第76話 アドバイス
翌日・・・
〜東の街道〜
「こんなところ呼び出して何の用だよ。依頼は達成したんだろうな?」
「いや、しなかったから、報酬分の金返すわ。それと、俺たちPKやめるからこういう依頼これからもうしないでくれ。」
と長男が言う。
「ハア?!負けたのかよ。まさか、俺の情報流してねぇだろうな!?」
「悪い、流した。」
次男が全然反省してない感じで素っ気なく答える。そして、最後に三男が。
「突然ですが、ゲストがおられます!」
「やあ?こんにちは?ギルネスト君!」
私はにこやかに草むらから出てくる。
「ッ?!」
おかしい!!こいつらしか感知スキルに引っかからなかったぞ?!待ち伏せなんかできるわけ?!
「意味がわからないって顔してるね♪意味は分からなくていいからさ、とりあえず、罰を受けようか。私の家族ボロボロにしてやれって言ったそうだね?お前が精神ボロボロになれ?イリュージョン!」
幻覚魔法を即座に使う。何を見せるか、それは・・・虫だらけの世界♪虫といっても何が嫌いで何が嫌なのか分からないからね?私が知ってる蛾シリーズとイモ虫シリーズぶっ込んでみました♪
うわ、反応が気持ち悪い。閉じ込めよう!!
「アースシールド!よかった、間に合った。」
あ、ちなみに、ギルネスト君はイリュージョンにかかってすぐに悲鳴をあげて手足についたであろう虫を払いのけたり、地面這いずり回ったりして見苦しかったから閉じ込めました。悲鳴が響きますなぁ。それと、幻覚魔法レベルが2だから2分これが続きます。
「「・・・怖ぇ。」」
「おぉ!みたことないアーツ!」
三兄弟は2人が怯え、1人はアーツに反応する始末。
「あれ、君らはもう解散していいんだよ?用は終わったし。」
「・・・・あ、いえ、その。俺たち、キャラ作り変えて新しく始めようと思ってまして。サモナーになろうかと思ってるんですよ。」
と長男君。
「へぇー。サモナーが増えるのは嬉しいけど、それがどうかした?」
「それで・・・「弟子にしてください!」ちょっ!俺が話ししてんだろうが!・・・あ、待ってください、俺達はフレンド登録してもらいたいと言うか。サモナー仲間としてみてほしいと言うか。時々アドバイスとかもらえたらいいなとか思ってまして・・・」
「ふーん。フレンド登録かぁ。なんか、私とフレンド登録するのレアらしいんだけど、自慢とかしないならいいよ?アドバイスとかっていっても昼にスキルに関してとか掲示板で話す予定だからそっちみて、それでも分からなかったら答えてあげる程度ならいいけど?」
「「ほ、本当ですか?!それでもいいです!お願いします!!」」
「あの!弟子に!」
1人はまだ言ってるな。
「弟子にって言ってるけど、何の弟子?サモナーならそこの2人と一緒にやればいいだろうし、サブ職の弟子って取る気ないし。」
「お、俺!ユウキさんみたいな戦闘スタイルを掲示板で調べたり、はじまりの国の人達にどんな人か聞いて回ったんですが!一流料理人だったり、素早い動きで敵を圧倒する冒険者だったり、トッププレイヤーよりもトッププレイヤーだったりって聞いてきて!ますます、ユウキさんのことが知りたくなったんです!そして、ユウキさんを知って超えたいとも思いました!だから、弟子にならせてください!!!」
・・・白熱した説得ですな。なんか目覚めさせちゃった?え、どこのタイミング?!何かした?私ボコボコにしてボロボロにしただけだよね?!・・・・・・まさか、それ?えぇ。どうすればいいのこれ。
私が固まって悩んでると、
「あ、あの。フレンド登録だけでも満足はすると思うので、フレンド登録だけしてやってくれませんか?」
「ちょっ!俺は弟子になりたいの!兄ちゃん達は黙っててよ!!」
「ってか、本当に兄弟なんだね。あ、名前聞いてないや、なんて言うの?」
「自己紹介してませんでした!!長男のアカギです!」
「次男のベオルです。」
「三男のチルトです!!」
・・・・・・アカギ、ベオル、チルト
・・・・・・A、B、C?
