださいっ!料理がやっと出来上がり度6か時々7を出せるようになったんですよ!!」
か、かわいい。笑顔が可愛いです。マジ天使ですイアン。
「そうかー、そうかー。イアン可愛いなぁ。」
なでなでしながら、にやける。
「「ワフ!!」」
と、何を思ったのか、ウインディとヒカルがイアンを撫でてない左手に頭を擦り付ける。
「ん?ふふふっ、ほらほら、よーしよしよし!」
ふかふかな、2人をなでなでしてあげるユウキ。
「はい、そこのサモナー。本題ズレるから、送還しなさい。」
とラタが真面目なことを言うが、
「「グルルルルー!!」」
不機嫌そうにラタを睨みつける2人。
その反応にビクッとするラタ。
「・・・・・・ぷっ。クスクスクス。さっきみんなにお菓子あげるって話したからそれが終わったら還すよ。ほら、2人も唸らないの。」
「「オン♪」」
「怖ぇーよ。敵に回ったら完敗するわ。」
『そんなことは置いといて!ユウキ様!今日は何をおつくりになるのですか?』
「んー。何がいい?なんか、アイデアある?」
『お菓子も興味をそそりますが、ご飯の方も食べてみたいです!』
お、ご飯系ですか。ウインディにはサンドイッチ食べさせたことあるけど、他のみんなはないもんね。
「今日はパスタにしようと思ってたから、みんなで食べようか。えっと、材料は足りるかなー?・・・・・・うん、まあ。大丈夫だと思うからやるね。ミートスパゲティ嫌いな人とかいる?嫌なら、カルボナーラ作るけど。」
集計結果、ミートスパゲティ8人、カルボナーラ7人になりました。
家族はどっちも食べるそうです。
さてと、材料を使う分だけ切って、調味料も揃えてっと、
「オリジナル/レシピ/パスタ/カルボナーラ/調理!オリジナル/レシピ/パスタ/ミートスパゲティ/調理!」
【生パスタのミートスパ★】
品質A 出来上がり度10
効果:空腹ゲージ70%回復
HP50%回復
MP20%回復
説明:パスタから手作りされたモチモチの食感なパスタ。ソースはミートソースで、よだれが止まらなくなる一品!
追加効果:攻防力30%上昇(1時間)
HP自動回復(1時間)
【生パスタのカルボナーラ★】
品質A 出来上がり度10
効果:空腹ゲージ70%回復
HP50%回復
MP30%回復
説明:パスタから手作りされたモチモチの食感なパスタ。ソースはカルボナーラソースでよだれが止まらなくなる一品!
追加効果:魔攻防力30%上昇(1時間)
MP自動回復(1時間)
「・・・・・・うん。鑑定せずに召し上がれ!」
「いや、しますから。何を作り出した、ん、だ・・・?!」
『ユウキ様、これはもはやチートです。』
「神レベルどころじゃねえぞ?!」
『美味しそー!』
順にギン、ラウ、ラタ、トーカです。
その他の人々は硬直したまま動かない。みんな鑑定持ってるのか!!
「そんなこと言っても・・・作れたんだもん!知らないよ!」
「だもんレベルじゃないよ?お姉ちゃん。これ食べた後掲示板じゃなくて攻略に行きたいよ。」
「「「確かに。」」」
黒龍までもが裏切った!
「食べないなら、ルキア達にあげてくるからお皿返して!」
「「「「「「いやいや、食べないとは言ってないから。」」」」」
奪おうとしたら皿を自分たちの方向に持って行き、隠した。
ちっ!
「次に文句言ったらウインディ達のおかわり分にするからね!」
ぴくっと反応した先に料理を食べ出していた私の家族は顔を上げ嬉しそうそれぞれ反応する。
『くれるのですか!?』
『おかわり?』
「「ガウ??」」
「キュ?」
「「「「「あげないよ!」」」」」
もうほっといて食べよう。
お腹すいた。
ちなみに私はミートスパです。うまうま。
「あいつ、俺たち無視して食べ始めやがった!」
「・・・食べるか。」
「そうだね。」
「いっただっきまーす!」
「「「「「旨っ!」」」」」
とまあ、こんな感じで昼食を食べ終え、満腹になった家族を送還して、本題に入・・
「ふむ、何の話し合いをするのだ?」
「「「「え。誰?」」」」
と、ミリアと清龍の女性陣と光龍と火龍
「「え、なんでいんの?!」」
声が揃うノアとラタ。
「お姉ちゃんの真隣になんで座ってるのか聞いてもいいですか?」
武器を構える黒龍。
「黒龍落ち着け。武器しまえ!」
を抑えようとするギン。
「あ、うん。マジで何してるんですか?魔族王キース様?」
「「「「へ?」」」」
突然の魔族王キース様襲来。
「む、だって、遊びに来るといいながらなかなか来ないから直々に来てやったのだ!それにしても、いい匂いがするが、食事はまだあるか?我も欲しい。」
「まあ、材料はまだありますけど。ちょっと待ってください。今作りますから。・・・とりあえず腰に当てた手を離してくれます?」
「別にこのままでも作れるだろう?」
「・・・お姉ちゃん、作らなくていいからね?」
剣を抜いた状態で振りかぶっている黒龍。
それを平然と無視するキース。
修羅場!助けて!誰か!
と視線を流すが・・・
ギンは黒龍を抑えるので必死。
ラタとノアはどうにもできないと口パクでお知らせを流してくる。
火龍、光龍そして、女性陣は目をそらす。
そんな中救世主が!!
パコーン!!
「何してんですか!陛下!」
「いい加減にしましょうか。陛下。」
いい音が響きました。でも、剣の鞘で殴ってあの音って出るの?
「あ、いいところに!」
「なんだお前ら、邪魔をするな。帰れ。」
「陛下も帰りますよ!仕事が嫌だからって急に転移で逃げないでください!!しかも、なんでユウキ様のところ!」
「申し訳ありません。うちの陛下が。ご迷惑おかけして。」
フランが謝罪し、レイヴンがキースを無理やり私から引き剥がす。
ふう、やっと離れた。
その瞬間、ギンの手から逃れた黒龍がギューとしがみついてくる。
「レイヴン!貴様のせいで我の定位置が奪われたじゃないか!どうしてくれる!」
「んなこと知りません。帰りますよ!」
「あ、レイヴンさん、フランさんありがとうございました。キース、お仕事頑張って・・・料理をお土産として持って帰っていいから。フランさんに渡しときます。仕事が終わったら食べさせてあげてください。」
「助かります!この前のケーキ本当に美味しかったです。その、部下にも食べさせたいのと陛下のおやつ用に貰いたいのですが。作れますか?」
「あ、はい。いいですよ。えっと・・・・よし。ケーキは・・・何に入れましょう?料理は皿ごとでいいですか?」
「はい、ありがとうございました。異空間に入れておくので崩れたり、冷めたりしませんから。ご安心ください陛下。」
「ほら、ご褒美あるんですから帰りますよ!早く終わらせないと、俺たちが食いますからね?」
「な、ず、ずるいぞ!我の異空間に入れるから渡せ!」
「フラン!先に行け!」
「待て!!」
・・・・・・嵐は去った。
「なんで作ってあげるかな?お姉ちゃん?」
・・・・・・・・去ってない。助けてください。