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姉弟初めてのVRMMO  作者: 神白
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第58話 お散歩♪

黒龍に一矢報いたところで、次の話題に移りますか。


「さて、次は料理の話だね。・・・あ、王様。これあげる。」

思い出したかのように冷えたプリンを王様に渡す。


「む?これはなんだ?」


「私の作ったお菓子でプリンっていうんだ。1人1個ずつあげてるんだ。」


「ほう!これがそうなのか。・・・あ、ユウキよ!私の呼び方変わっとらんぞ!ほれ、呼び捨てで呼ぶのだ!」


・・・ちっ、自然な話し方で先送りにしようと思ったのに・・・。


「・・・はあ、わかったよ。アルヴィンよろしくね。」

呆れ顔で名前を呼んであげるユウキ。


「おお!よろしくな!」

ようやく呼んでくれたことを喜ぶアルヴィン。


「ごめん。料理長さん話ずれたね。えっと、料理を教えるのは構わないけど、先生とか師匠とか呼ばないでね。恥ずかしいから。」


「では、ユウキ師匠せんせいとお呼びします!」


「組み合わせてもダメだから!」


「それでですね。師匠せんせいがお菓子を作ってる際使ってる道具について伺いたいんですが、あのメモリが書かれた道具はどういった物なんですか?」


「だから、師匠せんせいっていうな!・・・って、メモリが書かれた道具?秤のこと?」


「秤というのですか。あの道具はどのような意味が?」


「え。材料の量をはかって調節するためだよ。砂糖とか入れすぎたら甘くなるし、入れなさすぎても甘くないしお菓子ってバランスが大切だから・・・。というか、秤を知らないってどうやって調節してるの?」


「味の調節は料理人それぞれが何度も同じ料理を作り、食べを繰り返して調節してます。」


うわー。大変そう。それに正確な数字が出ないから毎回違う味だね。失敗した食材の数々が目に見えそう。もったいない。


「それは毎回違う味になるでしょ?」


「・・・はい。味が安定しないので、数多くの料理人が限界を感じ始めているのです。・・・ですが!ユウキ師匠の味は全部安定しています!バランスが取れたものとなっている!なぜですか!?」


「えっとー、お菓子とかは元の世界で作り方とか量とか調べてそれを作ってみたり、普段から自分のレシピ本って作ってるからそれを見て作ったりしてるかな。・・・もしよかったら基本的な料理とお菓子の材料の量教えようか?秤も道具屋のリリイさんが売ってたし、それを使えばいいんじゃないかな。それを料理長さんが他の料理人に伝えたり、自分でアレンジしてみたりすれば料理の幅も広がるんじゃない?」


「・・・。」

ポカーンとした表情で固まる料理長。


「ん?どうしたの?」


「・・・つまり、ユウキ師匠は料理人の限界を広げると?」


「料理の限界って私の住んでる世界ではまだ見たことないからないと思うんだけど・・・まあ、今の料理の幅は広がるだろうね。」


「・・・ユウキ師匠。」


「ん?」


「一生ついて行きます!!!」


「こなくていい!!それと、師匠言うな!」


「ユウキはいろんな人たちの心を動かすわね。できるなら一生こっちの世界にいてくれればいいのに・・・」

ユウキと料理長さんの言い合いを見ていたノエリアが小さく呟く。


「・・・。」

その言葉は黒龍に届き、ノエリアの方に視線を少しの間向けていたが、何も言わず聞かなかったことにしたようだ。


ギャーギャーとユウキと料理長のコントが続いてた時、ユウキに声がかかる。


「ユウキ!お話終わった?お散歩行こ!」

レミリアがルナを優しく抱っこしてルナと一緒に上目遣いで聞いてきた。


「っ!!か、かわいい!2人ともかわいーよー。何、その攻撃!私クリティカルヒットを受けたよ!・・・そうだね、お話終わったし、お散歩しようか!国の上空を一周してお城に帰る感じでいい?」

ルナとレミリアの攻撃に大ダメージを負ったユウキはすぐに空のお散歩について話し出す。


「レミリア、楽しんでいらっしゃい!」

「・・・ユウキ、やはり私も「あなたは黙ってなさい。」・・・ハイ。」

「ユウキ姉ちゃん次は僕も乗せてね!」


「うん。よし!クルード!大きくなって!」


「キュルァァ!」

ユウキの指示に従い大きさを変えるクルード。

ユウキはレミリアを抱えて先に上に乗せ、自分も乗り、位置を確認した後・・・


「じゃあ、まずはウィンドシールド!・・・よし、クルード、ゆっくり上に飛べる?」


「キュルァ!」

一鳴きして、翼を広げ羽ばたき始める。

バサッバサッバサッバサッフワッ!


