第55話 報酬
そんなこんなでお庭に到着!
白いテラスがあり机と椅子が準備されてて既に先客がいました。
「レミリア、こんにちわ?」
「ユウキ!本当に来てたんだね!会いたかったー!!」
椅子から飛び降りユウキに勢いよく抱きつくレミリア。
「ふふっ親子だねぇ。ほらほら、お茶会しよ?」
ユウキはレミリアを抱き抱え椅子に戻す。
「うん!」
「ユウキ、今日は何作ってくれるの?まだ食べたことないお菓子がいいわ!」
ノエリアのおねだりによりユウキは悩む。
うーん、今作ってないお菓子かーなんかレシピあったっけ?えっとー。
クッキーは作ったし、マフィンも作った。タルトとかパイも作ったよね。ケーキは作ったし・・・いま手に入る材料で作れるのは、ドーナツとプリンとアイスとかかな。アイスはバニラの元となるものないからミルクアイス一択だな。あ、でもフルーツ使えばいける?お手軽なのはプリンかドーナツだね。冷たいものが食べたいから今回はアイスかプリンにしようかな。
「それじゃあ、アイスかプリン作ろうと思うんだけど、今手持ちに材料ないんだよね。果物はあるんだけど。用意してもらうことはできるかな?」
「もちろんよ♪」
そうノエリアが答えると近くに待機していたメイドさんが近づいて来た。
「材料はこちらで用意いたしますので必要なものをこちらにメモしていただけますか?」
メイドさんが紙とペンを渡してきたのでそれにメモをする。まあ、用意して欲しいものってそんなに量がないからすぐに用意してきそうだ。調理も量ったりするだけだから調理場も必要ないし。
メモを書いてそれをメイドさんに渡すと静かに下がっていった。
「それじゃあ、材料が揃うまで、お話ししてましょう!」
ノエリアが張り切った顔で言う。
「うん、そうだね。まず、報酬の方?それともポーションの方?」
「報酬から済ませましょうか。はい、これがこちらで用意した報酬よ。受け取って。」
ピロン♪
〔シークレットクエスト:はじまりの国の姫達の護衛〕をクリアしました。
内容:エルフの国に視察しているはじまりの国の王妃と王女を護衛し、はじまりの国の城の中まで守りきれ!
成功報酬:称号 王族のお気に入り
100万G
エクストラボーナス:王家の紋章
ん?なにこれ。
???が取れておかしなものが表示されてるんですが・・・。
「ねぇねぇ、ノエリア?王家の紋章ってなに?」
「ふふっ!そ・れ・は♪王族と親しい者に贈られる紋章よ!これがあれば、他国の王族と簡単に面会できるようになるから便利よ!ユウキの役に立つと思うわ!確か、ユウキは侯爵家の証を持ってたわね。それの上位版と思ってくれて構わないわ!」
えーっと?つまり、これがあれば他国の王族と関わりを持つことは容易いと。ってことは、私が目標としている全ての人々と仲良くなることの手助けになるってことかな?まあ、それなら嬉しいかな。
「へー。それは便利そうだね。ありがとうノエリア。」
「(ふふふ、なにも気づいてないわね!その紋章を持つことは滅多にないこと。この始まりの国初めての出来事!|以前(β)のときは暴走した魔物を倒してくれた数人をこの城に招待したけどめぼしい人材は全然居なかった。でも、ユウキならいつかあの依頼を絶対にこなしてくれるに違いないわ!紋章はその時が来るまで他の国に取られないようにするための印でもあるんだから!)ふふふふふ」
怪しげに笑うノエリアを静かに見つめる黒龍。
「・・・ねえ、王妃様。体調でも悪いの?」
と気遣う黒龍に返事を返そうとノエリアが顔を向けると・・・
「・・・っ!」
一気に体温が下がるのを感じるノエリア。
黒龍の口はにっこりと笑っているのに目は全然笑っておらず、脅されているかのような感覚を感じた。
「な、なんでもないわ。私は大丈夫よ?」
「そう?じゃあ、別にいいんだ。ただ・・・」
「た、ただなにかしら。」
ポーカーフェイスをなんとか保ったノエリアが聞く。
「もし大好きなお姉ちゃんを利用しようとしたら僕、なにするかはわからないからよろしくね♪」
そう、笑顔で釘をさす黒龍。
「黒龍?急にどうしたの?」
なにを言ってるのかよくわかってないユウキとは反対にノエリアはビクッと再び震え、
(ユウキの弟君感よさすぎじゃないかしら。でも、この脅しは本気、よね。もし依頼する時がきたら、まず弟君に聞いてからならいいかしら?じゃないとなにが起こるかわからないわ!)
「・・・わかったわ。」
降参状態に陥ったノエリア。
「え?だから、何が??」
1人話がわかってないユウキ。
「まあ、なんでもないよ!それで、ポーションの話ってのはどんなことなの?お姉ちゃん。」
明らかに話をそらす黒龍。
「むー。隠し事された気がする。」
少し拗ねるユウキ。
「話したくなったら話すから、ね?駄目?お姉ちゃん。」
「うっ。まあ、黒龍なら大丈夫か。いつか教えてね?」
「うん。」
「ユウキ!退屈ーお菓子の材料とか来るの待つ間ユウキの契約獣と遊んでていい?」
ともう1人話についていけてないレミリアが提案をした。
「ふふっそうだね。じゃあ、お菓子ができるまでみんなと遊んでてくれる?サモン:ウインディ、ヒカル、ルナ、クルード!」
「「オォーン」」
「ピャァー」
「キュルァー」
「あれ?白い鳥さん!はじめましてだ!それに、クルード大きくなってる!」
「そういえばそうだね。前会った時にルナに会ってないね。それにクルードは成長して大きくなったんだよ?」
「もしかして、クルードにもいつか乗れる?!」
興奮気味にレミリアが聞いてきた。
「・・・確かに乗れるかも。ノエリア、クルードの本当のサイズが知りたいから大きくさせてもいい?庭広いし壊れるものないから試してみたいんだけど。」
「え、ええ。構わないけど。今の状態が本当の大きさじゃなかったの??」
「今は、レベルが上がったおかげで小さくなるスキルを覚えてね。それを使ってもらってるの。クルード!そういうわけだから拡大化できる最大のサイズになってみて!他のみんなは私のそばにおいでー!!」
クルードの隣を飛んでいたルナもユウキの隣に移動し終えたところをクルードが確認した後、大きく咆哮して魔方陣をくぐるクルード。
そして、そこに現れたのは、軽く5メートルを超え城よりは小さいクルードだった。
「「「「うわぁ。」」」」
その場にいた全員が呆然と立ちすくんだ。そして、1つの影が、テラスに駆け込んできた。
「大丈夫か!ノエリア!レミリア!ユウキ殿!黒龍殿!急に古代獣が出現したと、報告、が・・・」
と走って駆け寄ってきたのはこの国の王アルヴィンと衛兵複数人だった。
さて、この事件どう処理しましょうかねー。




