第63話 パーティでの戦闘!
『お散歩〜♪お散歩〜♪嬉しいな♪』
かわいい。なんて可愛いんだろう。隣でピョンピョン跳ねている。
考えてみたんだけど、戦闘の経験値は入らなくても、こうやって飛び跳ねていれば、跳躍のレベル上がるんじゃないかって思うんだよね。どうなんだろ。まあ、歩いてれば分かるか。
「可愛い〜、こういう時サモナーが羨ましく感じる。」
トローンとした目で愛でるメリーさん。
『僕、可愛い〜?ありがとー!』
「ポニョポニョしてるんだよ!それに、戦闘パーティに含まれてないから戦闘の経験値は入らないけど、連れ歩けることも確認できたから私は上機嫌!」
「あはは、サモナーは契約獣がそばにいないと不安になるって聞いたけど、ユウキは重症だね。」
「そんな話あったんだ。・・・まあ、その通りかも。誰かがそばにいないとちょっと寂しいんだよねー。」
「っ!・・・。」
ハッとして、苦い顔になる黒龍。
「?どうかした?黒龍。」
「・・・ごめんなさい。」
「え?!何が?」
「だって、僕が召喚我慢しようって言ったから、お姉ちゃん不機嫌だったんでしょ?」
あ。そのことか。
それについては、私も悪かったし・・・。
「いや、黒龍に今日は我慢するって言ったの自分だし、気にしなくていいんだよ?私も結局約束破って、契約して召喚したままだし。」
「でも・・・」
それでもっと言い淀む黒龍。
「・・・もしかして、さっき様子がおかしかったのそれが原因?」
「え。あ、いや。アレは・・・」
「ん?」
「・・・ちょっとトーカにライバル心を(ぼそぼそ)」
ライバル心?・・・つまり、黒龍が嫉妬してたの?・・・かわいい。なんだろうか、今日はかわいい弟が増えるという出来事もあり、かわいい家族がより一層かわいいという出来事がありました。恵まれている!
「えへへー、家族に恵まれてるので、今日ははりきって頑張るぞー!」
「お、ユウキが復活した。」
「契約獣(家族)がそばにいないとテンションダウンってどんなだ。」
「黒龍も、解決したみたい?」
「・・・うん。大丈夫。」
「そろそろ他の敵も出てくるから警戒しろー。」
ギンが、警戒を促す。それをみんな聞いて、警戒しだすが・・・1人は空気を読まず、こんな感じ。
『お散歩〜♪お散歩〜♪ユウ姉とお散歩〜♪』
「空気読まないな、トーカは。そんなことしてると魔物が出てくるぞ・・・!トーカ!!」
トーカにも注意を促すノアが、木々から飛び出してきた新たな敵に気づきトーカを呼ぶ。
『え?』
「キュァー!!」
飛び出してきたのは大きな角の生えた雄鹿だった。
すぐに短剣を構え、トーカに向かって突進攻撃をする鹿に牽制攻撃。
短剣に反応した鹿はすぐに飛び退く。
まさか、避けられるとは思わなかったので、少し驚き警戒する。
トーカには木に隠れるように伝える。
素直に応じたトーカを隠すように前に立ちはだかる。
互いに沈着状態になったので、こちらは鑑定をする。
【クリスタルディアー:LV13】
HP:750 MP:100
弱点:打 属性:土、結晶
説明:水晶の角の生えた雄鹿の魔物。体表にも水晶が散りばめられており、頑丈で、スピードがあるためなかなか倒れない。
なかなか、強そうですな。しかも、結晶魔法使ってくる可能性があるのか。
「この魔物、結晶と土の属性だから気をつけて!弱点は打撃攻撃!」
「結晶ってなんだ!?」
「氷魔法の上位版!ちなみに私ももう持ってる!」
「はぁっ?!ちょっ、何それ聞いてない!お前のスキル状況気になるんですが?!」
「今は敵を倒すことだけ考えて、馬鹿ギン!」
「打撃なら、俺が行く。ひきつけ役するから、隙があったら魔法で攻撃してくれ!」
とギンが棍を構えて、走り出す!