ある程度羽ばたいたところで空に浮くクルード。


「飛んだ!!」

レミリアが目をキラキラさせながらはしゃぐ。


「よし、そのままゆっくり国の上を旋回するよ!お願いクルード!」


「キュルァァ!!」

「ピャァー!!」


いい返事をするクルードの顔のそばを飛ぶルナ。


「お!ルナも一緒に行こうか!」


「ピャァー!!!」


「空のお散歩♪レッツゴー!!!」

ご機嫌なレミリアが合図する。


そして、レミリア、ユウキ、クルード、ルナがはじまりの国の空を飛んでいる頃地上では・・・


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


【ラタ・ノア視点】


「うわぁ。大騒ぎだな。」

「なー。」

目の前の大騒動を遠い目をした状態で観察していた。


「ギャーレイドボスが仕掛けてきたぁぁぁ!!」

「突発イベントか?!何も知らせこないぞ!」

「こんな序盤でルフとか運営!俺たちに死ねと?!」

「この国の上旋回してる!どこ狙うか探ってるんだ!!!」

などなど。


「これ、どーするよ。」

とノア。

「いや、めんどいし何もしねぇよ?」

とラタ。

「だよなー・・・」


「「はあ。次から次へとうちのクラマスは。」」


次から次へと、と言ってるのはこの2人は謎の集団の後片付けを引き受け、話し合いをして解散させたことについて言っているのだ。


「あいつら、ユウキ達のいう通り運営の人間だったな。」


「ユウキ達の行動の監視って・・・。まあ、やらかしまくってるからやりたくなるのもわかるけどさ。」


「イベント開始の知らせきた後にもうやらかしてるしな。」


「何も考えてないんだろなー。」

「なー。」


「「はあ。」」


こんな感じでだるそうに話す2人。

まあ、別行動してる他のクラメン達も同じ反応だったりする。

そんな2人を見つけ、声をかける人々が詰め寄り始める。


「あ!ノア様!ラタ様!大変ですよ!ルフ!ルフ!!」

「良かったー。ノア様がいれば安心だ!」

「討伐用のパーティ組みましょう!」

「抜け駆けすんな!」

「いや、私たちとパーティ組んでください!」

ギャーギャー


「ついにこっちに影響が・・・」

「面倒い。」


「あ、あの!」

赤い髪でショートの女の子プレイヤーが2人に声をかける。


「・・・ん?何?」

(この子どっかで見たことあるようなー。)

とノアが返す。


「なんで、慌ててないんですか?βテストの時のボスが現れているのに。」

その疑問をギャーギャー騒いでいた連中もハッと気づき始める。


「「「・・・確かに。」」」


「なんでって、あれに危険性なんてないからだけど?」

とラタがクルードをぼんやり見ながら答える。


「「「え??」」」


「だってアレ、うちのクラマスの契約獣だからな。」

とノアもクルードをぼんやり見ながら答える。


「「「・・・・・・はぁ?!!」」」

驚く一同。


「あ!こっちに向かってきてません?!あのボス!」

と赤い髪の女の子がクルードを指差し叫ぶ。


「あ、ボスじゃなくてクルードな。ちゃんと名前あるから。」

と訂正するラタ。


「そんなことどうでも・・・「ノア!ラタ!やっほー!!」・・・ぇ。」


クルードの頭によじ登り手をブンブンと振りながら大声をかけるユウキの姿があった。


「はあ。・・・やっほーじゃねえよ!なんでそんなに大きくなってんだクルード!」

と返すノア。


「ってか何やってんだ!大騒ぎになってるんだぞ!こっちは!!!」

と怒るラタ。


「え。空の散歩?」


「何言ってんのこいつらって顔で返してくんな!ちょっと降りてこい!」

と叫ぶノア


「無理!降りれる場所ないし、今お客さん乗ってるし。」


「お客さん?誰だよ!」

とノア


「この国の王女様!」


「「・・・・・・もうやだこの子」」

頭に手を当てて呆れる2人。


「まあ、空の散歩したかったならこれが終わったらさせてあげるよ!・・・ん?どうしたの?レミリア。」

話し続けてる最中に急に後ろを向き、話し始める。その声は大声じゃないので地上には聞こえない。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

再び戻ってユウキ視点


「ユウキ!町の探索したい!私、自分の住んでる国なのにほとんど出掛けたことないの。(ショボーン)」


ショボーンとしたレミリア可愛い!!でもこればかりはねぇ。


「んー。それは、さすがに許可無しじゃ無理だな。・・・ちょっと待ってね?」


《フレンドチャット》


ユウキ:黒龍ー。アルヴィンとノエリアに聞いて欲しいことがあるんだけど。


黒龍:ん?どうしたの?


