第66話 魔王が増える!
一部文章を変更しました。
〜分かれ道〜
分かれ道?まあ、そうか、1つの方向に1つの国があるばっかりじゃないよね。他の方向にも分かれ道あるのかな?ウインディ達と駆け抜けてたからな。今度はゆっくり探索してみるか。
あ、なんか書いてある。
←鉱山への道
↑???の遺跡
→魔族街道
おぉー!あれ?魔族街道?なんで、魔族街道じゃなくて鉱山への道にキースはいたんだろ?
「ねぇねぇ、キースはなんで、鉱山への道に居たの?魔族街道じゃなくて。」
「ああ、鉱山へ向かうという情報を得たからなあそこで待ち伏せていたのだ。まさか、ユウキが一人で来るとは思わなかったが。」
「いや、最初は弟と二人だけで来る予定だったんだけど増えちゃってね。」
「ほう、弟がいるのか。我もおるぞ、レイヴン並みに鬱陶しいが。」
「あははー。私は可愛い弟だけど。そういう考え方の人もいるよね。」
「陛下、前から人が来ます。数、5。」
レイヴンがキースの右斜め後ろから声をかけてきた。
「あ、多分みんなだ。」
私は前に駆け出そうとしたが、ぐいっと腰を掴まれたまま動けなかった。
「え?!あの?キース?離してくれないと行けないんだけど・・・」
「別にここで待てばよかろう?どうせこっちに来るのだから。」
いや、腰を掴まれた状態で見られると暴走する子がいるんですが・・・あー。どうしよう。
「オロオロしているユウキも可愛いな。」
「いや、そんなこと言ってる場合じゃ・・・あ、ヤバ!」
私の姿を見つけた一行が駆け足で走ってきた。そして、ずば抜けて早い子が1人。
その子は剣を構え殺気が満ちた顔で迫ってきた。
「む?!」
「陛下!!」
レイヴンが咄嗟に前に飛び出し、その剣を受け止める。
ガキィィィン
「ぐっ!重い!」
「どけ、後ろのやつの手を切り刻むんだから。」
「うぁー。だから言ったのに。」
ブチ切れてますな黒龍。
なだめるために声をかける。
「ほら、黒龍、落ち着いて?ね?大丈夫だから!」
「・・・。・・・お姉ちゃん♪」
「は、はい。」
「何もされてない?」
「されてないされてない。迷子になったから案内してもらっただから、ね?」
「・・・・・・じゃあ、なんでお姉ちゃんの腰に触れてんの?」
「いや、これは・・・離してくれないというか。」
「じゃあ、切り刻んでも構わないよね!」
「いやいやいや、待って、黒龍まで魔族王の怒りに触れさせるわけには・・・」
「「「魔族王?!」」」
メリーさん、ギン、黒龍が驚く。
あれ、残りの2人は?
・・・・・・見つけた。
「ノアー?ラター?どこ行くの♪?」
「「・・・・・・いや、ナンノコトカナー?」」
目をそらしながら後退をやめない2人。
「ようやく見つけた。では早速死んでもらおうか?」
キースが、剣を抜き接近する。
「「ちょっ!助けて、パーティリーダー!」」
「嫌だ。自業自得。デスペナ食らって反省しろ。あ、デスペナ食らった状態でここに来てね?迎えに行くのめんどくさいから。」
「「ま、魔王が!2人いる!!」」
「まあ、サッサッと逝け!」
「「イヤァァァ!!!」」
2人とも両断され、粒子のとなって消える。
さて、次はこっちか。
キースは私のそばに戻ろうとしたが、足を止める。
まあ、黒龍がギューっと抱きついていればそうなるか。
苦笑いで見守るレイヴン、ギン、私。メリーさんは両断されたノア達とチャットしてるみたい。
「・・・おい。ガキ、そこは我の場所だどけ。」
「お前の場所じゃないもん。魔族王だとしても退かない。」
「ほう?叩っ斬るぞ?」
「やってみろ。」
・・・私の大切な弟を叩っ斬ると言ったのかな?キースは。
「・・・キース?私の弟を傷つけたら、消すよ?」
にっこり笑って伝えるのがコツだよ!
「「っ?!」」
レイヴンとキースが身構える。
黒龍もビクッとした。
おっと、つい威圧が発動したかな?
「・・・ユウキ。お前、強いな?あいつらにもパーティのリーダーと呼ばれていたし。・・・どれぐらい強いのか殺りあいたくなったんだが。」
「やめてください。ほら、用事も済んだんだから、帰りますよ!」
レイヴンがキースの肩に手を置く。
それを払いのけ、
「煩いな。お前は先に帰っとれ!我はまだ用事がある!」
「無理です。連れて帰ります。申し訳ありませんでした。我が王がご迷惑をおかけして。」
急に現れた金髪で、赤い目。話すときに時折見える牙。いわゆる吸血鬼?
「えっと?」
「申し遅れました。魔族国の宰相で、フランと申します。これ以上長居すればもっと付きまとわれると思われるので回収させてもらいますね。」
「あ、お願いします。」
「はい、それでは失礼します。」
「あ、待ってください。えっと、多分移動には魔力使ったでしょ?これあげます。」
タルト様を渡す。
「よろしいのですか?」
「はい、美人さんに食べてもらえればこちらも嬉しいですし。」
「美人さん・・・。ありがとうございます。では、一口だけ・・・!美味しい!魔力も回復している?!」
「なんだと?!それ、我も欲しい!」
「あ、ごめんなさい。今のが最後で・・・また遊びに行ったときに作りますから。」
「・・・むぅ。仕方ない。必ず来るのだぞ?!」
「はい。わかりました。」
その言葉を最後に、彼らは闇に包まれ消えた。
「・・・・・・。はあ、疲れた。」
「疲れたのはこっちだ!」
「お姉ちゃん!どうやって遊びに行くの。城なんか入れないでしょ?」
「あ、それは大丈夫。【王家の証】もらったから。」
「なんで、もらえるんだよ!」
「お姉ちゃんそれ捨てて?」
「いや、もらったのに捨てるのはさすがに・・・」
「ユウキ、ノア達もうすぐ着くって。」
メリーさんこちらの会話どうでも良さそう。メリーさんのキャラがわからない。
「・・・マジできつい。」
「ディーアに見つかった時は死ぬかと思った。」
帰ってきたノアとラタ。
「おかえりー。早速で悪いけど、クラン抜けてくんない?」
「「なんで?!」」
「いや、だって魔族に嫌われてる人達入れてたら私嫌われるじゃん。」
「いや、あの。反省してます。好感度システムが搭載されてたときから反省してるんです!頼むから、抜けさせないで!」
「マジでお願いします!」
「・・・(ジトー)」
「「・・・(冷や汗)」」
「・・・まあ、魔族の国行ったとき買い物はできる程度には譲歩してもらえるように手伝ってあげるよ。」
「「ありがとうございます!!」」
はあ、まあこんなこともあるよね。やりがいがあるともいうかな。
「さて、先に進むよ。鉱山で早く宝石取りに行って帰りたいし。」
「お姉ちゃん、話終わってないよ?」
ゆらゆらと黒いオーラを漂わせて近寄る黒龍。
・・・・・・。
逃げるんだよー!!!




