第54話 新たな称号・・・ぇ。
久々の投稿です。
更新を楽しみにしてくださってた読者様すみません。
学生の皆さんは夏休みの友という名の敵を倒してますか?
夏休みに入ってお客が増えて、休憩中になかなか書けない状況に陥りまして毎日更新じゃなくなりますが、これからもよろしくお願いします。m(_ _)m
ついに城門前に着く2人。
さてと、早く行って早く終わらせてログアウトしたいですなー。少し眠くなってきた。
「お姉ちゃん?どうしたの?」
「ふぁ〜、ねむい。」
潤んだ目で黒龍に返事をするユウキ。
「・・・眠いの?ログアウトする?」
「んー。でも、ノエリア達に会いたいから我慢する。」
ぐっと目を開くユウキだが、すぐにウトウトし始める。
お姉ちゃん。そんなに眠いならあとでいいじゃんとでも言いたそうな目で、見つめる黒龍。
「・・・よし!行く!早く終わらせてもらおう!眠すぎる。好感度なんか知らない!」
「・・・まあ、その意気だよ!頑張れお姉ちゃん。」
諦めて応援する黒龍。
「さてと、すみません王妃様と王女様の護衛の報酬を取りに来たんですが、通っても構わないですか?」
とユウキがキリッと真面目な顔で城門の衛兵に聞くと、
「・・・・・・はっ!はい!お、お話は伺っています!!ど、どどどうぞお通り下さい!」
ぼぉーっとユウキのことを見つめたあと話しかけられたことに気づき、慌てて返事をする衛兵。
「あ、黒龍も通ってもいいですか?弟なんですが。」
と黒龍についても聞く。
「王妃様より、そちらも聞いております!弟君様も入ってもらって構わないと聞いております!!」
元気よく返事をするもう1人の衛兵。
いつの間にそばに来たんだ早くないか?
「よかったね黒龍。入ろっ!」
「うん、お姉ちゃん。」
城の門を抜け、城の内部に入る2人。
簡単に説明すると、門があってー、広い庭があってー城があります。
説明めんどくさいです。
城は検索して好きなお城を想像してくださいあ、でも中世の城にしてください。雰囲気おかしくなるので!
「お姉ちゃん、何してるの?」
急に空に目を向けて短剣を投げようとしているユウキに声をかける。
「・・・いや、今作者がおかしなテンションになった気がして。短剣投げたら落ち着くかなって。眠すぎて幻聴でも聞こえたかな。」
・・・。
「・・・まあ、いいか。」
「・・・・・・すいませーん。王妃様達のところに行きたいんですが、どこに行けばいいですか?」
黒龍はそんなユウキを無視して近くの歩いていたメイド的な人に話しかけた。
「王妃様でしたら謁見の間にて王と執務をこなしていると思いますが、どのようなご用件でしょうか?」
笑顔で応対するメイドさん。
「あ、報酬もらいに来たんだけど、待ったほうがいいかな。」
「・・・もしかして、ユウキ様と黒龍様でしょうか?」
「?そうだよ。なんか、城の人みんな私たちの名前知ってそうだね。お姉さんが知ってると。」
「それは、ノエリア様とレミリア様がたくさんお話してくださいますからね。城中の皆さんが知っておられますよ。あなた方が来られたらすぐにお通しするよう仰せつかっておりますので、ご案内しますね。」
「え?でもお仕事中でしょ?大丈夫?」
と黒龍。
「大丈夫です。ノエリア様のお仕事というのは、陛下の監視だけですから陛下はよくお逃げになるので仕事が溜まってるんですよね。本当に無事に帰って来てもらって助かってます!改めてありがとうございます。」
そんなんで、この国は大丈夫かな?まあ、ノエリアが楽しそうに仕事してたらもっといいんだけど。監視って楽しいかな・・・お菓子でも作ってあげようかな。一息つくのにちょうどいいだろうし。
そんなことを考えながら歩くユウキ。
少しして、
「着きました。こちらの扉の向こうにいらっしゃいます。ごゆっくりどうぞ。」
軽く会釈をして、その場を離れるメイドさん。
「んー。豪華な部屋って感じの扉だね?ここは謁見の間ではなさそうだけど・・・まあ、入ろうかお姉ちゃん。」
「そうだねー。」
少し緊張してきた様子で深呼吸してから入るユウキ。
コンコンコン!