ユウキ:レミリアが街探索したいって言い出したんだけど、いいのか聞いてくれる?


黒龍:あー。そういうことね。ちょっと待ってね。


ユウキ:あいよー。


(数分後・・・)


黒龍:さすがにユウキ姉ちゃん1人だと心細いから僕も行くように言われた。今どこにいるの?


ユウキ:んー。今ねー、噴水広場付近だけど・・・クルードいるからすぐわかると思うよ?


黒龍:あ、そっか。わかった。ちょっと待ってて、すぐに行くよ。


ユウキ:あ、待って!そこにヒカルとウインディいるでしょう。2人のどちらかに乗せてもらってきた方が早いと思う。


黒龍:わかった!じゃあ、また後で!


ユウキ:はーい。


《チャット終了》


レミリアにいい知らせを伝えないとね。


「レミリア!街探索許可もらえたよ!黒龍が来たらいろんなところ回ろうね♪」


「本当?!やったー!!・・・あ、でもどうやって降りるの?クルードの降りれるところないよ?」


「それは考えがあるから大丈夫なんだけど・・・レミリアって、スリルのあること好きだっけ?」


「・・・何するの?」

何か勘づいた様子で聞くレミリア。


「あはは。えっとー。私がレミリアを抱えてここから飛ぶ・・・かな。」


「・・・・・・それは死んじゃわない?」


「あ、大丈夫!大丈夫!私の固有スキルでレミリアを守るから!風魔法を下に打ってクッション作るし・・・どうかな?」


「・・・ユウキのこと信じてるからね?」


「紐なしバンジージャンプだと思ってくれればいいよ!楽しんで!!」


「ひもなしばんじーじゃんぷって何?」


あー。知らなかったかー。この世界にはないのかな?作れないかなー・・・いや待てよ?拷問スキルに利用できないかな。うん。採用!フフフフフ。


「・・・むう。でも、ユウキがいうなら楽しむことを優先にした方がいいよね!」

と開き直ったレミリア。


下にも降りること言わないとね。


「おーい。そこに今から降りるから人退けてー!」


「・・・はぁ?!ここにクルードが降りれるわけねぇだろ!建物が壊れるわ!」

とノアが叫ぶ


「私とレミリアが降りるだけ!クルードは私たちが降りた後に小さくなってもらうから大丈夫!」


「その高さからどうやって降りるんだ??」

とラタ。


「人間爆弾的な感じで!」

「ユウキ?!聞いてたのと違う!」

ユウキがレミリアに話したのと違う感じで表現したせいで、レミリアが後ろで騒ぐ。


「・・・全員聞いたな!!あいつが落ちてくるから今すぐ離れろ!!!」

ザザッ!と見上げていた人たちが下がり、露店を出していた人は大急ぎで片付け、閉め始める。


そんなに大騒ぎすること?人が落ちてくるぐらい。


さてと、


「レミリア、準備いい?」


「うぅー。やっぱり別の方法とか・・・」


「悩んだ時はどうするか教えてあげようか?レミリア。」


「えっ?」


「一気に終わらせる!!!」

そう言ってレミリアを抱き抱えて、レミリアの体とユウキ自身に魔力纏を発動させる。


私は二刀流スキルを持ってるんだ!魔力纏を発動させながら風魔法を使えるはず!!


意を決して、クルードの背から降りるユウキ。


「キャァァァ!!」

レミリアの可愛らしい叫び声が、って言ってる場合じゃない!


「カマイタチ!」

小さな竜巻を作り出す魔法。これを落ちるまでに数個作り出し、それを足場にして降りる。小さな竜巻は上に風を吹き上げる力があるためクッションの役割にちょうどいい。


カマイタチの発動により、直下に猛スピードで落ちるのではなく。小さな竜巻を螺旋階段のように並べゆっくり降りるという使い方をするユウキ。最後に


トンッ!


と地面に降り立ち、レミリアをそっと地面に下ろし、怪我の確認をする。


「はい、レミリア。下に着いたよ!」


「・・・・・・。」

ポカーンとしているレミリア。


んー。怪我はないみたいだから大丈夫だね。


「「「「「・・・・・・。」」」」」


周りの人だかりも騒然としている。


そんな静かな空間の中でユウキの耳には、

ピロン♪

称号:風に好かれたものを取得しました。

説明:風の精霊に気に入られたものに与えられる称号。


・・・精霊、だと?!なんというファンタジー!!!この世界にそんな存在がいたの?!え、全精霊に会いたいんだけど!!当面の目標!精霊さんに会うことで!!!どんな感じなのかな?3頭身の小人な感じなのかな?それとも、動物?聖獣とかいたり?うわぁ、楽しみ♪


沈黙した空間で、1人はしゃぐユウキでした。



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