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姉弟初めてのVRMMO  作者: 神白
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第57話 取引②

とりあえず、落ち着いたところで話を始めるかね。


「えー、つくり方って言っても簡単だよ?普通のポーションあるでしょ?あれと果物の果汁を錬金しただけだし。」


「そうなの??でもポーションの回復量は+20〜+50ぐらいよ?ユウキのは100もあるじゃない。なんで?」

と不思議そうに聞くノエリア。


「50が限界?おかしいな。私最高で80の作れたけど。」


「それは、ハイポーションのつくり方ではないのですか?ハイポーションには薬草と聖なる雫と水が必要なんですが、知ってますか?」

と錬金術師さんが聞いてきた。


「いや、聖なる雫なんてアイテム使ってないよ?・・・ちょっと待って、普通のポーションの作り方聞いていい?」


「それは、薬草を粉状にして水と合わせるのよ。」

ドヤ顔混じりで説明するフロウさん。


「・・・・・・。」


「あれ?どうしたの?」

急に黙ったユウキに不思議そうなフロウ。


え?待って、おかしいの私?レシピに書いてあった通りやったんだけど、もしかしてこの世界の人は知らない方法なの?え?でも本屋として売ってるのに・・・まさか、本屋ってこの国しかないとかないよね?


「ユウキ?どうしたの?急に黙ったけど。」

急に黙ったユウキを心配するように声をかけるノエリア。


「え・・・あ、ごめん考え事してた。えっとー、まずポーションの作り方から違うみたいなんだよね。私はレシピを読んでその通り作ったんだけど・・・」


「ユウキ、そのレシピってなにかしら?」


なんだろうかこのデジャブは。


「・・・お姉ちゃん。もしかしたらこの世界にレシピについての重要性ってそんな高くないんじゃないの?」

と予想する黒龍。


「・・・え。でもさ、ゲイルさん売ってるじゃん。レシピを売る店ってこの国しかないわけではないよね?」


「その、レシピっていうのはわからないけど。ゲイルが売ってるのは異界人用の本だから私たちは読めないわ。各国に本屋はあるのだけどね。」


・・・え??なにその設定。


「じゃあ内容とかさっぱりなの?」


「そうね。絵が書いてあればなんとなくこんな本じゃないかって予想はつくけど、全部はわからないわ。」


「ユウキ姉ちゃん、もしかしたら異界人ぼくらが活躍できるような設定なのかもしれないよ。詳しくはわからないけど。」


「あー。そうやって普通は好感度を上げていく感じなのか。なるほど。」

納得した。


「・・・それで、あなたの言うそのレシピの方での作り方はどういうものなんですか?」


「えっとー、水に魔力を溶け込ませて錬金と唱えると魔力水ってものが出来上がるんだ。それと、薬草を煎じたものを混ぜ合わせて、調薬と、唱えると完成するよ。」


「・・・まさか、ポーション1つにそれだけやるとは。」

驚く錬金術師さん


「あ、ちなみに魔力を込める分だけ回復量が増えるよ。私はその時80が最高でそのポーションに果汁を錬金したら100に上がったんだよ。」


「・・・ふむ。」

腕を組み悩みだす錬金術師さん。


しばらく悩んだ後顔を上げ話し始めた。

「とりあえず挑戦してみましょう。できなければ、異界人に伝えて納品する形にしてもらうほうがいいと思います。異界人は神の使いとも呼ばれてますし、もしかしたら異界人にしかできないかもしれないことも考えておく必要がありますから。」


神の使い?・・・まあ、ある意味、運営かみかな。イベントとかしてるのあの人たちだしね。


「そうね、やってみましょう。まずあなたが魔力水を作ってみて。ユウキ、どんな感じで作るのか教えてあげてくれる?」

と錬金術師さんにコツを教えるように言ってきたノエリア。


「えっとー、そうだな。バケツの中に水を入れてそれに手をかざして、魔力を水に溶け込ませるイメージをしてみてください。」


「・・・・・・むぅ。難しいですな。」


んー。難しいかー。


「錬金術師さんって、魔力操作のスキルお持ちですか?」


「ああ、持ってますぞ。こう見えて魔法も使えますからな。」


「その魔法を使う時ってどんな感じにしてます?」


「それは、杖に魔力を・・・おぉ!そうかあのような感じにすればいいんですな!なら、私はかざすのではなく・・・」

何か思いついたように、水の上に手をかざすのではなく、バケツを持ちそのまま魔力を流し始めた。


「・・・これでどうでしょうか!」


結果を見るために鑑定してみる。


【魔力水≫MP60】

説明:魔力がこもった特殊な水。様々なものに利用できる。


ちゃんと出来てるね!


「出来てるよ!魔力量60の魔力水だね。」


「おぉ!今ので60ですか。これは調整が難しいですな。まあ、いろいろ試してみましょう!」

テンションが上がった錬金術師さん。


まあ、まだまだこれからなんだけどね?