「ん?どちら様ですか?」
ノックをしてすぐにノエリアの声で返事が返ってくる。
「えっとーユウキと黒龍です。報酬を貰いに伺ったんだけど入っていいかな?」
ユウキが扉越しに問いかける。
すると扉の向こうでガタッという音が聞こえ少しして勢いよく扉が開かれる。
「ユウキ?!来たのね!会いたかったわ!」
とノエリアがユウキに抱きつく。
「うわっ!びっくりしたー。」
急に抱きつかれたユウキはバランスを一瞬崩すが、すぐに立て直す。
「だってすぐに来ると思ってたのにこないんですもの!寂しかったわ!レミリアも寂しがってたのよ?・・・そうだわ!レミリアも呼んで休憩しましょう!ユウキ、お菓子を作ってくれる?あ、ポーションの作り方もその時にお話ししましょ?他にも・・・」
興奮した様子のノエリアが話し続ける。
「ストップストップ。ノエリア落ち着いて、お話なら聞くから。お菓子もジュースも作ってあげるし、ね?はいはい、深呼吸して!」
慌てて落ち着かせるユウキ。
「え?あ、そ、そうね!スーハースーハー・・・。」
素直に深呼吸するノエリア。
そんなに疲れるのかな、監視って・・・。
こんな苦労する王様ってのもどうなのだろう。
「・・・ふふっ!王妃様って結構お茶目な人なんですね。」
ユウキとノエリアのことを側から見ていた黒龍がクスクス笑いながら一言感想を述べる。
「・・・ユウキの弟君よね?さすが、姉弟ね似てるわ!笑った顔なんてユウキそっくり!・・・まあ、こんなところで立ち話もなんだから入ってちょうだい。」
「それじゃあ失礼します。」
「失礼します。」
ユウキと黒龍は王の執務室に入る。
すると、中は本棚が並び書斎のような部屋だった。部屋の奥の机には茶色の髪をオールバックにまとめた見た目はダンディな男の人がユウキと黒龍を出迎えた。
「ようこそ、我が城へ。我が妃をエルフの国から護衛してくれたこと感謝する。私の名はアルヴィン。この始まりの国の王だ。よろしく頼む。」
と自己紹介してくれた王様。
「・・・よろしくお願いし「ユウキ!そんな奴の相手なんかどうでもいいから庭に行きましょう!レミリアも呼んでお茶会よ!」ます・・・え?ちょっとノエリア?!まだ挨拶の途中!」
ユウキの挨拶を遮り腕を引っ張って移動し始めるノエリア。
「・・・エル。私の紹介ぐらい許してくれないか?」
堪らず王様が聞く。
「私の不在の中私の親友に迷惑かけた人のことなど知りませんわ!」
「・・・迷惑なんてかけてな「ないっていうつもり?!」・・・え?」
おびえた様子で言い返す王様の言葉を遮るノエリア。
「防具屋のファイに写真をもらったそうじゃない!それをあなた隠し持ってるって知ってるのよ!?衛兵から報告受けてるのだからね!あなたが、私に隠れて写真をみてニヤニヤしているって!ユウキは消して欲しいって始まりの国全体に伝えたってのにあなただけ消してないそうじゃない!十分迷惑かけてるわ!」
ついに爆発したノエリア。写真と聞いてビクッと反応し、浮気がばれた夫のような顔になった。
「い、いや、あれは違うんだ!あれは、その、そう!ファイのやつが悪いんだあんな写真を送りつけて!私は悪くない!」
そんなことを言い出した王様に、ユウキ、黒龍、ノエリアは冷めた目で、
「「「最低だ(ね)。」」」
3人は執務室から出て行きパタンと扉を閉めた。
扉が閉められた後、すぐに扉を開けて廊下にスライディング土下座をした王様。
「本当に!!すみませんでしたぁぁ!!データ消すんでひとりにしないでぇぇぇー!!!」
ハブられたたくない王様が必死に叫ぶ!
そんな時久しぶりにユウキはあのピロン♪という音を聞いた。
ん?なんでこんな時に?何もしてないけど。
王様を無視してログを確認するとこんなのがあった。
ピロン♪
称号:鬼畜 を取得しました。
・・・・・・・・・いらないよ!
今度ギンをぶっ飛ばす!
そう心に誓うユウキだった。
「・・・はあ、ノエリア。どーする?」
称号のせいでドッと疲れが増したユウキはノエリアに問う。
「データ消すって言ってるけど本当かわからないもの。無視しましょ?」
「僕も国民の所為にする王様はどうかと思うな♪」
ノエリアと黒龍は見捨てていきたいようだ。
「・・・まあ、データ消してくれるなら、私はどうでもいいんだけど、それだけじゃ示しがつかないから、今溜まってる分の仕事を全部今日中に終わらせたらノエリアの機嫌良くなるかもしれませんよ?他にも、私からの差し入れも入るかも?」
「データ消して仕事を今すぐやってきます!!!」
ビシッ!!!と敬礼してすぐに執務室に戻った王様。
「・・・ユウキ?甘やかしちゃダメよ?もっと厳しくいかないと!」
プンプンと可愛く怒っているノエリアの頭を優しく撫でてノエリアを落ち着かせるために爆弾を落とす。
「怒ってるノエリアも可愛いけど、楽しそうに笑ってるノエリアの方が好きだから王様とは早く仲直りして欲しいな?レミリアのためにも、ね?」
笑顔でノエリアに問いかけるユウキ。
「っ!!!ユ、ユウキが、そういうならしししょうがないわね!!さ、さあ!庭に行きましょう!そこならユウキの家族も呼んでも大丈夫だから!」
顔を真っ赤にしてかなり動揺した感じで歩き出すノエリア。
「お姉ちゃんが男装した時のこと思い出してしまった・・・お姉ちゃんって昔イケメン執事って呼ばれてたよね。なんか、この世界の女の人全員ユウキ姉ちゃんに堕とされそうで怖いんだけど。」
と何やら気になることを言い出した黒龍。
それにいち早く反応するノエリア。
「ユウキが、男装?!・・・ゴクリ。じー」
「こら、黒龍。こんなところでなんで暴露するの。ほら、ノエリアも私じゃなくて前見て歩きなさい。」
「ユウキが、今度のパーティで男装して私の護衛してくれたら前見て歩くわよ?」
「え?なんで、もう男装してもらう気満々なの?!異界ではできてもこの世界ではできないと思うよ?・・・多分。・・・できないよね?ね?」
「お姉ちゃん、この世界でも男装とかできると思うよ?男専用装備ーとかないからなんでもできると思う。」
「・・・(たらり)」
冷や汗を垂らしギギギとノエリアの方を向くユウキ。
「決まりね♪」
とても楽しそうな顔のノエリアがそこにいました。
「・・・。」
ノエリアが元気になったのはいいけど、私は元気を失った!!
がくりと項垂れ諦めたユウキ。
「頑張れ、お姉ちゃん!」
「楽しみだわ!」
「・・・はあ。」
写真という悩みは消えたけど、別の悩みが増えた気がするのはなぜだろう。