ほう、ギンって棍使いだったか。
「俺たちも、弱点攻撃じゃねぇが行くぞ!」
「おう!」
と、ラタ、ノアコンビも一気に攻める。
「まずは僕が、相手の視界を塞ぐね!ダークカーテン!」
闇魔法の暗闇効果をつける技を発動させる黒龍。
「キュァ?!キュアァー!!」
暗闇効果がつき、目の前が見えない状態になって興奮する雄鹿。
「今だ!蹴りと角の攻撃に気をつけろ!」
ギンとノア、ラタは蹴りと角を避けつつ攻撃を加える。
メリーさんと、黒龍は魔法で敵の攻撃を阻害している。
パーティリーダーのユウキは・・・鑑定を使ってもう一度確認していた。戦闘に参加せずに。
【クリスタルディアー:LV13】*暗闇
HP:750⇒600 MP:100
弱点:打 属性:土、結晶
説明:水晶の角の生えた雄鹿の魔物。体表にも水晶が散りばめられており、頑丈で、スピードがあるためなかなか倒れない。
・・・。全然減ってない。4人でこれ?めっちゃ時間かからない?これ。みんなのステータスがすごく気になる。みんなが私のスキル気になってるけど、私はみんなのステータスが気になる。大事なことだよね。リーダーとして!
・・・・・・。
「えっとー。悪いんだけど、一度下がってもらえますか?」
「なんだ!ってか戦えよ!」
「うん。戦うから下がって・・・ほら、私が交代するからさ、ポーションで回復して。」
「お、そうだな。一度下がるぞ!」
なんとかごまかして、3人全員を下がらせる。
そして、私が前に出て連華を放つ。でもこれは、身体にではなく顔に向けて、身体は硬そうだし。
それでもう一度ステータスが確認。
【クリスタルディアー:LV13】
HP:600⇒400 MP:100
弱点:打 属性:土、結晶
説明:水晶の角の生えた雄鹿の魔物。体表にも水晶が散りばめられており、頑丈で、スピードがあるためなかなか倒れない。
うん。200か。これなら、魔力纏使わなくてもいけるね。
体力が6割になり、暗闇効果が切れた鹿は私を視界に入れた。
その鹿は怯える目になる。
前にもあったな。こんなこと。
まあ、逃がしはしないよ?君の角って色って高く売れそう。
「打撃攻撃が有効なら。久々に剣使わずに戦いますか!」
「「「「「え?」」」」」
何やら後ろで驚いてる。黒龍はしってるはずなんだけどなー。
蹴りレベルは5殴りは3。殴りで、顔を狙う。さすがにダメージは少ないだろう。
【クリスタルディアー:LV13】
HP:400⇒300 MP:100
弱点:打 属性:土、結晶
今日は鑑定使いまくるね。ふむ。10回ぐらいやって100か。次は蹴りね。
蹴りはちょっとやってみたいのがあるんだよね!私の好きなゲームの中での技が飛燕連脚!空中に飛び上がりながら回転し3回ほど蹴りを入れる技!できるかな?できるかな?
よし!行くよ!
(飛燕連脚!!)
はい、鑑定!
【クリスタルディアー:LV13】
HP:300⇒50 MP:100
弱点:打 属性:土、結晶
おっ!あと少し!五回殴る!・・・・・・。
よし、倒した!