うん、マグレだよね。マグレ。
「うん、よろしくね。じゃあ、とりあえずフレンド登録はしてもいいとして。弟子の件は保留でいい?チルト。」
「いつまでですか!!」
「んー。とりあえず、東と西のボス倒せるようになるまでかな。もちろんサモナーでだからね?ちなみに私の家族とかぶっても構わないけど、自分なりやり方で仲良くなった契約獣と一緒に戦って勝てたら、教えて。」
「・・・最初の課題ですね!わかりました!頑張ります!!スキル構成も、自分で組み合わせるんでしょうか。」
「スキル構成も自分で、ね。フレンド登録は新しくキャラ作り変えてじゃないとできないだろうから、どこかで合流できたらいいんだけど。」
「今日のご予定は?」
「昼からは生産ギルドで掲示板いじってるから、んー。じゃ、ルキアさんかジェイドさんに君らが来たら呼ぶように伝えとくから、ルキアさんかジェイドさんに話しかけて。」
「了解です!」
「わかった。作り直したら、昼に生産ギルドに集合だな。」
「何と契約できるかなー。サモナー専用掲示板とか作るかなー?交流会とかしたいしな!」
なかなか、いい子たちじゃないか?何でPKしてたんだ?まあ、どうでもいいか。
さて、そんなことをしてたら2分過ぎちゃったよ。アースシールドを解除してみると、
「うわぁ、失神してるわ。これでトラウマが深く刻まれたね!そろそろ起こすか。」
恒例の水をかけて起こす。
「ッ!!ヒィ?!」
「ほらほら、もう虫はいないから落ち着いて。」
「ゆ、許してください。ごめんなさい。勘弁してください。」
「あまり、人を見下してプレイしないでね?自分が強いなら自信持つのはいいけど、私、一応トッププレイヤーらしいから。準備が結構必要だと思う。この世界って、オリジナルスキル的なものもあるらしいからさ、そう言うの作り上げて対抗できると確信したら挑んでくるといいよ。あ、人を使ってじゃなく、自分で来てね。パーティー組むくらいならいいけど、他人の手でやっても楽しくないでしょ?わかった?」
「・・・・・・はい。」
「「・・・。(やっぱりこの人の弟子になろうかな。)」」
「わかったならいいや、あ、立てる?私はちょっとこの先に用事があるから、もう行くけど。帰れる?ダメそうなら護衛するけど。」
「ッ!な、なんで護衛?」
「え、そんな風になったのって私の罰のせいだし、送ることぐらい当然でしょ?」
「・・・・・・。大丈夫だ。自分で帰れる。」
「まあ、俺たちもいますから大丈夫ですよ。噴水広場に帰らないとキャラ変更できないし、ギル坊も色々思うところあるだろうし。」
次男のベオルも大丈夫だろうと言ってるし、いいか。
「じゃあ、よろしくね。私はそろそろ行くよ。サモン:ウインディ、ヒカル、ラウ、ムーン、トーカ!」
「「オン!!」」
『ユウキ様!』
「キュ!」
『ユウ姉!』
私はみんなを呼んでヒカルにまたがり、ウインディの頭の上にトーカ、背中にムーン、私の肩にラウといった感じで街道を抜けた。
「「「「・・・・・・・・・。」」」」
「・・・次は正々堂々絶対に勝ってやる。」
「何あのパーティ!カッケェ!」
「おぉ!本当にボスに乗ってる!!スライム色変わってねぇか?!」
「流石、俺の目指す目標!カッコイイ!!」
と、様々な感想を言う残りの人達。
「早く戻ってサモナーになるぞ!」
「やばっ楽しくなって来た!」
「早く最初の課題やりたい!」
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〜分かれ道〜
←ビースト街道
→アップデートをお待ちください。
・・・未完成かっ!
何があるのか期待したと言うのに!イベントとかで開かれるのかな?
まあ、ここは一択だなぁ。
と言うわけで左に曲がりまーす。
〜ビースト街道〜
「さ、どんな魔物がいるのかな♪?」
『動物系がいそうですよね、何が出るのでしょう!楽しみです!』
『あ!なんか動いた!』
お、トーカが何かを見つけたようだ。
「グルルルル」
「虎だ!かっこいい!契約したい!」
「ウォン?!ガァ!!!」
私が契約したいと言ったら何やらウインディが過剰反応。そして、炎魔法レベル1のフレアで一瞬で討伐。・・・あぁ、鑑定まだなのに。
「あー、ウインディ。なんで倒しちゃうの!鑑定もまだしてなかったのに!」
「・・・フンス!」
鼻息荒いなウインディ。次の虎も吠えさせることなく見つけた瞬間討伐。
「だ、か、ら〜ウインディ!!鑑定させて!」
『ユウキ様、おそらくこれ以上アニマル系でユウキ様が乗れそうな魔物は契約するな的な意味ではないですか?』
「え。なんで?!」
「ウォンウォン!!!」
『あー、やっぱり、出番が減るから。だそうです。』
出番が減るからそんなメタイことをいつ覚えたの?!
