第49話 おやつのお時間
フミに関しての最後の文章を書き換えました。前の文章は無理があったので。
〜拠点・庭〜
「お邪魔してるよー。ユウキ〜。」
とツキヨ。
「いらっしゃい、ツキヨ。今日は1人で遊びに来たの?」
「1人じゃないよー。ユナと一緒に来た。でも、ユナ、鶏小屋の中で寝ちゃって、私1人じゃ出てこさせれないからユウキ待ってた。」
「え?!」
慌てて鶏小屋に向かうユウキ。
それにゆっくりついていくツキヨと黒龍。
「バードスピーク!ここにユナちゃんいる?!」
急いで駆けつけると、
バードスピーク2体と子供たちに囲まれて眠っているユナちゃんがいた。
ユウキが来たことに気づいた、親鳥の一体がみんなを起こそうとする。
(あ、いいよいいよ。でも、ユナちゃんだけ回収するね?)
小声でその1体に話しかける。
コクリと頷き、ユウキがユナちゃんを回収するのを見送る。
ユウキはユナちゃんを抱き抱え、小屋から出る。外で待っていたツキヨと黒龍、クルード、ルナを連れて家に入る。
ユウキが寝室としている場所にユナを寝かせ、そっと部屋を出る。
「ふう。」
「ユウキごめんよー。ユナが庭で薬草畑の手入れとか、鶏小屋を見たいとか言って遊んでたらいつの間にか寝ちゃって。」
「いや、まあ、いいんだけど。あそこじゃ風邪引くかもしれないから一応ね。薬草畑の手入れをしてくれたんでしょ?ありがとう。お礼に簡単なお菓子作ってあげる。」
「わーい!」
本当に、この子は可愛い反応するな。大人になったら、綺麗な美人さんに・・・。
コンコンコン。
ん?
「あれ?誰か来た?」
と黒龍。
「ちょっと見てくるか。」
「あ、待って、私見てくる!」
と玄関に向かうツキヨ。
「まあ、大丈夫だと思うけど、黒龍もついて行ってあげて。」
「うん。」
返事をして黒龍も玄関に向かう。
私は以前に作ったクッキーとマフィン、後、私だけ食べれてないフルーツタルトでも作りますか。今日こそは私が食べるんだ!じゃあ、キッチンに移動しますかね。
「レシピ/お菓子/クッキー/調理!
レシピ/お菓子/マフィン/調理!
レシピ/お菓子/フルーツタルト/調理!」
【丁寧に作られたクッキー】
品質:B 出来上がり度:7
効果:空腹ゲージ10%回復
HP5%回復
説明:丁寧に作り上げられたクッキー。
【丁寧に作られたマフィン】
品質:B 出来上がり度:7
効果:空腹ゲージ10%回復
HP5%回復
説明:丁寧に作られたマフィン。甘さが調節され、とても美味しい。
【フルーツタルト】
品質A 出来上がり度10
効果:空腹ゲージ20%回復
HP20%回復
MP10%回復
4種類のフルーツをバランスよく並べられ、アートのような不思議なタルト。
一定時間、随時HP10%回復が付く。(効果時間:2時間)
よし、タルトはこの前と同じ効果がついた!切り分けてお皿に盛り付けて・・・よし。
さて、リビングに持って・・・
「お姉ちゃん!お客さんだよー。」
「お邪魔しまーす。」
「へー。なかなかいい家ね。」
「家具付きだったのか?!」
「いくらした?」
「ホーム買ってクラン作ったのお前だけだぞ。」
「いい匂い!」
「お菓子だな!」
「食べたい!」
「おやつの時間でしたか!」
「俺も食べる!」
「あー、私と黒龍兄ちゃんとユナに作ってくれたの!お兄ちゃんたちにはあげないもん!」
順に黒龍、火龍、清龍、光龍、ラタ、ギン、ミリア、カイト、メリーさん、ツルギ、ノア、ツキヨでした。長いよ!そして多いよ!
最後にツキヨが言った通り4人分しか用意してない。クッキーとタルトは量産しますか。はあ。
「ツキヨの言う通りだけど、追加作ってくるからツキヨ、お皿出してくれる?」
「わかった!」
「私も手伝うわ。」
と清龍。
清龍の後にミリアとメリーさんもついてきた。
さて、追加ね。クッキーは一回で10枚ぐらいできるから、後3回分追加かな。タルトは8等分するとして・・・あと1ホール分作ればいいか。さて、やりますかね。
数分後・・・
よしできた!