「ふう。疲れたー。」
「「「「「・・・・・・。」」」」」
戦い終わるとスキルのレベルアップ音が数回聞こえる。久々に聞いた気がする。さて、パーティの元に戻るか。
戻ろうと振り向いたユウキに、詰め寄るメンバー。
「うわっ?!なに?!」
「なに?じゃねぇ!なに1人で倒してんだ!」
「何もしてねぇじゃないか!俺たち!」
「てか、なんでそんな簡単に体力削れるんだよ!」
「ユウキ、凄い!凄い!さっきの蹴り技何?!」
「お姉ちゃん、獲物独り占めはダメだよ。」
順にノア、ラタ、ギン、メリーさん、黒龍ですな。
だって、ちまちまやるの嫌いなんだもん。
「むぅ。だって・・・。」
「「「「だって?」」」」
「みんな弱いし。」
「ぐはっ!」
「遅いし。」
「ぐふっ。」
「やめなよお姉ちゃん。それをフォローしながらみんなで倒すのがパーティだよ。ソロの時みたいにしちゃダメ!」
「うぐ。」
「いや、ちょっと待て?ソロの時もこんな感じで倒してんの??」
「こんな感じって何?」
「いや、こんな速くだよ!」
「速くないよ。今回は殴りと蹴りのダメージ確認したりするために鑑定使いながらやってたし。初めての相手だから、どこ攻撃すればダメージ入るか試しながらだったし。まあ、最初に狙った顔が一番ダメージくらってたからそこ重点的にやったけど。」
「「「(こいつ、検証しながら戦っていやがる!!)」」」
「ユウキは検証しながら戦ってたんだ!凄いね!それでも速いんだよ?」
「速いのは装備のおかげだろうし、自分の力じゃないと思う。」
「・・・お姉ちゃん、お願いがあるんだけど、ステータス見せてくれない?」
「あ、俺達も見たい!」
「えー?それはちょっと。んー。スキルは非表示ならいいよ?スキル見せちゃったら、一カ月後のイベントで不利になりそうだし。」
「それでいいよ!数字だけ見せて!」
「じゃあ、みんなのも見せてよ。パーティリーダーとしてみておきたい。」
「わかった。」
「いいよー。」
「俺たちも構わないぞ。」
「ああ。」
「俺もいいけど。」
「あ、SP振り分けたあとに見せるね。」
「俺たちも経験値入ってるから確かめるか。」
そして、ユウキ達らそれぞれステータスの確認を始めた。
久々に見るからなー。どうなってるんだろ。
ステータス
名前:〈ユウキ〉
種族:天龍
メインジョブ:アークサモナーLV3→5
サブジョブ:暗殺者 LV6→7
HP 95→105
MP 90
攻 35 →40(+55)
防 27 →34(+40)
魔攻 30→35(+35)
魔防 20→30(+70)
速さ 45→50(+85)
器用 20
運 16→20
《スキル》
< 風魔法 LVMax> < 天空魔法 LV1→2 >
< 光魔法 LV7 > < MP回復 LVMax >
< 自己回復LV1→2 > < 短剣士LV6→7 >
< 採取 LV7→Max > ⇒< 自動採取LV1 >
< 蹴りLV6→8 >
< 殴りLV4→7 > < 調理師LV5→8>
< 調薬 LV4→6 > < 鑑定士LV2→4 >
< 魔力付与LV3 > < 魔導師LV2→3 >
< 錬金LV2 >
< 隠密LV8→Max> ⇒< 潜伏LV1 >
< 隠蔽LV7 > < 威圧LV4→5> < 拷問LV3→5 >
< 魔力纏LV5→6 > < 水泳LV1 >
< 暗殺LV6→7 > < 火魔法LV4> < 水魔法LV3 > < 土魔法LV3 > < 雷魔法LV3 >
< 氷魔法LV5→Max>⇒< 結晶魔法LV1 >
< 闇魔法LV3> < 影魔法LV1> < 調教LV2→3>
< 毒耐性LVMax>⇒< 毒無効LV-->
< 魔力感知LV2→3 >
所持SP 46→0
なんか、めっちゃ進化してる。えーっと、採取は自動採取に進化。説明では、半径2mの範囲のアイテムを自動でアイテムボックスに入手します。レベルアップごとに範囲が広がりある一定のレベルになると、アイテムを選別し、そのアイテムのみを手に入れることができる・・・か。つまりレベルを上げると薬草だけと選択していれば薬草だけ手に入ったりする、ということだね。便利だ!
で?隠密は、潜伏になったね。
説明では、影に潜むように気配を消す。姿も気配も完全に悟られなくなる。レベルアップごとに、動いてても、勘付かれなくなる。
ふむふむ、レベルアップが上がると斬られているのに相手が確認できない!
・・・あ。これって、カルマが持ってたやつか?これはレベル上げ頑張らないと!
さて、振り分け終わったし、スキルは非表示にしてっと。さて、みんなのステータスの確認でもしようかね。
どんな感じなんでしょうねー。