んー。そうか、だめか。
「・・・・はあ、そうかー。ウインディは1番古株でこれから増えてくるであろう契約獣たちの指導とかしてもらおうと思ったんだけど、そうか。嫌かぁ。じゃあ、諦めるしかないかなー?・・・・・・(チラッ)」
「ウォン?!グゥーーウゥー・・・・オンオンオンオンオン!!」
『やっぱ契約していいそうです。』
ちょろい奴め。
「じゃ、次に出て来た魔物は鑑定させてね。それから契約するか決めるから。」
「ウォン!!」
「それにしても、炎魔法は威力高いね。ファイアシュートの火より青くなってるから威力上がってるんだろうね。さて!昼まで次の獲物探しだー!!」
『『おー!』』
「キュー!」
「「オォーン!!」」
街道を歩くこと、数分後。虎が一体でてくる。大きな蛇も一緒に。
「え。蛇も一緒に?!これ、西のフィールドに出てきたやつとは別物だね。鑑定鑑定!」
【フォレストタイガー:LV21】
HP:900 MP:200
弱点:火、炎、爆 属性:風、土、森
説明:森に生息する虎の魔物。見た目が緑で森の中だと、木々に擬態して敵に近づきしとめる事が主流。
【アナコンダ:LV26】
HP:960 MP:260
弱点:打、雷 属性:水、森
説明:大型の蛇の魔物。水の中で素早く動いたり、木々の上をつたって移動する蛇。素早く動くため、なかなか攻撃が当たらず、体力も多いため倒すのが困難。
おおー!闇討ち虎か、いいなー。でも擬態っていっても、森限定だろうなー。契約は保留にしようか。
「というわけで契約は保留にします!倒すよ!」
『どういうわけかわかりませんが、わかりました!』
「ガウ!!」
ウインディがフォレストタイガーに向かっていき、ラウが蛇を影糸で縛り固定する。
「ギシャー!!」
ラウの影糸はレベルが上がって、斬る力は上がってるはずだけど、締め付けてるだけということは、鱗が硬い!それなら!
「ラウ!次、鳴き叫んだり、口開いたら、口開いたまま固定して!・・・!」
「ギシャー!!!」
蛇はラウの糸を噛み切ろうと口を大きく開ける!
それを指示通り上顎を絡ませた糸を木に固定、下顎にも糸を絡ませ地面にくっつけさせる。
「ガァ?!」
「ナイス!ハァ!!」
剣に風魔法を纏わせ、口に剣を入れ、そのまま尻尾まで振り切る!
「ッーー!」
蛇は真っ二つに分かれ粒子となり消えた。
「よし!成功!」
『凄いです!なんですかあれ!あんな倒し方普通考えつきませんよ?!』
「はいはい、まだ終わってないよ・・・って終わってたか。」
「オォーン♪」
ウインディが1人で倒してしまったみたい。まあ、さっきから瞬殺してたしね。
ピロン♪
ユウキのスキル魔剣のレベルが3になりました。
ピロン♪
ラウのスキル影糸のレベルが6になりました。
ピロン♪
ウインディのスキル炎魔法のレベルが3になりました。
『むー。瞬殺しちゃった!出番なし〜。』
「キュ〜・・・。」
「あ、ごめん!でも、スピード重視の魔物多いからなぁ。回り込むより先に倒しちゃった方がいいんだよね。んー。他の戦う手段増やさないとね。ムーンは幻覚魔法で敵を引きつける役と、回復役。トーカは闇討ちと、土魔法使えば自分で死角作って動き回ったり、それを私たちも使って動けばサポート役としてもできるよね。」
『なんか、ユウキ様戦略を考える天才に見えてきました。』
『すご〜い!そっか。そういう感じに動けばいいんだね!』
「キュー♪!!」
「オン?」
「ガウ?」
ん?ウインディとヒカルがこっちをじっと見ている。
『ふふっ、おそらく2人もアドバイスが欲しいのだと思います。あ、私も欲しいです!』
「え。アドバイスって、えーっと、ウインディとヒカルは二刀流スキル持ってるから、ウインディは魔力纏と炎魔法を併用して、炎纏って攻撃・・・とか。ヒカルは雷纏って攻撃・・・とか?」
「「!!オォーン♪!!」」
『早速やって見たいそうです。あの!それで、私は?』
「ラウは〜んー・・・隠密を進化させて潜伏で、敵に察知される前に倒すとか、私のサポートとかできると思う。影糸も、何か進化するかもしれないし、その進化後にもよって戦略は増えていくと思う。」
『ふむふむ、では、隠密と影糸のレベル上げ頑張ります!』
「あ、でも、影魔法もまだ、シャドウスピア以外にまだあるかもしれないから、影魔法も育てていきたいな。私も、他の魔法育ててもっと強くならないと!みんなに負けないように!」
『む、我々はユウキ様に勝つのが目標なのに、目標はどんどん上に行ってしまうのですね。ふふふ、頑張らないといけませんね、皆さん。』
『頑張るぞー!』
「「オォーン!!!」」
「キュー!!」
まさかの、私が目標?
「それはそれは、油断ならないね。頑張らないと!・・・・って、こんなことしてたらもうお昼か。ウインディ、ヒカル今提案したやつはまた今度。はじまりの国に戻るよ〜。」
「「キューン。」」
ガーンって文字が背後に見えるほど落ち込む2人。
「ほらほら、行くよ?それともお菓子は無しでいいのかなー?」
「「?!クォーン!!」」
お菓子と聞いて、私の腰回りを、スリスリ攻撃する2人。くすぐったい。
「ふふふ、じゃあ、行きはヒカルだったから帰りはウインディね。みんなも乗った?」
シュタッ!
とラウ、トーカ、ムーンはヒカルの背に飛び乗る。
『早くお菓子食べたいです!!』
『おっかし〜♪』
「キュッキュッキュー!!」
あらら、お菓子で釣れたのが他にもいたか。材料買って、生産ギルドに行かないとね。
今日の掲示板は荒れるだろうなー。あははは〜。