お菓子を持っていくのに人を呼ぶ。
「おーい。お菓子できたから数人こっち来て運ぶの手伝って!」
「「「「「はーい!」」」」」
声を聞きつけ、清龍、ミリア、メリーさん、ツキヨとユナちゃんが来た。
「あ、おはよう。ユナちゃん。」
「ユウキ、ごめんなさい!いつの間にか寝ちゃってて、ベットまで運んでくれたってツキヨに聞いた!」
「いいよいいよ。薬草畑の手入れしてくれたって聞いたから。ほら、これ運んで!」
「うん!うわあ!美味しそう!」
とユナちゃん
「早く運んで行って食べましょっ!」
と清龍。
女の子がお菓子を運んでくる。この光景を男共目線だと・・・
「うん。めっちゃいい!!」
と光龍。
「下心アリで僕のお姉ちゃん見たら消しますよ?」
と黒龍。
「ユウキだけじゃなく、美人と幼女までもが、俺に菓子を!」
とノア。
「ノア、お前ロリコンだったのか。うわー。」
引き気味のラタ。
「あんたらはそんなことしか考えてないと思ったよ。少しはツルギを見習え、食器の準備とかやってるでしょ!」
視線がツルギに向かうが、すぐに元に戻る男共。
「で?今日は何のお菓子?」
とラタ。
「みんなが食べたがってたタルトだけど。」
「マジか!?食べる!食べさせてください!」
とノア。
「そのために作ったんだからあげるけど。」
クッキーとマフィンの乗せた器はみんなが取れるように小皿に分けて入れ、ケーキは一人一個お皿に乗せて出してあげる。ドリンク(ポーション)も忘れずに。
「はい。どうぞ〜。」
「いっただっきまーす!」
全員が声をそろえて言う。
私も、タルトを食べる。
うん。美味しい。カスタードとフルーツのバランスがうまく取れてるね。甘くて美味しい。味わって食べないと、すぐになくなっちゃう。
「ピャァー?」
「キュルル?」
2人がタルトと私を交互に見る。
「ふふっ。ちゃんと用意してあるから。はい。どうぞ。」
「ピャァー♡」
「キュルァ♡」
おいしそうに食べる2人。可愛い。
そんな2人を眺めていると、
ガタ!!!!
ん?
「な、なんで、ルフがここにいる?!」
「レイドボス?!」
「なんでユウキに懐いてんの?!」
「why?!」
順に、ラタ、清龍、ギン、ツルギでした。
声に出してないけど、他のノアと黒龍とツキヨとユナちゃん以外は驚いた顔してます。
「クルードは私の家族だよ?」
「だよ?じゃねえ!どうやって契約した!?」
とラタ。
「特定条件満たしたので。」
「・・・なんで、お前そういうの引き当てるの好きなの。」
落ち込むギン。
「好きでやってるわけじゃないんだけど。」
「敵対はしないのよね?」
と清龍。
「うん。ルナをいじめないでね?ルナをいじめたら暴れるから。」
「ルナ?」
とミリア。
「うん。今、隣にいるアイスバードのルナ。クルードにとって、妹的?存在みたいだから。」
「へー。」
「?なあ、もしかして、ルナってあのルナ?」
とノア。
「うん。バードジュニアのルナだよ。」
「ファッ!?」
とバードジュニアと聞いて驚くギン。
「今日生まれたのに今日進化したの?!」
とノア。
「ちょっと待て、バードジュニアがなんでアイスバードに進化してんだ!!」
とギン。
「え?魔法を覚えられたから、氷魔法覚えさせて、レベル上げたらアイスバードになれる選択肢が増えたよ?」
「種族レベルMaxにしたらバードスピークにしかなれないはずだろ?!」
「えっと。最初はそれしかなかったけど。SP振り分けて、魔力増やして、氷魔法のレベル上げたら進化先増えたよ。」
「なん、だと!?そんな方法が?!」
とギン。
「え?どうしたの?」
「はあ。いや、進化先一択なのはありえないとは思ってたが、あいつこんな落とし穴を作っていやがったのか。」
とギンが悔しそうに呟く。
「あいつ?」
「あー。まあ、いつか会えるとは思うが、この世界の魔獣関連を生み出した開発のやつ。同期なんだけど。まさか、レベルMaxでも、すぐ進化させずに、魔法のスキルのレベル上げたら属性の魔獣に生まれ変われるとか誰が気付くんだよ。はあ。」
とため息つくギン。
「私かな。」
「お前以外思いつかないだろ。普通はすぐに進化させる。」
「その人ってプレイしてるってこと?いつか会えるってことは。」
「あぁ、あいつもサモナーとして活動してる。まだ、修正とかしてて積極的な参加ではないと思うが。・・・まあ、このことについて話しておくから、あいつが興味持ったら近々紹介するわ。」
「へー。サモナーってなかなか見ないから同じ職種の人とは仲良くしときたいんだよね。よろしく!」
ユウキとギンが話していると、
「お姉ちゃん!このタルト食べた後、どうするの?」
「どうするって、ツキヨ達と遊ぶけど。」
「それもいいけど!このタルトの効果試しに行かない??西の蛇にわざと噛まれて、毒食らって、どのくらい減るのが続くのかとか、回復頻度どれくらいなのかとか!」
「確かに気になるな。それは。」
と黒龍に同意するラタ。
「まあ。気になるね。でも・・・」
「ユウキ!気にしないでいいよ!勝手に遊びに来ただけだし、おやつ食べれたしね!」
とツキヨが笑顔で言う。
「そうだよ!ユウキのおかし食べれたから満足だよ!」
とユナちゃん。
「ふふっ2人ともおかし目当てだったの?じゃあ、クッキーの残り持って帰ってお食べ家族と分けて食べるんだよ?」
「「えへへ〜ありがと!」」
癒される。可愛い。
「じゃあ、お邪魔しました。」
「またお菓子作ってねー」
ユナちゃんとツキヨを見送り、黒龍達と西門に向かう。
「今。全員集まってんだから、ギルドで登録しちゃえばいいんじゃない?」
と清龍。
「そういえばそうだね。先にギルド行こうか。」
〜冒険者ギルド〜
ざわざわ
「おい、あれ、ノア様じゃね?」
「キャ〜ノア様だわ!」
「ラタ様もいらっしゃるわ!」
「でも先頭歩いてるのって・・・」
「oh・・・話しかけれない。」
「ユウキ様、今日はどのようなご用でしょう?」
と、セルフィーが聞いてくる。
「今日はクランのメンバーが増えたからそれの登録をしたいんだ。」
ザワッ!
