第53話 城に行く前に
ギンたちと別れたあと、家族はラウ以外一旦帰し、ラウは肩でお昼寝中。、
「さて、どうするかねー。」
とユウキ。
「どうするかねー。」
同調する黒龍。
「「何が?」」
話がわからないノアとラタ。
ユウキと黒龍は後ろについてくる奴らに気づき、警戒していた。
ユウキは、魔力感知で同じ魔力の者たちがついてきていることを知った。黒龍はどんなスキルを持ってるのだろうか。
「黒龍、私も後でスキル教えるからそれ教えて。」
「いいよー。僕とは違うの何でわかったの?」
「違わないかもしれないけど、スキルは同じものを取得するとは限らないから違うかなーってね。」
「そうだねー。・・・んー。二手に分かれる?」
「まあ、さすがに城の中にまではいらないでしょ。」
「・・・でも、アレ、プレイヤーでしょ?ギンたちが消えてから付いてき始めたよね?運営の人間じゃないの?」
鋭い黒龍。
「・・・んー。黒龍。」
「何?お姉ちゃん。」
「闇討ちと脅しどっちがいい?」
真面目な顔で聞いてくるユウキに、
「「「・・・。」」」
ユウキたちの話を聞いていた2人も含めて3人は無言になった。
「お前のそういう考えが、つきまとわせてるんじゃねえの?もしかしたら、勘違いの場合もあるだろ。」
とノア。
「そうだそうだ。お前最近そういうのばっかじゃねえか。そろそろ出禁になってもおかしくないぞ。」
とラタ。
「黒龍からも言ってやれ!一般常識を学び直せとか。」
と黒龍に話を振ると、
「・・・お姉ちゃん。僕!闇討ちしたい!背後に回って首のとこトンってして気絶させたい!」
とワクワクした顔で訴えた黒龍。
「「・・・はあ。」」
げんなりとした表情のノアとラタ。
「あの、トンってするのは本当はできないらしいけど、剣の柄で鳩尾に1発入れれば気絶すると思うよ♪」
「トンってできないの?!そっかぁ。でも!剣の柄でやるのもカッコよさそう!やりたい!」
ビシッと片手を上げて闇討ちをやりたいと宣言する。
「じゃあ、2人は囮やってね。作戦はこう!このまま真っ直ぐ歩いて、左に曲がったら私と黒龍は曲がってすぐのところで隠密発動させてしゃがむ。で、2人はその後先の曲がり角か遠くに走って向かって。標的が全員曲がったら1人ずつ闇討ちしていく事!交代でやろうね!最初は私がやりたいけどいい?」
とユウキが作戦の内容を楽しそうに話す。
ここまでの会話は標的と離れているので、楽しそうに話しているだけにしか見えていない。さて、路地に連れ込んでOHANASHIタイムかな。
「じゃあ、こっち行こう!こういう路地裏ってワクワクするよね!」
「そうだね♪お姉ちゃん。」
「えー。真っ直ぐ行こうぜー」
(反対意見出したほうがいいだろ?)
とノア。
「別に急いでないし、探検探検!」
(自然でいいかもね。ってかノリノリだし。)
とユウキ。
ユウキたちは路地に入るため左の角を曲がり作戦を実行する。ノアとラタは曲がった瞬間走り出し先にある左右の分かれ道にそれぞれ隠れる。
少しして、慌ててこの路地に入ってくる数人。数は・・・5人だね。見た目はコレ。忍び?
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【金木の部下視点】
ようやく職業が忍者となったあと、金木さんに任務を与えられた!
白い髪のプレイヤーの行動の監視だ!
運営の人間があまり1人のプレイヤーに関わるとかダメなんだが、一体このプレイヤーは何をしたんだ?
特に詳しい情報が得られてない状態での任務なので、遠くから監視するしかできないが。
それにしても楽しく話しているな。背の低い黒髪のプレイヤーは知り合いか何かか?他の2人もどっかで・・・
む?
路地に入った?!
ちょっと待て・・・はっ!まさかゲーム内での違法取引的なやつか!!それは見過ごせん!
そんな思考に走ったその集団のリーダーが、他のメンバーにも路地に急ぐように入る。
?!
居ないぞ!どこいった?!おかしい。気づかれていた?!このスキル隠密は掲示板に載ってないスキルだぞ。見破れるスキルを持っていたのか?!
・・・くっ、まだ近くにいるはずだ探すぞ!
探すように指示を出そうとして、後ろを振り向くと・・・
「やっ!こんにちは。・・・そしておやすみ!」
白い髪のプレイヤーが俺の目の前にいて、部下は背の低い黒髪のプレイヤーにのされていた。
「え?・・・ぐっ!」
腹に一撃をくらい気が遠くなる。
なにが起きたんだ・・・
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忍びのプレイしてるなら後ろを簡単にとられちゃダメだと思う。後ろ側にいた2人を黒龍と一緒に、まず口を塞ぎ、声を出せないようにして短剣の柄で一撃。黒龍は片手剣の柄で。もう2人もやり、最後はリーダーらしき人。最後は振り返ってきたので、
「やっ!こんにちは。・・・そしておやすみ!」
と一言言って、一撃入れて気絶させた。
何か呻いていたけどよくわからないから放置で。
「よし片付いたね。後ろからストーカーとかやめてほしいね!気分最悪になるでしょうが。ノアー、ラター行くよー。」
「「うーい。」」
2人は返事をしたあとユウキ達のところに行き、気絶させられたプレイヤー達を可哀想な目で見つめ考え込む。
「ほら、行かないの?」
「俺たちはこいつらの介抱するわ。わけがわからないだろうし、なんか目的があったならまたストーカーとかするかもしれないだろ?それ予防のために残って話するわ。お前らは先行っていいぞ。」
とラタ。
「そうだな。俺たちは好感度そんなにあげてないから入れないかもしれないしなー。まっ、城は気長に行くわ。」
とノア。
「そう。わかった。話を聞いて何かわかったら教えてね。」
「そっちも、100%報酬が何かわかったら教えろよー。」
とラタ。
こうして黒龍とユウキは今度こそ城へ向かって行きました。