「では次はフロウね。」


「そうね。これは普通に混ぜていいのかしら?」

とフロウが聞いてくる。


「うん。とりあえず、薬草をアーツ《粉砕》使って粉状にしてバケツに入った魔力水を瓶の中に入れたあとで薬草の粉末を入れてよく混ぜてそれから調薬スキルの使用だよ。」


「わかったわ。・・・・・・調薬。・・・これでどう?」


また鑑定で確認してみる。


【回復ポーション】

品質C 出来上がり度4

効果:HP回復量+60


「うん、ちゃんと出来てるね。ここまでで今までの回復ポーションの限界値超えたよ。」


「凄いわ!第一歩ね!それで、果汁と錬金するの?・・・思ったのだけど、果汁にするのはやっぱり料理のスキルを持った人がやるべきだと思うわ。やり方を知らないものがやると何か支障が出る可能性もあるもの。」


「確かに一理あるね。じゃあ、料理長さんプルの実の果汁をこの瓶に入れてください。」


「わかりました。・・・これでよろしいでしょうか?」


手際よくすぐに瓶の中に果汁が満たされる。


「はい、大丈夫です。じゃあ、最後に錬金術師さんがその2つを錬金してください。」


「はい。・・・錬金!・・・で、できた!」


【回復ポーション(プルの実味)】

品質B 出来上がり度6

効果:HP回復量+80

プルの実の果汁が入ったポーション。甘くて美味しい。


やっぱり、果汁加えると回復量が+20になるんだねー。


「出来たわね!・・・結構手間がかかるわね。錬金、調薬、料理のスキル持ちが条件だと分かったけど、量産するなら少し時間がかかる。でも作って売れば売れること間違いなしよ!これは!!この情報は今の我々の財産かけても払えないわ・・・どうしましょう。」

対価として相応しいものが思いつかないようで、悩むノエリア。


「そんなに悩まなくてもいいよ?お金だけで充分だし。」


「お金が欲しいの?何か欲しいものでもあるの?」


「いや、拠点を広くしたくてね、地下に空間作るためにリフォーム代として利用しようかと思ってたんだよ。」


「リフォーム代を払うのは構わないのだけど、それでも対価としてふさわしくないわまだ我々が払わないといけないぐらいよ。」


「んー。じゃあ、いつか頼りにさせてもらうために借りってことでだめかな?」


「・・・そうね。ユウキにならいつでも借りを返せるし、今急いで叶えたいもの言ってもらうより断然いいに決まってるわね!なにか叶えたい願いが思いついたら出来る限り手伝うわ!」


「うん。よろしくね。・・・というか、そういうのって王様が言うんじゃないの?ノエリアが言っちゃっていいの?」


「いいのよ!この取引はあの人も知ってることだし反対はしないと思うわ。」


そして、噂をすれば・・・


「仕事終わったー!!!む?そっちも終わったのか?」


「あら、早かったわね。こちらの話は終わったわ。ユウキに大きな借りを作ったところよ。」


「む?どういうことだ?」

後から来た王様にノエリアが説明したあと、王様もしばらく考えて、ある提案をした。


「それで、大きな借りか。・・・うむ!ユウキよ!まだ先のことで詳しい日程は決まっておらんのだがな、2ヶ月後にバトル&ダンスフェスティバルが開催される予定なのだ!それに参加する権利を贈呈してやろう!」


ピロン♪

あるプレイヤーが、はじまりの国の好感度を100%に達成させました!よってはじまりの国でイベント、バトル&ダンスフェスティバルを開催します。予定では現実で1ヶ月後、ゲーム内では2ヶ月後となります!詳細はホームページに記載しますのでそれをご覧ください!


おおー!!初イベント!楽しみ!このイベントって誰でも参加できるわけじゃないのかな?


「そのお祭りは誰でも参加できないの?」


「いや、武闘会で人数を削り、武闘会の上位のものだけが舞踏会に参加できたりするのだ。他にも異例として推薦されたり紹介された者たちも参加できるようになっている。ユウキは最初から2つとも参加できる権利を与えるということだ。」


「ほー、そっかー。・・・じゃあ、黒龍はダメなの?」


「武闘会で活躍すればいいんでしょ?大丈夫でしょ!」

と自信たっぷりに胸を張る黒龍。


「黒龍殿は、街で黒騎士と呼ばれていると聞いている。実力も国民の信頼も揃ってる君にも参加する権利を与えるぞ!」


「え?いいんですか?!・・・まさか貰えるとは思わなかった。」

驚く黒龍。


「まあ、ユウキは武闘会には本戦参加資格と舞踏会は私と一緒に行動する権利だけどね♪」

とノエリアが言う。


「・・・え?ノエリアと行動するの?」


「ええ♪執事服でそばにいてもらうわ♪」


「・・・・・・。」

絶句のユウキ。


「見せびらかす気満々だねぇ〜。お姉ちゃん、いいご褒美だね!」


「・・・。・・・!」

無言で恨めしそうに黒龍を見つめた後、いいこと思いついたという顔になるユウキ。


「?なに?お姉ちゃん。」


ガシッ!と黒龍の肩を捕まえ、ノエリアに笑顔を向けて・・・


「ノエリア〜?黒龍もね?女装したら可愛くなると思うんだ♪メイド服とかどうかな♪」


「っ?!!」

楽しそうな顔から一気に青ざめる黒龍。


「いいわね!その案乗ったわ!ユウキだけでもいいんだけど、黒龍君も一緒に楽しみましょう♪」


「・・・っ待って!それだけは勘弁して!」


「「駄〜目〜♪」」

息を揃えて楽しそうに言うノエリアとユウキ。


「・・・黒龍よ。諦めるんじゃ。」

ポンと同情するように王様が肩に手を置く。


「うわぁぁーん」


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