「ま、まさか!ノア様がクランに入るとか言わないわよね!」
「あの女の?!」
「まさか〜、ノア様も別でクラン作るに決まって・・・」
「それでは、ユウキ様にクラン加入申請を送ってください。」
ピロン♪が8回続き、すべて認証するユウキ。
「はい。こちらでも認証を確認しました。ユウキ様のクラン『天神龍』は総勢13名となりました。10名以上となりましたので、クラン専用クエストが発行されます。是非受けてくださいね。」
「うん。わかったよ。じゃあ、また来るね!」
「はい、お待ちしております!」
ユウキ達はセルフィーと別れギルドを出ようとするが、
「ちょっと待ったー!!!」
赤い髪の女の子が立ち止まらせる。
「ん?誰?」
「あんたこそ誰よ!ノア様とラタ様に何したの?!」
「何って・・・?」
「私はノア様とラタ様のファンクラブ会員No.65のフミよ!なんであんたなんかのクランに入るのかって聞いてんの!」
「そんなの知るか。そこに本人いるんだから本人に聞け!」
「なんですってー!!」
「どいてくれる?急いでるんだけど。」
「嫌よ!」
「いや、迷惑・・・「何してるんでしょうか?うちのギルドで。」あ、セルフィー。」
「何よ。あんたには関係ないでしょう!そこどきなさい!」
セルフィーに向かって怒るフミ。
「フミ様申し訳ありませんが、他の冒険者様のご迷惑になるのでおやめください。」と頭をさげるセルフィー。
「嫌よ!理由を聞くまで引かないわ!」
「理由ですか。ではノア様、ラタ様あなた方は何故ユウキ様のクランに入りたいのでしょうか。伺っても?」
「え。いや、俺はユウキが一番攻略の最前線にいるから強くなるにはちょうどいいからかな。」
とノア。
「俺も、ユウキの側なら攻略に専念できそうだから。それに、βの時クランマスターとサブマスターやったけど、なんか、しっくりきてなかったし、楽しめてなかったから、誰かの下につこうとは思ってたんだよな。」
とラタ。
「ぇ。」
楽しめてなかったという言葉を聞くフミの顔色を悪くする。
「理由は聞きましたね?御納得していただけましたか?」
「ぁ、あの。その。・・・後もうひとつ良いですか。」
心にダメージを受けていたフミだが、質問するようだ。
「何?」
「貴女は黒騎士様とはどういう関係ですか?」
「黒騎士・・・ああ!黒龍か!私の弟だけど?」
ザワザワッ
「・・・っ!!」
何やら大きなダメージを食らって動かなくなるフミ。
「・・・ふむ。ユウキ様、もう行って構わないですよ。あとはこちらで対処しておきますので。」
とセルフィーが言うので。
「じゃあ、よろしく。あ、セルフィー、これお礼にあげる。」
そう言ってユウキが取り出したのは、マフィン。クッキーはユナちゃん達にあげたけど、マフィンは残っちゃったんだよね。数は、8個。受付嬢のみんなとセルフィーを入れてちょうどある。
「一個ずつ食べてね。」
「あ、あ、あ、」
セルフィーがわなわなと震えて
「「「「ありがとうございます!!!!」」」」
最後はセリフをかっさらう受付嬢達。
「ちょっとー!!」
「ふふっ!仲良くね!」
そう笑顔で伝え、西に向かうユウキ達。
そんなユウキ達を見て、フミの心境の変化があったことに気づかずに・・・